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WARS&WARS  作者: OGRE
戦の始まる序章……覇王降臨
11/29

冥王と覇王

 北で黒い龍が動き出しアル、リーンは山頂まで駆け上がる。体力のある二人で良かったようだ。この二人でなければこうはいかなかっただろう。その頃、東に向かっていた二人はそちらで発展していた魔法科学の力により新たに同行していたシェイドとデルを加え北の首都に飛ばされていた。なんでも北の国との交易が途絶え原因を探って欲しいとのことらしい。その二組以外にもレイをリーダーにしたアル、リーン組への増援隊やタージェとゼシの追走隊が動いている。そして、アル、リーンは黒龍を止めようと果敢に挑む二人の少年達に出会っていた。


「ライムズ! 準備いい?」

「OK! アレン!」

『行くぜ! 雪山絞殺事件簿テイク1!!』


 明らかにおかしなネーミングセンスだが一応雪山をはうように登って来ていた例の黒龍の頭をキラキラ輝く合計20本の糸が抑えつけていた。ただ、この二人が抜かったのは岩や木などに糸を絡めずに使用したため力に耐えきれずに暴れられ近くの雪の絨毯に人型を作り埋もれた。


「今や!」

「リーン何を!」


 ハルバートを振るい龍の右頬を打ちつけた。急な斜面を転がり落としたのだ。アルが細いワイヤーを取り出し同じく転がり落ちたビーストらしき少年達を引き上げている。いくらこの山で育ったとしても一度転がり落ちたら腹をくくるらしい。


「ふう……。大丈夫か?」

「ああぁ……死ぬかと思ったぜ」

「同じく。姉さんはどこの人だよ。こんなところになんの用だい?」

「君達の村の住民に避難をするように伝えに来た」

「悪いけど……それは無理だよ」

「俺達は龍玉を守る使命があるんだ」

「龍玉?」


 リーンがほぼ垂直な雪山を跳ね上がりながらアルに話しかけて来た。身軽で動きの俊敏な彼女に問ってはこれくらいならお茶の子さいさいらしい。二人の少年はよく見るとリーンと同じように尻尾と耳がある。


「アルぅ~~!! 大丈夫かいな!」

「えぇ! アタシも二人も大丈夫!」

「ビースト……しかも森オオカミ……」

「アレン……どうしょう。可愛い」

「あぁ……ライムズ。都会のビーストってあんなに美人なのか?」

「俺に聞くな」


 不思議そうに首をかしげ茶色の毛並みが整って尻尾を振っているリーンはハルバートを握りアルと二人で話し始めた。その頃のフィトとヴィヴィアは新たな仲間とともに北の国の奥地から山岳地帯より転げ落ちた巨大な龍を見ていた。目的は別とはいえ大きな障害になるのは確かだ。


「ほぅ……。なら俺と君達は利害が一致したわけだ。そして、君たちには伝えておこう。これは本人には言ってはいけないがな」

「で、何なのよ。勿体ぶらないでよ」

「俺は何となくわかった。アンタはさっき弟を探しているって言ったな」

「まさか……ギルドの中に……」

「答えは簡単さ、俺の本名を聞けば一言でわかる」

「シェイドさん! 焦らしすぎです!」

「悪いデル。だが、そこまで急ぐこともないだろう。俺の本名はバステル・クレア・スウォード」

「スウォード…………ってまさか」

「やっぱりな。レイの兄さんか」

「義理だがな。アイツは孤児で親がそれを拾い俺は奴を可愛がってた。まぁ、覇者の素質は俺ではなく奴に…………いや…………懐古はまたの機会だ。俺たちもあそこに向かおう」


