018 七魔戦–④
「いいのか、そんなことで魔力を使って。」
「ああ、いまの?うん、僕はもう飛翔魔法なら使ってもプラマイゼロになるように魔力回復力あげて、飛翔魔法の魔力消費も限りなく減らしたからね。」
「そ、そうか。」
風属性が飛翔魔法を使わなきゃ異世界に着た意味がない!ということで、無駄に努力をし続けた結果がこれだ。
「さあ、試合が始まったああああ。」
審判の合図に合わせて実況が叫ぶ。それと同時にノックスさんが詠唱を始めた。
「大地を支配する竜よ。我が敵をかみ砕け。土竜牙砕」
これは、試験時の試験官が使った土竜牙の上位互換かな?
「いきなり殺意高いなぁ。嵐装展開・防御術式・纏嵐暴風」
とりあえず嵐装展開をする。防御術式によって体を守る。しかし、
ガッ、ガガガガッ
削り切れない。
バスンッ
纏嵐暴風が破られ、さらに土竜牙砕が突き進んでくる。
「この魔法、強いな。しかたない、風神嵐装・防御術式・龍巻の加護」
体を龍の加護が覆う。そして、龍巻の加護が土竜牙を削り切った。
「はは、今のを余裕で防ぐかよ。なら、これならどうだ?土の檻」
地面が僕を襲おうと迫ってきた。だが、今僕は風神嵐装を使っている。その程度ではやられない。
ザリザリザリッ
土の檻が削られて取り込まれる。
魔法陣を描く。それは、飛翔魔法の魔法陣。それは、土属性に対して滅法強い。
「もっと強いのを撃たないとむしろ守りが硬くなるよ?それに、そろそろ本気で行くよ。飛翔」
さらにたて続けに魔法陣を描く。
「超電磁弾・零抵抗・二重」
二発の銀の線が打ち出される。しかし、恐らくこれで終わることはないだろう。そもそも土属性というのは守りの属性だ。攻撃には向かないのだ。
「大地盾、殺意高いのはお前だろ。何だよ、当たり前のようにこんな攻撃撃ちやがって。」
超電磁弾・零抵抗をノックスが大地盾で防ぐ。しかも、罅がはいってはいるが、持ち堪えている。さすがは「鉄壁」ノックスだな。
「いいのか?そのままだと防戦一方だ。それとも、僕の魔力切れを待つか?」
上空から声をかける。これはもう嵌め殺しだな。土属性に対してそれを飛ぶのはチートすぎる。
「くそっ、土牙弾」
一つ一つがかなりの威力を持った魔法だが、龍巻の加護を貫くほどではない。
「俺の魔法と相性が悪いな。固有魔法でも無理だし…、ずるいぞー、降りてこーい」
「急に感情論に持ち込むんじゃない。そして、降りて来いと言われてのこのこ降りてく奴があるか」
次の魔法陣を描く。
「これで終わりだよ。荷電粒子砲」
「くそっ、固有魔法だ。
母なる大地よ、その我が子を守るため、我が敵の攻撃をその底に閉じ込めよ。封滅奈落」
大地が隆起し、そこに底の見えない真っ暗な穴が開く。そして、荷電粒子砲がそこに吸い込まれていった。
「あっぶねー。」
「まじで?今のを止めるとか、君やばすぎ」
「お前が言うな。」
「じゃあ強化版。荷電粒子砲・二重・融合」
「封滅奈落」
また吸い込まれていった。
「え?なんなの、君の魔法。今のも吸い込まれてくってどういうことよ。」
「破れるもんならやぶってみろや」
「うん。たぶん、その魔法って防ぐ魔法の許容量があるでしょ。それを超えればいいだけだね。」
「そう簡単に超えられるか。」
「うん、簡単には超えられない。だから、こうするんだよ。」
界雷剣を取り出す。
「界雷権能・紫電万雷」
全てを焼き滅ぼす紫電がノックスへと飛んでいき、
「封滅奈落」
封滅奈落に吸い込まれるが……………
ズバチッ
封滅奈落の入り口に、火花が散った。
ズガァアアアアアン
封滅奈落が崩れ落ち、紫電万雷がなんとか土の鎧を纏ったノックスへと向かっていく。
「グホッ」
「僕の勝ちだね。」
「試合終了だああああ。あの「鉄壁」ノックスにダークホース、テトが勝ったあああ。さあ、次の試合で本日最後だあああああ。十分間の休憩の後、最後の試合を始める。」
飛翔魔法で学校関係者席へと戻る。
「お帰りなさい、誠くん。かなり強かったですね。」
「ああ、あの封滅奈落はやばかった。今日二回も界雷権能を使うことになるとは。」
「そうですね。」
「まあ、勝てたからいいんじゃねえの。」
シドさんが会話に入ってきた。
「まあ、そうだね。切り札なんて作り直せばいいか。」
「お前はそれができるのが怖いんだよ。」
「そうですよね。普通はそんな簡単に作れません。」
「まあ、紗奈さんのおかげだよ。紗奈さんが僕の心の支えにもなるし、僕が強い魔法を作る気力の元でもある。」
そもそも紗奈がいなければ僕はとうに発狂しているし、僕は紗奈がいるからこそ、紗奈を守るため強くなろうとする。
「え?ど、どういう意味ですか?」
「ああ、いや、変な意味じゃなくて、紗奈のために僕は頑張れるっていうか……………」
あれ、もしかしてこの言い方だと……………
「も、もう、誠くん、何を言ってるんですか?シド君もいるんですよ?」
紗奈がめちゃくちゃ顔を赤くしている。かわいい。
「ほ~、つまり、俺がいなければそういうことを言うと?」
「いや、だから、別にそういう意味では………」
紗奈が何故か誤解を生むような言い方をした。
「ずいぶんお熱だな、ま・こ・と・くん?」
「てめえ、黙ってりゃつけあがりおって、ゆるすまじ」
口調が乱れてしまった…。
「そ、そろそろ時間ですよ、誠くん。」
「そ、そうだな。じゃあまた後で。」
「頑張ってきてくださいね、誠くん。」
紗奈が花が咲くように笑って送り出してくれた。尊い……………
「うん、勝ってくるよ。」
魔法陣を描き、舞台に降りる。




