表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の加護  作者: 零灑
9/10

Act8:≪裏の世界≫突入!

「いやぁあぁぁあぁぁああぁ!」


何処までも響く、彼女達の叫び声。

それもその筈、もう真下には湖のような溜め池が待ち構えているからだ。


「死にたくないぃぃいいぃい!」


そう叫んでいるが、残念ながら間に合わない。

彼女達は、ザッパーーーン!と大きな音を立て、湖に落ちたのだった。


「いったぁあぁあぁぁ!!!!」


最初に叫び声を上げたのは、明華。

それに続き、夕真も叫ぶ。


「死ぬかと思ったぁあぁぁぁあぁぁ!!」


ご尤もだ。


「……何で、死んでいないのかしら……?」


不思議そうに昼愛が呟く。


「だよねぇーアタシも思ったぁ!」

「ウチもウチもー!」


その疑問に明華と夕真が肯定する。

そして、キョロキョロと辺りを見回した。

ここが、どういう場所か、把握しておきたいからだ。


「うわぁー……ありえないっしょ……」


ポツリと明華が呟いた。

何故なら――……


辺りは見回す限りの、森、森、森……!


人のいる気配など微塵も無い。

助けを求めようにも求められない状況にある。


「どうするー??このまま泳ごっかー!」


と、明華が突如として言い出した。


「馬鹿言うんじゃないっ!」


スパーンッと綺麗な音が森の中に響いた。

それに続くのは、明華の悲鳴。


「い、痛いっ!何するのさ、夕真!」

「明華があんまり馬鹿なこと言うからだよ。」


むきぃいいぃい!と言いながら、夕真を睨みつけている。

しかし、夕真はハンッと鼻で明華を笑っている。


そんな2人を、にこにこと見守るのは、昼愛。



そんな3人に、一つの影が落ちた。


その影は、人の形をしていた。


その影に反応し、3人は顔を上げた。

しかし、3人が言葉を発するより早く

影の主が、言葉を発した。


「お前ら、何してんの?」


影の主は、男で、長身。

綺麗な空色の髪と透き通るような翡翠の眼。


「あ……えと……」


返答に困っている夕真。


「………。」


言い訳を考えている明華


昼愛は……というと――……



「……ぃ、ぃやぁあああぁ!!!」


突如として叫びだした。

しかも、ただならぬ雰囲気だ。ガタガタと震えている。


「ど、どうしたの!?昼愛!」

「大丈夫!?」


心配しだす、夕真と明華。

しかし、昼愛の震えは止まらない。



「……まさか、お前、視えるのか?俺の姿が」


影の主は、そう言った。昼愛を指差し、『俺の姿が“視えるのか”』と言った。

2人は、意味が分からない。

『姿』なんて、今見てるじゃないか、そう思ったからだ。


しかし、昼愛は首を縦に振った。



そう、それは――……




      肯定を意味していた。




――――森の中の家


ここは、影の主の家。


影の主は、罹藺リィ

この森に住んでいる、らしい。


「で、お前は俺の姿が視えんのか?」


今一度、昼愛に問いかける罹藺。

そして、大分落ち着いた昼愛は、ゆっくりと頷き、話し出した。


「罹藺さんの、後ろに、大きな、龍が、視えたんです。」


その言葉を聞き、やっぱりな、と言う罹藺。

そして、お前らが……と呟いた。


「どうしたんですか?リィさん」


心配になる、夕真。


「……えっと?」


どうしようか、と思う昼愛。


「……………ふふっ………」


罹藺の家にある本を熟読し始め、自分の世界に入っている明華。


「一人、場違いがいるけど……まぁ言うか。

 お前らが、≪3代目救世主サードヒロイン≫だろ……?」


真剣な眼をして――その翡翠の眼を細めて――訊いた。


「確かに、そうですけど……」


肯定する、昼愛。

後ろでうんうんと頷く夕真。


後ろで本を読んでいる明華はスルーするとしよう。



「紹介が遅れたな……俺は罹藺。

 そして、そいつが見えたとおり、俺は龍だ」


「えっ?」


夕真が固まる。衝撃の事実に。

昼愛は、やっぱり、とでも言うように罹藺を見た。


「俺は、天龍。その名のとおり、天を司る龍だ。

 それと、天驟雨とは親友でな、お前らを預かるようにって言われてんだよ」


少しだけ笑って言う罹藺。

その笑顔を見て、つられて笑う二人。


悪い人じゃない、そう確信したからだった。



明華は除くとしよう。


「…………ふふっ………」


自分の世界に入り込み、話を聞いていないためだ。

不気味に笑っているが、一応、一応!読書をしている。





ところ変わって、天界。



『こんなんで、救えんのかなぁ………、あいつ等』



3人の様子を見て――ほとんど明華だが――呆れる天驟雨。

その横には、需慧楼がいる。


『さぁ……??しかし、彼女の母親達も最初はこうでしたじゃありませんか』


彼女達の母親は≪2代目救世主セカンドヒロイン≫。


夕真の母で金縛りを操った 陽羽よう


昼愛の母で幻覚を操った  幸姫ゆき


明華の母で氷刃ひょうじんを操った  愛虹めぐ




『そういえば、そうだったなぁ……懐かしい』







昔を懐かしみ


今を憂う



神は願う


この世界とあの世界の平和を





少女らは 救うことが出来るのだろうか――……






お久し振りです。

神の加護は、片翅の蝶より少し、更新がおくれます。

真に申し訳御座いません。


           零灑

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