014 固有魔法-②
この固有魔法を得るための世界は、かなりいろいろ宗教が混ざっています。
そもそもエデンの園はユダヤ教とキリスト教、七大天使の「終末音色」はキリスト教です。
ちなみに、テトがたどり着いた丘は、善悪の最終決戦、世界の終わりを司るハルマゲドンです。
丘に行くため魔法陣を描き、魔法を発動する。
飛翔魔法。僕が得意とする魔法の一つで、今やその魔力消費量は回復量とつり合っており、プラマイゼロだ。そして、空へと浮かび上がり、丘へと向かう。眼下に見えるのは、
荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、荒野、岩、砂、………………………………………………………………………………………………………………………
もう、どれだけ飛んだだろうかただろうか。ようやく、丘にたどり着いた。
「さて、それじゃ、やっとたどり着いたことだし……」
まずは魔力を解き放つ。丘に魔力が満ち溢れ、広がって行く。
声が聞こえた。
遠くのようにも、近くのように聞こえる。そして、聞こえるのは声。
憎い、ずるい、嫌だ、殺してやる、アイツのせいだ、お前のせいで、ずるい憎い、憎い、憎い、憎い、憎いアイツのせいで、お前がいなければ、死ね、死ね、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、………………………
「何だ、これ、…?」
怨嗟の声が僕の耳を貫く。体がきしみを挙げる。これは、なんなんだ?
そして、どこからかラッパの音が聞こえ_____。
即座に魔法陣を描く。
「やばい、界雷権能・渦雷結界」
僕はその切り札たる界雷剣を抜き放つ。これは、僕が作った僕のための装備であり、同時に魔法補助具でもある。それに、これは剣というより魔法補助の意味合いのほうが強い。この界雷剣を装備することによって使いやすくなる魔法が、界雷権能だ。これのことは紗奈しか知らない。さすがに切り札をそう簡単に見せるわけにもいかないしね。ちなみに、紗奈との決闘の時に使わなかったのは、決闘場を壊したくなかったからだ。紗奈も同じ理由でアレを使っていない。まあ、仁義なき争いにも周りへの配慮は大切だ。
そして、その全身全霊の、正真正銘の最も強い結界を張る。
1度目。その、ラッパの音、すなわち終末音色がゆっくり吹き終わる。そして、大地が、めくれ上がった。あちこちで土地が隆起したり地割れが起きたりする。もはやそれは、ただの天災。ただの、天変地異。そして、結界を張ったにも関わらず、体に内側からダメージが入る。
「グハッ、何だったの、今のは?」
口から血があふれ出る。意味が分からない。さっきの天変地異による魔法は結界で防いだはずなのに………………。
僕は何とか耐えた結界を解除して周りを見回そうと立ち上がる。
周りを見ていると、いつの間にかたくさんの天使、悪魔、人間が集まり、戦い始めた。
人間と悪魔対人間と天使。人間は人間同士、天使と悪魔が互いに争っている。あちこちで魔法が乱れ撃たれる。
「どういうことだ……………?まあ、とりあえずどっちも潰すしかないよね。」
このまま眺めていても何も起こらないだろう。
「界雷権能・紫電万雷」
僕を中心に、紫電が吹き荒れる。それが、天使や悪魔と関係なく殺しつくす。
そして、天から七人の天使が舞い降りる。七大天使。そして、それらはラッパを持っている。
不意に、背中に怖気が走った。
もう一度、魔法陣を描く。
「界雷権能・渦雷結界」
先ほどより、強、い、?
二回目。第二天使のラッパが吹かれる。すると、雲が呼び起され、大量の雨が降る。そして、大洪水が起きた。世界に二回目の天変地異が訪れる。
「グハッ」
体に何故か内側からダメージがはいる。結界が壊された。こんなもの、耐えられる訳が……………
うそだろ?アイツら天使は恐らく試練。だから、悪魔と共闘せずにあの天使たちに勝たないといけないってか?
