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領都近く?

□◼️□◼️□◼️□◼️


「君は私の話を聞いていたの?」



俺は自信を持って頷く。



「ならどうしてその土地を選んだか説明して。

普通は領都付近の直轄地を選ぶものが簡単だし、お父様より援助を受けやすいはずよ。」



「それだと……」



「それだと?」



「面白くないでしょう。」



「あなたは面白いか面白くないかで領地を選ぶと言うの?」



「はい。」



メルモニタ先生は凄く呆れた顔をした。



「勿論、領都付近の地であれば運営は簡単でしょう。でも、その先には魅力がありません。旧態依然とした都市が出来るだけです。新しいことをするにはしがらみの何も無い土地が一番だと思います。」


「では何故敢えてネイオマール公の依子のダン男爵領に隣接する地を選んだの?他の地でも新しいことを始めるのに良い地は沢山あるはずなのに……」


「だってあの領地はもともとうちの領地でしょう。男爵が依り主を変えるのは勝手ですが、きちんと返すものは返して貰わないと。もっとも最初からケンカを売るつもりはありませんよ。力をつけた暁には利子をつけて返してもらいます。」


「ダンジョン横にしたのは?魔獸の被害を受けやすいのよ?」


「ダンジョンは資源だからです。」


「山岳地帯に隣接する地にしたのは?彼処にはヒノカミの一族がいるっていったでしょ?」


「父上が迫害したってことは、能力か勇猛さどちらかを恐れたからでしょう。それならば取り込めば良いんですよ。敢えて敵対することもありません。

それに山脈なら鉱山資源が取れる可能性があるのかと。」


「何故なのか分からないけど、君の案が魅力的に思えてきたわ……。無謀と分かっている筈なのに……」


(先生が納得するくらいなら、お父様ぐらいチョロいだろう。)


辺境領西方アルバ山脈の麓に広がるネコニア平原を領地として貰うことにした。


◼️□◼️□◼️□◼️□

結局一晩考え、表向きの理由は伏せることにした。


よくよく考えれば、親バカの父上があんな危ない場所へ世継ぎの俺が行くことを許す訳がないからだ。


取り敢えずは領都近くの『辺境の地を自力で開発する許可』

ってことにしておいた。

(『領都近く』っていっても尺度は色々あるからな~。この星全体で考えれば誤差の程度だろう。あとは町さえ出来てしまえば(既成事実さえ出来てしまえば)

なし崩し的になんとでもなるはず……。)


ちなみに、お父様に『領内未開拓地の開拓を跡継ぎの自分が率先してする事』の意義を説明したところ感激された。皇帝に実績として報告するって言ってたな……。


領地開発への出発は余裕を持って来年からにしたのだった。


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