作戦会議
前回のお話:フロースたちが拾ってきたロボットからの衝撃の発言。それは、1万のロボットの大群がすでに日本にいるという情報、そして”地球は俺たちの星ではない”という一言だった。
なんだって??
この星は俺たちの星じゃない...だと...!?
「この星は俺たちの星じゃないって...どういうことだ??」
「イマニワカル」
「ココロヤサシイ オレガ ヒトツ チュウコクヲ シテオコウ」
「何だ??」
「オマエタチ ニンゲン アト ミッカデ オワリダ」
「3日!?何が起こるんだ!? おい!! おい!!!」
気になる発言を残し。アイズは喋らなくなった。
何か意図が有って喋らなくなったのか、
或いは、誰かからの遠隔操作で喋れなくなったのかは分からないが...
「3日...3日後に何が有るんだ...」
「分からない、けど良くない事は確かね...」
分からないことだらけだが、こらからの目的は絞られた。
「3日立つ前に、敵陣へ乗り込むしかないようだな。
蓮、電子銃は完成できそうか?」
「...すこし奴らのテクノロジーに苦戦してる。2日あれば完成できるだろうな。」
「ギリギリだな...とりあえず、3日後に浦安に向かい敵陣に潜り込もう
この二日の間に、ある程度作戦を固めよう。」
「そうね、敵は1万のロボット。普通にやりあった場合勝ち目はないわ。
出来るだけ近づいて、外から敵陣がどうなっているか探りましょう。」
俺たちは、東京ドームを後にし、敵陣の近くまで移動することにした。
何故か東京湾の海が干上がっていたので、近くまで移動するのは楽だった。
若洲海浜公園付近まで移動し、敵陣がどうなっているか確認することにした。
双眼鏡や、視覚強化の魔法を使って外から見てみると、
確かに、城のそばに宇宙船らしきものが停泊していた。
海は、南東あたりに少し確認できた。
宇宙船の落下の影響で、海は干上がってしまったのか分からないが、
これは此方からすれば好都合だった。
「海側から攻めよう。あのあたり干上がっていて、深い溝ができている部分だ。
あそこは、侵入できないレベルの斜面だから敵の配置が少ない。」
「ただ、少し開けすぎじゃない?あたしたち近づいてくるのが、丸わかりになると思うけど...」
「そこは、視覚魔法を使う。数秒間カモフラージュすることができるはずだ。」
視覚魔法には、閃光魔法で目くらましをしたり、逆に視覚を奪う煙幕的な魔法がある、
そして、今回利用するのは、幻影の魔法だ。
この魔法を利用すれば、相手に幻を見せることができる。
既に、偵察している敵の数は確認済み。攻め込む前に、敵に幻影の魔法をかけておいて侵入する。
ケンスのスタミナの事を考えると利用できる魔法は限られている。
幻影の魔法は上位魔法にあたる。
敵の陣地へ侵入してからは、ロボットの位置を探るため、聴覚強化の魔法が必要になるはずだ。
そして、真琴、大吾、蓮の3人には能力強化の魔法をかける必要がある。
☆幻影魔法
・聴覚強化
・能力強化 x3
おそらく、これだけの魔法でケンスはガス欠を起こすだろう。
どうにかして、この魔法を駆使して敵のボスであるユダの元へ、そして奴らを壊滅させる糸口を見つけないといけない。
「聖剣か....」
そう、この作戦のカギを握るのは俺の能力...つまり聖剣が使えるかどうかにかかっているだろう。
ケンスが言うには、俺が勇者として覚悟そしているかどうかにかかっているらしい...
覚悟はある!!...が、未だ俺の前には聖剣は出てきてくれない。
どうすればいいんだ...
「とにかく!!今、考えられるだけの事はしましょう!」
「そうだな、全力をつくそう」
俺たちは、各々来るXデーに向けて、準備を行うことにした。
蓮は武器の製作、
大吾は、真琴と共に組手を行っていた。イメージトレーニングもかねてらしい。
フロースは、瞑想していた。魔法を鍛えるには、瞑想を行い精神を鍛える必要がある。
決戦までに少しでも魔力を上げておきたいらしい。
俺とケンスは、作戦を考えていた。
敵陣についての情報は少なかったが、考えうる手段をすべてシュミレーションし書き出す作業を繰り返していた。
そんな中、ケンスに一つ気になっていた事を質問した。
「ケンス、この世界に他のメンバーを連れてくることは難しいのか?」
「...というと?」
「短期間だけでもいいから、マグナ・ティエーラから魔王討伐隊のメンバーを連れてこれないかと思って」
魔王討伐隊の残りのメンバー、俺と、ケンス、フロースを含めて5人。
魔剣士のサキ、そして妖精のポッツだ。
サキは魔法は使えなかったが、すさまじい戦闘スキルとその強さで魔王討伐隊に選ばれた。
1体1であれば恐らく俺よりも強い。
ポッツは、マグナ・ティエーラで貴重な妖精族。妖精族は回復魔法を得意としていて、サポート役として討伐隊に選ばれていた。
この二人がそろえば百人力。相手が何万という敵だろうと、太刀打ちできる。
「ヤマト...残念だけど難しいんだ。理由は二つある」
「二つ?」
「あぁ、一つ目は、転移魔法のリスクさ。
今回、君とフロース、そして僕自身を転移させたけど、ある程度の魔力に耐えられる人間だから転移出来たんだ。転移魔法は、転移先の座標へめがけて人間を送り込む。その人間には実はかなり魔力外乱要因が発生する。それに耐えうる耐魔法能力を持った人間でないといけないんだ。」
「そうだったのか...」
「あぁ、だから、限定された人間でないと転移できない。フロースは元々耐魔法につよいし、君は特別だからね。僕もそこまで耐性は無いけれど、魔力の性質は理解しているから、調整できる。
だけど、サキとポッツは魔法に耐性がない...つまり少なからず外乱要因の影響を受けるのさ」
「うーーーん。複雑な問題だな...」
「まぁ、ぶっつけ本番で試してみて成功する確率は50%ってところかな。
魔障壁をはって転移する方法もあるけど...もうひとつの理由がある...
それは、サキとポッツはマグナ・ティエーラに無くてはならない存在なんだ。
サキは、王都の護衛軍士団長、ならびに王都軍の軍士長だからね。彼女がいなくなった場合、国を守るリーダーがいなくなる...
ポッツは、妖精族の族長。魔王討伐のときは妖精界を救うという目的で族長として参加してくれた。
魔物たちの影響で妖精界は大きな影響を受けた、今その復興に大忙し
彼女が仮に今こちらの世界に来た場合、妖精界に少なからず影響が出ると思うよ。」
「んん.....そうだな....」
「僕は一応王都の参謀だけど、この通りの自由人。フロースもエルフではあるけど、身軽な立場。
こっちにこれたのは、そういう理由も有るんだよ。」
「そうだよな...安易な考えだったよ...」
「ヤマトらしくないなぁ、いつもの君なら、
『俺がいるから大丈夫だ!俺に任せろ!!』
っていうんじゃないのかい?」
「えっ?...そうだな...」
「そうか。まだ覚悟ができていないみたいだね...」
俺の前には未だに聖剣は現れない。
不安を抱えながら、敵陣への潜入というXデーは近づいていた。
非常にマイペースに書いてます...こういう作業をしているとプロの方のすごさがわかります。趣味レベルの話ですみません!毎日投稿できるように頑張って話考えます!!
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