 海岸線の戦車大隊はまだ生きている。だが兵士の姿は見えない。雪が降る中で四人が駆け抜ける。すると最後尾のデルがトラップにはまり敵のセンサーに触れてしまった。


「しまった!」

「走れ! この現状は俺とフィト将軍で処理する」


 敵の兵隊の銃口が四人に向けられたがヴィヴィアとデルはすぐに別の茂みに隠れ、フィトが表立って戦っている。シェイドは元々隠密機構にいたためか暗殺さながらに敵を倒していく。そして、アルとリーンの行き筋をたどる四人、レイ、ルミ、ルナ、マナもすでに交戦している。レイは中剣を構え同じく中剣を構える長身の角の生えた男と交戦している。加えマナ、ルナは深紅のドレスを着た色気の強い同じく長身の女性と攻撃魔法の撃ち合いを続けている。マナが守り、ルナが白い光の筋を幾筋も放つ構図だ。そしてルミも無骨な鋼爪を着けたオウガらしきマントをはおった男と人とは思えない戦闘をしている。


「やっ!」

「フン!」

「お前は誰だ!」

「貴様……その武術、ギアによく似ているな」

「師匠を知っているのか!」

「ほう師匠か……、消えゆく者に教えなどしないのが主義だが今回は特別だ。ふん……そいつは憎き俺の実の弟だ!」


 剣と剣がぶつかるたびに火花が散り力のぶつけ合いにもつれ込む。明らかにレイの方が不利に見えるが現在の歩合は五分と五分だ。マナの防御魔法が力をふるいルナの特殊な攻撃魔法は確かに敵を捕らえるが全く効かない。それどころかすり抜ける。


「近年まれに見る強き者か……我が弟子につかんか?」「お断りします!」

「私達にはファン先生がいるもの!」


 戦いに進展が見られたのはルミと謎のマントだ。ルミにその男の記憶があり打ちつけ合いながら会話をしている。


「あなた……オウガナイトのトゥーロンね」

「俺を知ってるのか……ならなおさら消しておかなくてはいけないな!」

「あたしを倒す? あたしの斧は大地を砕くのよ…………!」


 アルとリーンが目指していた村……それは山頂近くに会ったのだ。集落はノースビーストが多く住む狩猟を元に生計をたてているらしい。そして、その龍玉の正体も判明した。この二人の任務はこれの捜索と死守。ライムズとアレンの双子に案内され首長に会いこちらの事情を説明したようだ案外とフレンドリーで親しみ安い。ありがちな固執する感は全く見られない。


「ともあれ、我らが一族の戦士を助けていただき感謝いたす。わしがここの首長で今は名もなきただの老父ということになっとりますじゃ」

「ご丁寧にありがとうございます。私の名前はボア・アロウ・ルースです」

「うちはリーン・ハルバートや。こんな北にビーストがおるとはちょっと意外やったで」

「ほう、長らく見ないがあなたは森オオカミのビーストさんですの? もう一人のお嬢さんはヒューマンに近いが……フムフム、ハーフですな? 片方はビーストでもう片方はエーテリオン……」「なんでそこまで詳しく……」

「ふぉふぉふぉ。ここの村には聖なる石がありましてな。運命はすべて教えてくれますわい。あなた方がこられることもそして、ここ、北の大地で”覇王”が目覚め再び世界の混沌が現れることも」

「覇王? あの世界を導く指導者の?」

「その通り。聖があるなら魔も存在するのですよ。冥王が既に目覚めておる。もはや世界の動きは変えられないのじゃ」

「あの、覇王とは?」

「名は解らぬが覇の三刀を操る男こそその者じゃ」

「うち、もう何が何やか……」

「リーン……言葉が変よ」

「親父様! 下で動きました!」


 その声が伝えたのは山腹で激しい砲火が起こったことだった。もちろん標的は例の黒い龍のようだが……。


「よかった……」

「よくないわよ。このドジ!」

「アデ!」

「お転婆娘! 騒ぐな」

「うむ……あの龍のおかげで命拾いしたのは確かだ。早くこの場を離れよう」


 それとほぼ同時刻、巨大な黒い魔法で作られた球体が放たれレイの上に落ちた……。それを目撃したルナやほかの敵の動きも止まった。中剣が無造作に地面に刺さり空中からはそれをあざ笑うように高らかな笑い声が聞こえてくる。ルミとトゥーロンの戦闘はそこで終わりトゥーロンは藪に消えルミはうつ伏せに横たわるレイの前に立った。

