Act1:始まりの時
「早く早く!お店が閉まっちゃうよぉ!!」
「あぁ〜もう!うっさいなぁ。」
「本当よ、明華。少しは静かに、ね?」
「ぶぅ〜・・・」
「あぁ〜もう!チョコ買ってやるから!」
「まじ!?大好き夕真!愛してるぅ〜!」
「助けろ、昼愛ぁぁ!」
「えぇ〜、やだ。」
そんな少女達の会話。
煩いことこの上ないが、周りにしてみれば日常茶飯事。当たり前のことなのだ。
そんな少女達を見ている者がいた。
それは―――――神。
◆◇◆
「なぁ、こいつらだよな?需慧楼。救世主って。」
「そうで御座います。天驟雨様。」
「よし、適当に混沌の場に落としておいてくれ。」
「分かりました。では―――」
◆◇◆
「早くぅ〜」
「明華。前を見ないとぶつかるわよ?」
「ぶつかんないし!って、うわぁっ!」
「行ってる傍から!って、きゃぁあ!」
「昼愛ぁ、明華ぁ!って、どあぁぁ!」
少女達の目の前に現れたのは、蓋の開いたマンホール。
そして、少女達は個性的な叫び声を上げマンホールへと落ちていった・・・
◆◇◆
「・・・需慧楼。方法はこれしかなかったのか?」
「いえ、他にも30種類ほど御座いますが・・・?」
「じゃぁ何故、マンホールなんだ・・・」
「ただ単に、面白いからで御座います。」
需慧楼はにっこりと微笑んだ。―― −10℃の微笑で ――
「・・・寒いな。悪い、今のは聞かなかったことにしといてくれ・・」
天界には吹雪が吹き荒れていた・・・