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白百合ホテルの手紙  作者: 市川瑠璃子
7/12

託された手紙 精神的苦痛

……とにかく、これが高校の時に私をいじめていた人達の最期です。

なぜ事件を見ているわけのない私が全ての真相を知っているのか、疑問に思われたことでしょう。

そもそも、私がなぜこの手紙を書いたのかも含め、全てお話しいたしましょう。


私はいじめられて育ちました。いじめの理由は「背が小さくて小柄だったから」でした。

家でもゆっくりはしていられません。遊ぶ時間はありましたが、手伝いをすることが他の人よりも多かったように思います。

それはいいのですが、母も私も、父の暴力に怯えておりました。なので家ではくつろげませんでした。


父はまともな職にはついておらず、母が頑張って稼ぎ、私は家事をしておりました。

遊ぶ時間は、日に日に減りました。母の働く時間も日に日に長くなりました。父の暴力も日に日に酷くなっていきました。

学校ではいじめ。

家では暴力。

安らげる場所などなく、母と私は父と別居を始めました。

しかし、母はもう限界に達していました。

心労により味を感じなくなり、幻覚に怯えるようになっていました。どんどんやせ細り、いつもうつろな目をしていました。

そんな母はもう仕事にも行けなくなっており、しかし私はいじめと父の暴力により人間を恐れるようになっていて、まともにバイトなどで働けるとは思えませんでした。

私は家にある家具を売り払いました。するとその家具が良いものだったらしく、かなりのお金は入ってきました。しかし、そのうち無くなると思いました。


私は大家さんにアパートを出ると言いました。元の家に戻ろうと思ったのです。

父が死んだことを知らされたからです。そして、父が死ぬ前に、あの家の持ち主を私の名義にしてくれていたことも。なぜ父がそうしたのかは分かりませんが、ともかくその家に移り住めば、家賃は掛からずに済みます。

それからが大変でした。なんとか手続きをして、今にも死にそうな母を連れて、家具を売り払ってもらったお金だけを持って、アパートを出ました。


その頃からでした。

私をいじめてきた人たちに、復讐したいと思い始めたのは……

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