「ハハハハハハハハハ! 愉快で仕方がないぞ! ハハハハハハハハハハハハ! 覇の力とはこの程度か! フハハハハハハ!」

「アンタ……その声は……なんて言ったっけ?」

「ルミさん! プルトンですよ! おとぎ話の冥界の王です」

「ふぇ! そんなヤバい奴なの?」

「えぇ……彼を目覚めさせてはならなかったんです。…………これは私の責任でしょう。いえ、元私の責任です」


 その時、ギルドの地下で術式の準備をしていたギアが立ち上がりファンにそのことを告げた。


「始まるぞ……この世が創られた最初の魔力の鼓動がな」

「早すぎるぞ! 術式はまだ!」

「覇王が……いや……………………レイが力を解き放つまでは大丈夫だ。だが急がなければならないのは確かか……」


 巨大な結晶を中心に術式を描きファンが東のギアが西の端に立ち両手を広げる。そして、その円形の魔法陣から白い蛍のような玉が次々に湧き上がり結晶を包んで行く。


「マナさん? あの……」

「離れないでください……。私はこの覇の力を持った少年を守らなくてはなりません。そして、アナタ達も」


 ファンがハッとしたように目を開きいきなり詩の一部を口ずさみ始めた。翼を開きギアの見守る中で心を静めていく。


「私からか……」


『生と死の曲片第一章より……


大いなる力により支配されし大空は私を抑え見えざる覆いに苦しめられた。私に破る力などなかった……。


空に私は居ない……


籠の中にて囀り……小さく羽ばたき


力を与えられても……


表すことはできない。ただ虚しく』


 空からファンの声が響いた。澄んだ声が周りを包み込んで大地から魔法陣と同じ光の玉が湧き上がる。周りにいた敵味方全てが動きをとめそちらをみていた。


「先生……次は私です」


『生と死の曲片第二章より……


籠を見つけ出し私も試みる。敷かれた見えない軸を主に回る無力な私に……力を使い……脱し……自ら宙を泳ぐことを。


力無く私は泳ぐ


与えられた道を……


私の心に問いかけた……本当はどうしたいの?


逃げていたのは私だった……』


 ルナが呟きルミが周りを見回す。するとさらにたくさんの光の玉が湧き上がり二手に別れて行く。


「くっ……何故だ! 何故、貴様は私の邪魔ばかりをするのだ! 貴様など千年前に消しておくべきであった!」


 黒い球体が今度はマナに向けて放たれた……。しかし、爆発は空しくも周りを消し飛ばすだけで全く効果がない。


『生と死の曲片最終章より


覇を迎えし我らは抗い冥を倒すべく立ち上がる。物語の一編にすぎないものに運命を象られた私達……は。


決めるのは私達……


流されるままに生きては意味がない


前を向き立つのだ!


すべてをかけて抗え……自らの運命に』


 山の上で龍と闘うリーンとアルに加えノースビーストの戦士達。巨大な相手に悪戦苦闘するもついにその時が訪れようとしていた。光の玉は山頂の龍玉に集まりもう一筋は意識がなく死体のように転がっているレイのところに集まる。すると、それをなんとしてでも阻止したいらしいプルトンが脇にいた長身の二人を払いのけマナに向けて邪悪な杖を振り回し闘う素振りを見せた。マナも魔法を使い防御をしているが次第に顔が厳しさを含み歯を食いしばり始めている。

