『カズ伝説』『赤い目』『オイルショックのあの事件』
『カズ伝説』
ブラジルのサッカー選手を、夢見る孤児達を育てる団体に、カズがボールを送った。
それも200個のボール。
子供達は、とても喜んだ。
しばらくして、Jリーグが同団体にボールを寄付する事になった。
エージェントが現地に行き、少年達にボールを渡す。
少年達は喜んだが、渡されたアディダスのボールを見て『アディダスじゃなくて、カズのメーカーが良かった』と口々に言う。
Jリーグのエージェントは、そんなメーカーあったかな?と思った。
『これだよ』と手渡されたボロボロのボールを見て、エージェントは驚いた。
すでに、かすれてしまっているものの、ボールにははっきりとサインペンで『夢をあきらめるな カズ』と現地の言葉で書いてあった。
200個ものボールに全てカズは、自筆のメッセージとサインを入れた。
それを、子供達は『カズ』のメーカーであると思い込んでいたのだ。
『赤い目』
タクシーの運ちゃんがある日、夜車を走らせていると、傘をさしていない女性がそのタクシーを止めた。
女性は『前に見えるマンションまで』と言う。
あまりの近さに、不審に思った運ちゃんは、バックミラーから女性をチラッと見た。
しかし、女性は下をずっと向いたままで、長い髪の毛を垂らし顔が見えなかった。
そして、マンションの前で降ろした。
すると、何を思ったか運ちゃんは、女性の後を着いて行き、家に入るまで見届けたが異変は無かった。
そこで、ドア穴から覗いて見ると、中は赤にしか見えなかった。
後日、この日の事を同僚に話すと『あぁ知ってるよ、あの人目が赤いんだよ』
運ちゃんは、一緒にドア穴を覗いていたのだ。
『オイルショックのあの事件』
オイルショックの時、街のスーパーをパニックに陥れたもの。
それはトイレットペーパーである。全国の主婦達は異常なほどにトイレットペーパーを買い占め、仕入れても仕入れても在庫が即尽きる現状にスーパーや卸売り店は頭を抱えた。
この出来事は教科書にも載り、また昭和世代の方にはかなりなつかしいと思う。
実はこの"トイレットペーパー買い占め騒動"を起こしたのはあるひとりのサラリーマンである。
団地住まいであった彼が朝、トイレに入ると居間のテレビからあるニュースがふと耳に入ってきた。
"中東戦争でオイルショック…石油価格高騰、それによって生活用品の価格も高騰が予想され…"
彼はトイレの中、そのニュースを頭にめぐらせた。
「石油価格高騰…生活用品の価格も高騰…」
そして目の前にはトイレットペーパー。
そして彼は居間の妻に向かってこう言ったのだそうだ。
「おい、トイレットペーパーも買えなくなるかもしれないな」
妻はその言葉を信じ、これは一大事!!とすぐスーパーに駆け込みトイレットペーパーを箱買いした。
その異様に焦った妻の買い出し姿を、同じ団地の主婦達が目撃していた。
そして、そのサラリーマンの妻に質問は集中。
妻は、他の主婦達に「トイレットペーパーが買えなくなるかも」と夫が言ったと答えた。
主婦の情報網はすごく、噂はたちまち団地中にひろまり、そこから更に街中に、市中に、県中に、果ては日本中にひろまった。
そしてあの騒動は起きたのだそうだ。
ちなみに事件の発端となったその当時サラリーマンの方はもう老人であり、
「お恥ずかしい。もう思い出したくないが…」
と最近になってこのことをおおやけにする気になったのだそうだ。




