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転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて、勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい  作者: 冬月光輝
第2章:新たな侵略者、【魔界貴族】編

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第24.5話:ルシアの知らないその後の話2(三人称視点)

ボルメルン帝国の城下町の外れの森の中。

そこにひっそりと佇む大きな黒竜。

その傍らでレイラはフリーセルと呼ばれる一人用のトランプゲームをしていた。


「お待たせ、レイラちゃん。随分と暇にさせちゃったねぇ」

ジェノスはレイラに声をかける。


「まっ魔王様、じゃなくってジェノス様! こっこれは違うんです」ガサガサ

レイラは飛び上がって驚き、トランプを急いで片付けた。


「ふふっ、僕が大幅に遅刻したのが悪かったんだから暇つぶしくらい何にも言わないよ。そんなにびっくりしなくてもいいじゃないか」

ジェノスは髭を触りながらそう言った。


「はっ、寛大なお心に感謝いたします。それにしても、【天武会】はかなり前に終わった様子でしたが、何か不測の事態でもありましたか?」

レイラはジェノスの前に跪き、質問をした。


「うーん、ちょっと魔界に戻ってたんだ。【バルバトスの館】に急用が出来ちゃってね」

ジェノスは質問に簡潔に答える。


「【バルバトス公爵】のところにですか? 確かに、【魔界貴族】は【天界】、【地上】侵攻の邪魔になってきましたが、攻めるのはもう少し後にすると仰られていませんでしたか?」

レイラは頭を下げながら、質問を続ける。


「うん、まぁ当面は【地上】から攻める計画だったんだけどさ。ちょっとルシアちゃんの友達が攫われちゃってね。助けるのを手伝ったんだよ」

ジェノスは頭を掻きながらそう言った。


「はぁ、ジェノス様ともあろう方が人間ごときの手助けとは……。しかし、あの【バルバトス公爵】をこんなに短時間で仕留めて戻ってこられるとは流石です」

レイラはジェノスの顔を一瞬だけチラ見した。


「ふふ、これが面白かったんだよ。なんと、そのルシアちゃんが【バルバトス公爵】を仕留めたんだよねぇ。こっそり見てたんだけどね、予想以上の強さだったよ、彼女は……」

ジェノスは上機嫌だった。


「にっ、人間が【魔界】屈指の実力者の【魔界貴族】の一角を討ち取ったのですか!? ふむ、ジェノス様が興味を持たれる訳ですね。それで、そのルシアという人間と戦われるおつもりですか?」

レイラは驚愕しながらルシアの事を尋ねた。


「いやあ、ルシアちゃんが魔王城まで来てくれれば理想的なんだけどねぇ。運命はそう簡単に僕の思い通りにならない様子なんだよ。ルシアちゃんは、もしかしたら僕と戦う前に……。ふぅー」

ジェノスはため息をついた。


「戦う前に……、何かあるのですか?」

レイラは不思議そうな顔をした。


「殺されちゃうかもしれないねぇ」

ジェノスは遠い目をしてそう言った。


「はぁ、確かに【魔界貴族】は報復に来るでしょうね。よろしいじゃないですか、本来人間とは対立する間柄、敵同士が潰し合えばこちらは楽になりますよ」

レイラはジェノスの顔を見て話した。


「【魔界貴族】の連中もそうだけど、もっと【厄介な奴】がルシアちゃんの命を狙うのさ……。あーあ、無事でいてほしいなぁ。あれだけの戦闘力の持ち主が死んじゃうのは勿体ない。できれば、助けてあげたいんだけど……。まっ、運命次第だねぇ」

ジェノスは真剣な顔だった。


「そうですか、話が私ごときでは読めそうにないですね……。あっそういえば、この間ジェノス様が絶賛されていたショートケーキを買ってきたのですが、召し上がりますか?」

レイラは話題を変えた。


「本当かい? さっすが、レイラちゃん。じゃあ、早く帰ろうか。とっておきの茶葉が手に入ってねぇ、君にお茶を淹れてもらおうと思ってたんだ」

ジェノスは笑いながら、黒竜に乗った。


「承知致しました」

レイラもジェノスの後に続いた。

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