「ハハハハハハハハ! マナ! 貴様も墜ちたな! え? 私の攻撃すら対処出来んのか!」

「くっ……」

「いいぞ! いいぞ! その表情! 苦肉に悶えるその表情!」

「ハァッ!」


 最後に力を使い果たしたのか押し返すと気絶しその場に倒れ込んでしまったマナ。そこにルミとルナが駆け寄りロッドとアックスを構え防御体勢を取っている。


「最後に最高の散り花を咲かせてやろう……闇黒龍ダークネスよ!」


 山頂付近で暴れていた龍がいきなり方向転換しプルトンの頭上に現れた。そのころ村では見張りが中央大陸で起きている異変に気づき龍玉をそれに合わせて動かしていた。美しい魔法陣は大陸全土に広がりをみせる。


「おぉい! 来たぞ! 界印を解く時が!」

「界印?」

「リーンちゃん!そっち持ってコイツから出てる光の筋をあの陣の中心に合わせて!」

「アル姉さんも!」


 ギアが叫びファンと彼が声を揃えて魔力を最大限解放した。爆風に近いような巨大な風圧が中央大陸に吹き荒れ東西南北の大陸の一番高い山から伸びる光の筋が魔法陣の中心に集まりさらに大陸を包み込む。白い光の柱が何本も立ち上がり空からギアとファンの声が聞こえてくる。


『今こそ! 界印を解き放つ時! 天と地の誓いにより彼の者を解放する!』


 同時に黒い閃光がマナやルミ、ルナを襲う……しかし、彼女達には当たらず代わりに神々しいまでに美しい光を放つ少年が剣をプルトンに向けて言葉を放った。闇の閃光は全て中和されたように消えた。憎々しげな顔をするプルトンはダークネスを駆り立て空に躍り出る。


「もう、お前の好きにはさせない。覚悟しろ!」


 同時に中央大陸から白い光を帯びた龍が飛び立ち覚醒したレイを目指す。そして、山頂の村ではリーンが先導になり山から戦士達が降りていく。滑り降りるために使う木の板を使ってもの凄い速さで滑る。


「イヤッホ~~!!!! これ楽しい!」

「リーンちゃん! ホントに初めて!?」

「そだよ~~!! イエィ~~!」


ギルドに味方し平原を目指して行軍していくのだ。そこで敵を討つためにまずは情報を的確に伝えるのが一番効率がいい。二手に別れリーンと特攻する大隊と足の速いアルに付いて来れる護衛だ。リーンとは違いアルは木の枝を渡ながら走って行く。それに加えてこちらに移動してきたフィト、ヴィヴィア、デル、シェイドも参戦する腹積もりらしい。メカニックらしいデルが戦車をジャックし走っていく。運転はかなり下手くそだがシェイドだ。


「うわぁぁぁ! シェイドさん右! 右!」

「わかってる!」


 平原でも小さいが見えて来た。


「小癪な! 行くぞ!」


 更にプルトンが飛び上がりレイに追いついた白い龍が頭を下げ乗るように話しかけてくる。空に舞い上がり対峙するのはもちろんプルトンとレイ……にらみ合いが続く。


「主よ……。我を目覚めさせたのであらば世界の平穏が目的か?」

「わからない……だが、みんなが……俺の仲間がみんな幸せになれる世の中にしたい」

「ふむ……理解した。我が主として不足はないと見た」

「ありがとう。俺はアイツを倒す」

「龍の方は操られておるだけのようだ。我がなんとかしよう」


 向こうの龍から飛び上がりレイも龍から飛び上がる。プルトンの放つ異質な黒い光と覚醒したレイの放つ綺麗な金色の光がぶつかり渦を巻き離れ波動を生み出す……。下に集まったみなはそれと龍同士の戦いを見ている。壮絶な体たりや爪の応酬、ブレス攻撃……。勇んで集まったはいいが空にはいけない。レイに運が付いたのか今回の決着はレイに軍配が上がった。剣がふかふかした雪に落ちその近くにレイも落ちた。プルトンは捨て台詞を残して闇の中に消えて行った。レイはその後に意識を失い見つけるのに苦労してしまったが周りのメンバーが応急処置しギルドまで運んだ。


