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転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて、勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい  作者: 冬月光輝
第2章:新たな侵略者、【魔界貴族】編

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第25話:【加護の力】を渡された私が生き残る方法を考える話

【バルバトス公爵】を退けた私は、ラミアを救出して無事に地上に戻った。

しかし、ラミアの【加護の力】が私に全て移ってしまったと告白された。


「ラミアの【加護の力】が私にかぁ……」

私の中で色々な思考が張り巡る……。


【守護天使】の【加護の力】それは勇者が受け取ることが出来る言わば特典のようなものだ。


勇者になる瞬間、もしくは【実績】が女神に認められたとき、【守護天使】の力の一部分として【加護の力】を手に入れることができる。


どのような力なのかというと、例えばアレックスの場合は【光系統の魔法】、【全状態異常回復魔法】、【数秒間停止するだけで、体力を大幅に回復する技術】の3つの力を手に入れた。


これらは職業を極めて覚えることは出来ない。

まさに【勇者のスキル】なのである。


ターニャも儀式の後に何か【勇者のスキル】を覚えているはずだ。


しかし、【守護天使】の【加護の力】はあくまでも【一部分】を分けてもらっているにすぎない。

だから、複数の【勇者】に同じ【加護の力】が付与される事もよくあるのだ。


私はラミアから【全て】と言われた。

これは、明らかに【勇者】達とは違うはずだ。

どう違うかはわからないし、今のところ何も異常を感じないから調べようもない。

だが、ラミアから【加護の力】を一部でも貰った【勇者】は全て死んでいる……。


「うわぁ、うわぁーっ!! 私はもう死んでしまうんだぁぁぁっ!! なんて事だぁぁぁぁ!! 嫌だぁぁぁぁ、流石にまだ死にたくないよぉぉぉぉぉ!!!」

私はパニックになって叫んだ。


「ルシア様、落ち着いて下さいまし」

ラミアは私にオロオロしながら声をかけた。

アホ堕天使、これが落ち着いてられるか。

致死率100パーセントの猛毒を、致死量の何倍も飲んだのと同じなんだぞ。

河豚を何の処理もせずに山程食べたみたいなもんだよ。


「解毒魔法? 解呪魔法? 何を使えば……。大蛇を召喚して血清を飲めば…………。いかん、何にも思いつかない……。【加護の力】って何だよっ、これで私も勇者デビューってか……。何言ってんだ私は!!」

あれこれ、何とかする方法を考えるが何も思いつかない。


「大丈夫ですわ、ルシア様。大丈夫ですの……。とりあえず、当面は……」

ラミアは私に再び声をかけた。

何が大丈夫なもんか。

だって、死んでいるんだろ、【勇者】達が……。


「ルシア様の中にある【加護の力】はわたくしが封印しておきましたから、大丈夫ですわ。ごめんなさい、どうしても取り出す方法がわからないですの」

ラミアははっきりとそう言った。

そっそうか、封印か……。

だから、何も違和感を感じなかったのか……。

ん、でも当面ってなんだ?


「ええと、まず、ルシア様のピンチの時に封印が解けて【加護の力】が解放されましたわ……。そのときにルシア様の体にわたくしの【加護の力】が渡されてしまいましたの。そして、先程【封印術】をもう一度かけ直したのですが、そもそも女神様の【封印術】の見よう見まねですので、完全に封印することができませんでした……。それでも、10日以上は大丈夫なはずですわ」

ラミアはしょんぼりとした顔で私に話した。


「なるほど、その不完全な【封印術】が解けたときが私の最期というわけか……。はぁ、10日間かぁ……。どうしたものか、短い人生だったなぁ」

私は猶予が与えられて多少は落ち着いたが、軽く絶望していた。

まっ、ラミアの力がなかったらバルバトスに殺されていた訳だし、ラミアを恨んだりはしないけど……。

死に場所でも探すか?


「ルシア様、こうなったら完全な【封印術】をかけてもらうしかありませんわ」

ラミアは私の目を見て話した。


「完全な【封印術】? だって、【女神】様がかけたんだろってまさか……」

私はラミアの言っている意味を理解した。


「ええ、【天界】に行って【女神】様にお願いするのですわ。【封印術】をかけ直して欲しいと……」

ラミアはゆっくりとはっきりとした口調でそう言った。

はぁ……、【魔界】の次は【天界】って……、【勇者】のパーティーの時より行動範囲が広いんだけど……。


「でも、まぁ助かるにはそれしかないか。とりあえず、エリス様に報告してもう少し暇を貰おう。【堕天使】とか、そういう事情は伏せないといけないが……」

私はそう言って、フラフラと宮殿を目指した。


――ダルボート宮殿、エリスの部屋――


「あら、ルシア。早かったわね。ちょうど祝勝会が終わって一息ついているところよ。お父様もお喜びで、あんたに今度勲章を渡すって言ってたわ。ラミアも無事で本当に良かった。まっ、あんたが助けに行けば、【魔界】の猛者だろうと大丈夫だと信じていたけど……」

