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高校生活は魔法の世界で  作者: 月上 弦矢
第一章 現実世界
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<4> 光の指す道


入学式も終わり、オリエンテーションも終わり、ホームルームも終わり、先生達の諸注意も終わった。


自己紹介が終わったあとに見たあの光…あの時見た光は一体なんなのだろう。幸い近い場所に落ちたみたいだったな…。怪也も見てたらしいし、一緒に……


「なぁ月波!一緒に帰ろうぜ!」

「月波くん!帰りどっか寄って帰らない?」


気がつけば、俺の机の周りには人垣ができていた。自己紹介の時の影響だろう。男子の誘い文句はわかるが、いくらなんでも女子の誘い方は肉食過ぎないか?


そんなことを考えてると、山の一角が崩れ、見慣れた顔が現れた。


「残念だったな、妖希はこれから俺とデー…ぐおっ!」

「余計なこと言うな。俺は男だ。」


デカイ図体を縮め混んでうずくまっている怪也に、周りの連中の目がマジになっていた。…これはマズイな。


「あー…こいつは幼馴染なだけだ。お前らには手上げないし…一緒に帰るのはまた今度な。悪い。また誘ってくれ。」


そう言い残し、怪也を引きずりながら教室を出る。下駄箱あたりで怪也も復帰したようだ。


「イテテテ…まだ何も言ってねーだろ?」

「てことは言うつもりだったってことだよな。もう一発お見舞いしてやろうか?」

「いえ、結構です。」

「ったく…」


やろうと思えば気絶位はいけるだろう。しかし…やはり腐れ縁か。そこまではしたくない。関係ない人間なら容赦ないが。


「それより妖希。お前このあと暇だろ?さっきのとこ行ってみようぜ。」

「さっきのとこ?…光の行き先か?」

「当然!大丈夫だって、俺とお前ならさ。」


こいつもケンカの腕はそれなりに強い。一回こいつと歩いている時に、変なチンピラ5、6人にナンパされた時(もちろん女と間違われて)、こいつ一人で相手してた時もあったな。まぁ俺には敵わないだろうが。


「……まぁいいだろう、付き合ってやるよ。」

「ホントはお前も行くつもりだったんだろ?素直になれよ?」


こいつはたまに鋭い…恐ろしいほどに。何処ぞのサトリか、お前は。


「俺は人間だぞ?」


…こいつ、やっぱ怖い。


そうこうしている間に、目的地へ着いた。なにか建物の工事をしていた場所だ。今は建築業者が潰れ、放置されている。完成すれば確か…宝石店だったか?まぁそんなことはどうでもいい。


黄色と黒で「立ち入り禁止」を表すロープをくぐり抜け、中へ入る。途中まで作られた建物は屋根がなく、骨組みと壁だけが残っていた。空からの太陽の光が直接俺たちを照らしている。

だが…


「怪也ー、ホントにここでいいんだよなー?」

「間違いねーよ、この辺りで工事現場ったらここしかねーし。」


建物の中と言う中を探した。しかし昼間に見た、あの物体は全く見つからない。


手元が見えづらくなって来たのに気がついたのは、何時ごろのことだろうか。気がつけば辺りは夜になっていた。


「あれ…もうこんな暗くなってる。」

「結構長い間探したもんなー。」


むしろ夜になっても探せていたのは、空に煌々と輝く満月が登っていたからだ。


「満月…綺麗だな。」

「え、漱石的な意味で?」


「…余計な知識を挟…くしゅんっ!」

「おいおい、入学早々風邪か?」


違う、熱はない。鼻も、咳もない。ただ…


「あの満月を見た瞬間…」

「…あの『寒気』か?」

「…うん、多分…」


この妙な『寒気』の話をして、唯一信じてくれたのが怪也だ。皆が変に思って相手をしてくれない中、こいつだけが真面目に聞いてくれる。ただのバカかもしれないが。


「とりあえずこれ羽織っとけ、気休めかもしれんが。」

「うん…ありがと…」


怪也が着ていた上着を羽織り、なるべく体を小さく縮める。この話をすると、見違えるほどに怪也からバカという一面が消える。

……んなことしてちゃただのイケメンにしか見えないじゃんかよ…。


「ん、なんか言ったか?」

「…なんも言ってない。」


どうしたのだろう…俺は。なにがあったと言うのだろうか…あの考えは、本当に俺自身のものなのか?

…これは相当疲れてるな。本当に風邪を引いているのかもしれない。


「怪也、ゴメン…少し横になる。」

「あぁ、そうしとけ。何かあれば言えよ。」


今日の『寒気』は、いつもと違う。いつもより酷い。いつもなら厚着をすればマシになるのだが、今日はマシになるどころか一層寒くなる。さらに変なことまで考えてしまったり……。今日の俺は…どこかおかしい。ひとまず今は休まなくては……。


平らな場所を見つけ、横になり目をつむった時だ。

まぶた越しに、なにかが光っている。

するとさっきまでの寒気が嘘のように消えた。厚着のせいで暑い位だ。


「なにがあったんだ…?」


徐々に目を開いていくと…

目の前には光る石があった。


「こ、これ…もしかして…」


昼間見た光と同じだ。よく見れば7色の光が互い違いになりながら輝いている。

試しに手にとってみようと思い、手を伸ばした時、


「妖希、大丈夫か…っておい、それって…!」

「なっ、怪也っ?!」


突然の怪也の声に驚き、その拍子に指が石に触れた。


指先からなにか暖かいものが身体に流れ込んでくる感じがする。目の前が眩しいほど輝いている。


「お…おいっ、妖希っ!すぐ離れろっ!」


そうは言われたものの、身体に力が入らない。指一本持ち上げられない位だ。

それを察したのだろうか、怪也が石を投げようと握った瞬間だった。

光が俺たちのことを包み……


そこで、俺の意識は途切れた。


やっぱりグズグズ感が否めない…

けど、こんな作品でも楽しんで読んでくれたら嬉しいです。

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