「ここは! 俺の部屋……か」

「レイ君!」

「マナ!? おい! いきなり何で……」

「うわぁぁぁん!……ヒッグ!……心配したんだからぁ!」

「マナ……ごめんよ」


 ドアをノックする音が聞こえ「入っていいか?」と問われた瞬間にマナが飛び退き涙をふきすぐに座り直して「どうぞ」とすました声で答えた。入って来たのはギアだった。


「レイ……。お前に本当のことを伝えるのはまだ先になる……だが」

「師匠の言うことなら疑いません」

「レイ……独り立ちだ……。で、だ! お前にやって欲しいことがある。来週に俺とファンが結婚することになった……。んで、司会を任せたい。ちなみに俺達の親の代わりはゼシさんとシドさんだ」

「おめでとうございます」

「お幸せに!」


 急な話だったがこれで職場結婚をするペアは二組になった。シドさんは既にゼシさんと結婚し子供もいる。


「じゃ、お邪魔みたいだから退散するかな」

 ギアさんが居なくなりマナが顔を赤くして目をそらしている。たまに視線が交差するがマナはそのたびに口を開き閉じる。


「レイ君……。今、その……今、伝えたいことが……そのす、す……す……」

「レイさん!」

「レイ! あんた大丈夫かいな!」

「まぁ、あの様子なら大丈夫かな?」

「レイ! お前にはビックリさせられるぜ全くよぉ」

「……………………」


 マナが部屋を出て行き裏庭に出たようだ。そこにゼシが現れマナが腰を下ろした木陰に歩き出した。


「レイのことが気になるか?」

「はい……。本当は……」

「言わなくていい。みていればわかるからな。で、お前らにいい知らせだ。ここから少し離れた浜に細工に持って来いの珊瑚や貝殻、流木が打ちあがる海岸があるんだ。そこに二人で行っておいで」

「そ、そんな急に……」

「大丈夫だよ。レイは鈍いがそれなりに頭はいい。いつか気づくさ……お前も仕掛けてみたらどうだ?」


 ゼシは以前より更に綺麗になり良き母親として……そして、ギルドの母として周りからの信頼はそれなりに厚い。特にマナやファンのようにかなり近い存在だと感じている人も少なくないのだ。


「私からすればお前やファンは妹みたいな感じなのさ。だからできるだけ見守ってやりたいし悪い虫が付かないか心配なんだ。だが、レイなら安心できる。ここの女の子と称されるであろう奴はみなレイを狙ってるがな」

「それは知ってます」

「なら、行っておいで……レイの休息も兼ねてな」

「はい!」

『私にとっては……。皆愛する息子や娘たち……私はこの子達を守る』

「ゼシ。心配は要らないよ。息子たちは負けないからな」


 巨大な頭が2つ覗き込んでいる。黒い頭と白い頭は新たな住民として近くの森に住んでいる。名前は黒龍からストラ・ダークネスで白龍はタリス・シ・クリード……彼らはレイの働きで協力してくれるらしい。


「貴様等など我らから比べれば短命なものよ。我らと提供を組む上で……」

「それでもいい……私はお前たちやシドと共に守れればな」


 白いワンピースを着た華奢な少女が自室に帰ると既にレイの周りには人はいなかった。マナが後ろから近寄り両目を隠しクスクス笑っている。レイの背中に抱きつく形になり顎を頭に乗せ目を閉じた。椅子に座っているレイは誰か心当たりを必死で探しているようだ。


「だぁ~れだ?」

「マナ?」

「正解! デートに行かない?」

「で、デート?」

「うん、何か用事あった?」

「ないよ。行こうか」



……TO BE CONTENEW……

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