意識が途切れた。
▨▨▨▨▨
「はっ」
意識が浮上する。どうやら教室に戻ってきたようだ。
「もどって、来た…。」
ふと隣をみると、紗奈がこちらを見ていた。
「誠、くん?大丈夫、ですか…?」
紗奈の声に安堵する。
「うん、大丈夫。少し取り込み中だっただけだよ。」
「本当に大丈夫ですか?かなり汗かいてるみたいですけど…。」
「大丈夫だよ、紗奈さん。ちょっとこの水晶の中で戦ってね。」
あははと紗奈が笑う。
「それ、誠くんの魂バグってません?」
そうかもしれないな。僕の、本質に生まれた特異点、紗奈がいなければ、僕は……………
「あはは、そうかもね。」
キーンコーンカーンコーン
「もう授業は終わりですね。誠くん、食堂行ってみましょう。」
「いいね、じゃあまあいつも通りに食べようか。」
「そうですね。はやくいきましょう。」
そういって、何故か紗奈が腕を絡めてくる。
「さ、紗奈さん?」
「きゅ、急に声を出さないでください。この状態でいないと、ナンパされるんですよ。二年前ぐらいに言ったじゃないですか。」
紗奈がこそこそと耳打ちしてくる。確かに、そういえばそういうことを言っていたかもしれない。
「そういえばそんなことをいっていたな。確かに紗奈さん可愛いしね。」
「__っ、ま、まあ、そうなんですよ。(そ、それだけじゃなくて誠くんに触れたかったというか…、くっはずかしい…)」
「ん?何か言った?」
「い、いえ、なんでもないです。」
というか、平静を装っているけど、結構この体制恥ずかしい。いろいろあたってるし、普通に視線が痛い。というか、改めてみると紗奈ってめちゃくちゃかわいいな。これはナンパされるのもわかる。けど、それがわかっててもめちゃくちゃ恥ずかしいなあ。
そうこうしている間に、食堂に着いた。なかに入ると、奥のほうでシドがにやにや笑ってこっちを見て、そのまま近付いてきた。
「おうおう、ずいぶんと熱いなあ、お二人さんよ。」
「ちが、そんなんじゃないよ。紗奈さんがナンパされちゃうからこの体制なだけ。」
「へー?ずいぶんとまんざらでもなさそうな顔だけどな。」
くっこいつ、むかつく。けど、仕方ないだろう。仮にも好意を抱いている相手が自分と腕を組んでいるのだから。
ん?というか、ほー。
「そういうお前はどうなんだ、シド?お前の後ろにゆるふわ天然美少女がいるが?」
「サリーはちげーよ。たまたま一緒にいただけだ。」
「へー?もう名前呼びか?シド君。」
「ああん?」
「んん?」
僕とシドから軽い魔力が噴き出す。
あおってきた相手を、あおりかえすのは、楽しいです。まる。
「あの、誠くん?少しやめません?周りの生徒にひかれてますし、私と誠くんはご飯とってこないといけないんですよ?それでも、まだ喧嘩をする、と?」
「そうですよー、シドくんー。そこのルナさんの言う通りです。周りの方に迷惑ですし…、わかってますよね?」
「「ヒッ」」
こういう時の紗奈はめちゃくちゃこわい。こういう時にいうことを聞かないと、後で魔法でボコボコにされる。何故か勝てないのである。実力的には勝てるはずなのに…
それに、ゆるふわなサリーさんが、一瞬怖い声をだした。
「「ま、まさか、こんなに仲の良い僕たちが喧嘩するはずないでしょう?」」
すかさず肩を組む。シドも僕に合わせて肩を組んできた。
「そうですか…?まあ、いいでしょう。」
「「ほっ」」
「なにか?」
「い、いえいえ、滅相もない。」
やはり女子は怖い。
「あの、ルナさん。今度の放課後、私の屋敷でお茶をしませんか?」
「いいですね。あなたとは話が合いそうですし。」
紗奈とサリーさんがしゃべっている間に、僕はご飯をとってきてシドの隣に座り、食べ始めた。
「あの二人、何か通じ合ってはいけないところで通じ合っている気がするぞ。」
こそこそとシドが話しかけてきたので、小声で返す。
「そうだよな。あの二人の茶会とか、何が言われるものか…。」
想像するだけども恐ろしい。