エリスは満面の笑みで私とラミアを迎い入れた。


「そっ、そうですか。光栄です。私も微力を尽くした甲斐がありました。ラミア、良かったな。戻ってこれて」

私はエリスの顔が直視できなかった。


「はっはい。とても嬉しく思いますわ……」

ラミアもぎこちない返事をした。


「ん? 変ねぇ、あんた達何か話したいことがあるんじゃない? だったら早く、言ってみなさいよ」

エリスは何かを察した。

流石に、私達が変だと気づいたか……。


「ええ、実は――」

私は【加護の力】を【悪魔の呪い】ということにして、【天界】に行こうとする旨を話した。


「――というわけでして、10日以内に呪いを解かなくては私の命が危うくなってしまいました」

私はエリスに説明をした。


「ちょっと、今度は【天界】ってあんたも忙しいわね。ていうか、急ぎなさいよ、命が懸かっているのでしょ。そんな呪いなんかで死ぬなんて許さないわよ。行く宛はあるの?」

エリスは真剣な顔つきになる。


「ええ、まぁ一応は……」

ラミアが【天界】に行く方法を知っているとは言えなかった。


「そう、わかったわ……。じゃあ、その剣はまだ貸しておいてあげるから、必ず呪いを解いて戻ってきなさい」

エリスは私達の旅立ちを認めた。

もちろん、無事に戻りますとも。


「じゃあ、行こうか。ラミア……」

私はラミアを見た。


「承知いたしましたわ。ルシア様……」

ラミアと私は宮殿を後にした。


――ダルボート城下町――


「……、でっ【天界】ってどこにあるんだ? 最初会ったときに、アレクトロン王国の国境付近に落ちてきたってことはその辺りになるのか? 空に城があることは書物で読んだことはあるのだが……」

私はラミアに質問した。


「いいえ、【天界】は常に移動していますわ。あのときは偶々、アレクトロン王国の上空付近でしたの」

ラミアが絶望的な告白をする。


「えーっと、じゃあわかるのは世界中の空の上のどこかというだけなのか? それじゃ、探しようがないぞ」

私は唖然とした。

本当に手がかりなしだったら、見つけるのは不可能だ。


「いいえ、わたくしも【天使】の端くれ。何となく【天界】の気配を探って、方向くらいならわかりますわ。ルシア様の竜に乗って、わたくしがナビをしますわ」

ラミアは私にそう提案をした。

ふうん、ドラゴンでも行けるくらいの高度ならちょっと安心したよ。

1万メートルくらいが、限界だから不安だったんだ……。


「じゃあ、場所を見つけることはラミアに任せられるな。ちなみに、【女神】様のことを避けていたみたいだけど会いに行っても大丈夫なのか?」

私は1番の疑問点をラミアに尋ねた。

そもそも【女神】に会いたくなくて一人になったから攫われたよな。


「大丈夫ではないですわ。掟を破ることになりますし……。凄く怖いです……。でもでも、ルシア様がわたくしの力のせいで命を落とすことはもっと怖いですわ……。必ずやルシア様が助かるように力を尽くします」

ラミアはこれまでにないくらい悲しそうな表情で私の問に答えた。


「そうか、何ていうか……。悪かったな、さっきは取り乱して……。別に私はこれが原因で命を失ってもお前のことはこれっぽっちも恨まないし、会えて良かったって思っているぞ。そんな顔をするな……。まっ、憎まれっ子は世にはばかるっていうしな、私はしぶといんだ。生き残ってみせるさ」

私はやっと現状を受け入れて、前向きになった。


「はい! ありがとうございます。ぐすん……」

ラミアは涙を流しながら微笑んだ。

なんだ、それは悲しいのか、嬉しいのかはっきりしなさい。


「それじゃあ、【天界】に行くぞっ!」

私は気合を入れ直した。


竜騎士ドラゴンライダースキル発動】

飛竜召喚


「グォン、グォッ、グォッ……」

白い竜、オリゲルトちゃんを召喚する。


「しっかりと掴まっていろよ。舞い上がれ、オリゲルトちゃん!」

私とラミアはオリゲルトの背中に乗って出発した。



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