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風属性の最高火力  作者: 白河 夜
第二章 ウラノス魔法学院編 七魔戦
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閑話 女子のお茶会

その日、紗奈は公爵家の屋敷まで歩いてきていた。しかし、特にその巨大な屋敷を見ても臆することはない。紗奈は日本を牛耳る大財閥の娘なのだ。


「おはようございます、サリーさん。」

「おはよございますー、ルナさん。お茶会に来てくださり、ありがとうございますー。」

「いえいえ、こちらこそ招いていただいてありがとうございます。前々から話たいと思っておりました。」


そう。あの、テトとシドが大いに恐れていたお茶会が開かれてしまったのだ。


二人はおしゃべりをしながら庭へと出ていく。


しばらくすると、執事がお茶を運んできた。


「お嬢様方、お茶の用意が出来ました。」

「あー、おいておいてくださいー。」


紗奈もサリーもお礼は言わない。そもそも、相手の家の使用人にお礼を言うことのほうが失礼で、その家や執事に対して礼を失していることになるのだ。


「それでは、ごゆっくり。」


執事が去っていったところで、二人がお茶を飲みながら話し始める。


「さて、サリーさん。単刀直入に聞きますが、あなた様、シドさんに恋をしていますね?」

「ええ、そうですよー。あの人かっこいいですし、強いですからねー。」

「いいことですね。ちょうど家格もつり合っていますし。」

「はい、早いとこ落とせるといいですー。」


和やかに会話しているが、内容は結構怖い。そして、紗奈もお嬢様口調へと切り替えている。


「しばらく殿方の話でもしましょうー。ルナさんは特待生五人以外に気になる人はいますかー?」

「殿方ですか?それですとあまりいませんわね。けれども、純粋な魔法の面のみを見るならば、”絶対王者”レオ殿はすごいですよね。私のタイプではありませんが、あの火魔法の火力は純粋に賞賛に値しますわ。あのレベルの魔法は私も使いたいですわね。」


「またそんなことをー。ルナさんは授与式の時に”絶対王者”レオ殿の魔法を自分用にー、アレンジしていらっしゃいましたよねー?」


「それをいうならサリーさん、私のとなりで”鉄壁”ノックス殿の魔法を解析していたでしょうに。”絶対王者”レオ殿の固有魔法は純粋な火力がとても高い魔法ですので真似できましたし、サリーさんが真似した封滅奈落(タルタロス)も本質は純粋な土魔法ですからサリーさんは使えるでしょう?」

「いえいえー、一応形にはなりましたが魔力がたりず、不完全ですわよー。」

「固有魔法を無理やり使っているのですから当り前ですわ。」


そう。この二人は紛れもない天才かつその魔法は理論を理解したうえで感覚派。相手の魔法が自分と同じ属性なら、気合で真似してしまうことがあるのだ。これは、テトが紗奈を見守りたいと考える気持ちや、シドが最初サリーに話しかけた原因の一つだ。


「それにしてもー、テトさんが使っている緋璃刀や界雷剣、あれらはものすごい性能ですわねー。界雷剣なんて国宝レベルですわー。どうやって手に入れたんですのー?」


それは何の悪意もない質問。


「あれですか?あれは、私とテトの合作ですわね。私たちは魔境の森の奥の方に住んでいまして、そこにいろいろな鉱石があったんですわ。それをテトの雷と私の炎で加工しまして、中に少々特殊な構造を取り入れた結果があれなんですわ。」

「それはすごいですわねー。私も一本くらいほしくなってまいりました。」

「いいですよ?せっかくなのであなたとシドさんにおそろいでプレゼントしてあげますわ。」

「え⁉いいんですか⁉」


思わず口調が変わってしまうサリー。


「ええ、私としても貴女とはうまくやってきたいと思っていますし。」

「それはありがとうございますー。こちらとしてもー、後ほどお返しを差し上げたいと思いますー。」

「いえいえ、そんな。」


二人は徐々に距離を近づけていく。どんどん意気投合する。


「そういえばー、ルナさん、”不明覇者”テト殿とは上手くいってますかー?」


そこにサリーが爆弾をぶち込んだ。


「ふぁっ⁉わ、私と誠くんの関係⁉」


一瞬お嬢様口調からもとに戻った。


「はいー。大丈夫ですわよー。誰にも言いませんからー。なんなら魔法契約結びますー?」


魔法契約。無属性魔法の一種で、魔法契約を結ぶとそれを話そうとしたときに、あらゆる方法での伝達が不可能になる。原理は簡単。魔力の規則配置によって世界に承認されたら、世界の管理者さんが伝達を不可能にするだけ。


「い、いえいえ、結構ですわ。はい、私は恥ずかしながらあの殿方に好意を抱いていますわ。」

「やっぱりそうだったんですかー。いいですわねー。」


ルナ と サリー が 秘密を お互いに話した 

それによって 親密度が 100 上がった


「それにしてもー、”不明覇者”テト殿もシドも、鈍感すぎませんー?」

「そうですね。テト、こっちがアピールしているのに、全然気付かないんです。」


親密になったため口調を変える必要もなくなってきた。


それは、テトが意図的に紗奈の行動を意識から外しているからなのだが…


「そうですねー。まあそういうところもいいですが。」

「わかります。ああ見えてかわいい一面もあるんですよ。私がご飯だって呼びかけると目に見えて喜ぶところとか。」

「それはかわいいですわねー。というか、ご飯だってって、一緒に住んでたんですか?」

「ええ、二年間森の奥の家に住んでましたね。」


紗奈が嬉しそうに言う。


「それってすでに同棲じゃないですかー。」

「いやいや、あれはもともとは不可抗力でああなったんですから、違いますよ。」

「でも一緒に住んでるなら同棲ですよー?というか同居ですしー。」


「えっ、そ、そう?」

「「はっくしょん」」


「おい、シド」


「おい、テト」


「「なにくしゃみしてんだよ」」


「誰かが噂してんじゃねえの?」


「あはは、ちょうど紗奈とサリーさんもいないし、お茶会してたりして…」


「おい、テト、怖いこと言うなよ」

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