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風属性の最高火力  作者: 白河 夜
第三章 ウラノス魔法学院編 覇王祭
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024 シドとサリーの冒険者登録‐①

「もう朝か。」


昨日の疲れがまだ体に残っている気がする。魔力は回復しているんだけど、何というか、こう生命力を削ったせいで体がだるい。


ベットから起き上がり、顔を洗って制服に着替える。


「そういえば勲章もらったな。」


よく見ると勲章には魔力が通っている。だが、探知術式のようなものではない。恐らくは偽造防止と…、これは?魔力線が繋がっている。王城の方角だ。


「これは…?」


気になったが、それはとりあえず置いておく。まずは食堂にに行ってご飯を食べないと。食堂は制限時間があるからな。

すぐに扉を開けて外に出て、隣の部屋の扉をぶん殴る。


「シド。さっさと起きろ。朝ご飯逃すぞ。」

「はいはい、わかったわかった。」


中からシドの眠そうな声が響き、シドが出てきた。


「おはよう」

「おはよう。お前、乱暴すぎだろ。もし部屋の中にルナさんがいたら?」

「扉の外から語り掛ける。お前と違って紗奈は普通に起きる。」

「対応違いすぎだろ。俺だって起きるっての」


嘘つけ。シドの寝起きの悪さはよ~く知ってる。


「食堂ついたぞ。」

「よっしゃ、ご飯だご飯」

「あ~、紗奈のご飯食べたいな。」


本当に紗奈のご飯が恋しい。和食が恋しい。


「なんだ、惚気か?」

「ちげーよ。付き合ってもないし。まあ紗奈の手料理の時点で付加価値がつくが、紗奈は転生してすぐに味噌汁の味を再現したんだぞ?そこらのプロより紗奈のほうが美味い。」

「まじで⁉確かに、和食は食べたいな。」


ふっふっふ、恐れおののいたか。


「シド、おはよー。」


サリーさんが後ろからシドに声をかける。なんか小悪魔キャラになってない?

ふと後ろを見ると…、紗奈がいた。


「え?どこから聞いてた?」

「おはようございます、テトくん。えっと、割と、最初の方から…」


紗奈が顔を赤くしながら返してきた。

顔が火照る。


「お前ら、何してんだ?」


横からシドが話しかけてきた。ニヤニヤしててむかつくけど助かった。ニヤニヤしててむかつくけど。


「それじゃー、食堂はいっちゃおー。」


サリーさんの天然に助けられた。


「そ、そうだね。早く行こうか。」


そのまま誤魔化して食堂に入る。席に荷物を置き、各自ご飯をとってきて座った。


「「「いただきます」」」

「?なんですかー、それ?」

「ああ、これはなんていうか、まあただの習慣だよ。」


「へー、そうなんですかー。そういえばー、テトさん、七魔戦で使ってた零式虚黒百雷砲(ヴォイド・エルブス・アーティラル)?って、まだ使えるんですか?」


改めてその名を聞かされるのは恥ずかしいな。あの時はテンションがバグってた。もとはといえば零式白黒百雷砲(アークエルブス・アーティラル)の時テンションがバグっていたのが悪い。


「使えるよ。僕は極度の集中(ゾーン)で術式は掌握したからね。」

「お~、すごいですね~。」

「そういうサリーさんも封滅奈落(タルタロス)使えるようになったんじゃない?」

「いえいえ、私のは全然不完全ですよ~。」


すごいな。そうだろうとは思ったけどあの短時間で術式を見抜いたのか。


「それにしても、テトはすげーな。魔法伯で”不明覇者”だろ?」


また嫌な笑いを浮かべたシドがこちらを見てくる。


「二つ名の話はすんな。ふつうにはずい。」

「誠くんはすごいですよね。」


紗奈が言うかな?


