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プロローグ:召喚

あらすじ


五百年前――

人類最強の英雄は、魔族を滅ぼし、そして“神々すらも”打ち倒した。


そして今。

彼は再び、この世界に転生している。


静かな村で暮らす少年・クロセは、前世で得た圧倒的な力を隠し、平穏な日々を送っていた。

だが、世界はどこか歪んでいる。


魔物は姿を消し、大地は無数の防護柱によって守られている。

そして――運命を司る女神は、永い眠りについたまま目を覚まさない。


やがて迫る《運命の継承式》。

その時を境に、村を覆う結界だけでなく、“運命そのもの”に亀裂が走り始める。


平和は、最初から長く続くものではなかった。

――十五年前。


高校の教室でのことだった。


「なあユサカ、本当にそれでいいのか?」


「……何がだよ」


ユサカがそう返すと、友人は身を乗り出して言った。


「鈴見さんに告白しなくていいのかって聞いてるんだよ」


「よくないに決まってるだろ。バカかお前……」


「誰がバカだ! バカなのはお前だろ!」


教室のざわめきの中、友人は肩をすくめる。


「もう三年だぞ? 友達やって。誰が見ても両想いだって分かる」


「だからさっさと告白しろって言ってるんだよ、鈴見さんに」


「うるさいな……」


ユサカは席を立ち、鞄を肩にかけた。


「学食行ってくる。何かいる?」


「じゃあ辛口のパンな!」


「はいはい。すぐ戻る」


教室を出ようとした、そのとき――


「……黒瀬くん」


前の席から、控えめな声がした。


振り向くと、そこには鈴見 凛が立っていた。

ほんのりと赤く染まった頬で、視線を揺らしている。


「お昼……行くの?」


「う、うん……」


ユサカの顔も、わずかに熱を帯びた。


「そっか……」


短い沈黙のあと、ユサカは教室を出た。

その背を追うように、凛も慌てて動き――腰に巻いていた上着が、床に落ちたことにも気づかずに。


廊下を歩きながら、ユサカは小さくあくびをし、ほんの一瞬だけ目を閉じた。


――それが、自分の人生で最後の“普通の瞬間”になるとは、想像もしなかった。


教室の扉を出た、その刹那。


空間が歪み、突如として現れた“それ”が――

ユサカの身体を、容赦なく飲み込んだ。


「……え?」


遅れて、凛もまた、その後を追うように――


――たった一つの出来事が、

俺たちの人生を、完全に変えてしまった。

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