「そういうルナさんは”絶対王者”レオが使ってた超新星焔光砲(グリットノヴァ・パースィストリア)をアレンジして蒼閃暁滅焔光砲(ブルー・バーニング・パースィストリア)にして使えるようにするとかいう謎のことやってたけどな?」


それな。あの蒼閃暁滅焔光砲(ブルー・バーニング・パースィストリア)はマジでやばい。普通に渦雷結界ぐらいなら焼き尽くすだろうし。


「いえいえ、私はそんなにでもありません。あれと戦った誠くんのほうがすごいでしょう。」

「まあそれはそうだ。」

「そろそろ授業かな?」


残っていた生徒が慌てて教室へと走っている。


「うーん、まあ僕たちは楽でいいね。」

「Sクラスはそこが楽でいいよね。」


そもそもSクラスに出席という概念はほとんどない。定期テストで結果を出しさえすればそれでいいのだ。一応、前回の七魔戦の説明の時のようにたまに強制召集もあるのだが、それ以外はまったく出席していない人もいる。


「今日の授業は?」

「えっと、午後は強制招集です。どうやら冒険者登録についてと迷宮(ダンジョン)についての説明があるらしいです。午前は、属性魔法の応用ですね。」


午前は特にいらないだろう。ぼくらはオリジナル魔法使ってるし。


「じゃあ、午前は冒険者ギルド行こうぜ。」

「いいですね~、私は行ったことないですー。午後には冒険者についての授業もあるわけですし、いってみたいですー。」

「いいんじゃない?じゃあそうしようか。」

「誠くんも乗り気ですし、そうしましょうか。」


というわけで、食器を返し、一度それぞれの寮に戻って準備をすることになった。


女子陣と別れ、シドと一緒に男子寮を歩く。


「シドは冒険者登録してたっけ?」

「いや、してねーぞ。」

「ほえー。そういえばさ、僕が登録するとき見事にテンプレを遂行してくれる人がいてさ。」

「マジか。けど、そいつかわいそうだな。なんとなく想像ついたぞ、この鬼畜」


鬼畜とは失礼な。僕はちょっとあいての思考を誘導してテンプレをやりやすくしただけじゃないか。


「大丈夫だって。途中で紗奈に止められたから。」

「それはつまり紗奈に止められなかったらやってたということだ。まったく大丈夫じゃない。」


それぞれが自分の部屋の鍵を開け中に入る。ちなみに一人部屋なのに2LDKかつ寮の最上階という優遇。さすが特待生だ。


っといても、僕は魔法箱(アイテムボックス)があるので、そこまで準備するものもない。寮の中から適当に金属のものを集めて魔法箱(アイテムボックス)に入れる。用途は秘密だ。


「ああ?テト、なにやってんだ。用意しろよ。」

「すぐ終わるよ。僕の場合着替えだけで、持って行くものは魔法箱(アイテムボックス)に入ってる。」

「ずるいな。こっちも終わったぞ。」

「シドも随分と早いな。」


どうせその便利な汎用記録(パーソナルレコード)になんかの術式があるんだろうけど。


「俺には汎用記録(パーソナルレコード)固有記録(パーソナルレコード)を合わせた融合版の《収納》があるからな。」

「お前、全く人のこと言えないじゃねえか。」


そのまま戸締りをして待ち合わせのロビーへと向かう。まあここを襲うやつはいないと思うが。

特待生には部屋の自由な改造が認められている。それは、魔法を仕掛けることについても。なので、魔改造されることが多々ある。忍び込もうとしたら足の方から体が凍って、しかも上半身はだんだんと氷の蔦に締め付けられるとか。足を踏み入れた瞬間地面が沈んで生き埋めになったとか。そのため、忍び込むやつはいない。かく言うぼくも面白がって仕掛けまくった。最初は警告として軽い放電と風刃(ウインドカッター)、それでも入ろうとすると…。


そうこうしているとロビーに着いた。既に女子組は待っていた。


「それじゃ行こう。」

「はい、行きましょうか。」


ロビーから校門へと移動し、門番さんにSクラスの学生証を見せると、


「おお、”不明覇者”テトさんと昨日の方たちですか。いってらっしゃいませ。」


と対応してくれた。Sクラスの力は偉大なのだ。


「ああ、すみません。冒険者ギルド副本部ってどっちですか?」


冒険者ギルドは世界中の共通組織だ。ローレン皇国とマコンド帝国、アトラス法国、そしてここカストル王国の四大強国全てにまたがり、それぞれの首都に冒険者ギルド副本部なる副なのに本部という矛盾したものがあり、本物の冒険者本部はこの四国の共通統括区域の中心、世界一の大都市プロメテウスがある。


「ああ、それならそこに見える道をまっすぐ行って大通りにでたら右にまがって進んでいればつくよ。」

「ありがとうございます。」


場所を聞いて四人で歩き出す。

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