表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/40

第4話

 真っ向からダニエルと対峙するフェーデ。


 王の城を血で汚したくないなどと言っていたが、どうやら嘘だったようだ。


 ──不味いな、ダニエルだけならどうとでもなるが後ろにはサロモンが控えている。


 目の前のダニエルを睨み付けながら、フェーデは後ろにも気を配る。


 白い絹服を身にまとったサロモンは見たところ武器は持っていないように見える、だがそれも服の中までは分からない。


 短剣、仕込み針、今食事に使っているナイフも勿論武器になる。


 フェーデとダニエルがにらみ合い、石造りの部屋に一触即発の空気が流れる中、口を開いたのはサロモンだ。


「やめろダニエル」


「なッ!?」


 サロモンの口から出た言葉に、ダニエルは動揺した。


「今日だけは見逃す、俺はそう言ったんだがダニエル、貴様は俺の命令が不服だというのか?」


 じろりと睨みつけるサロモンに気圧され、ダニエルは道を開けた。


「さらばだサロモン」


 形だけを礼をとると、フェーデはその場を去った。


「……本当によろしかったのですか? あの男、近頃は何やら自分の騎士団員を使って情報を集めていると聞きます。反乱を起こすやも……」


 去っていくフェーデを睨み付けながらダニエルはそう聞いた。


「放っておけばいい。反乱を起こすなら潰すだけだ。俺の手でな」


 フェーデが出ていくや否や、サロモンは食事を再開した。


 暴飲暴食であるのは間違いないが見ていて不思議と不快感を抱かないのは王の威厳故か。


「あんな老いぼれに何が出来る? 騎士団といっても所詮は200に満たない雑魚の集まりだ。気にすることは無い」


「は、はぁ……王がそうおっしゃるのでしたら」


「農民共もだ。豚と同じに食らいつくしてしまえばよい」


 ナイフを子豚に突き刺して切り分けながらそう言うとダニエルはにんまりと笑った。


「そうですな。所詮は武器も持たぬ愚か者の集まりです。杞憂ですな」


「まあ、俺は豚が農民共だけとは言っていないがな」


「え?」


 困惑するダニエルを見てサロモンは声を上げて笑った。






「フェーデ様! ご無事ですか!?」


 城壁に付けられた分厚い樫の木の門から出て来たばかりのフェーデ、そこに焦った様子で話しかけてくる男が1人。


「……人目がある、歩きながら喋るぞベニート」


 そう言いながら歩き出すフェーデに付いていく。


 麻の服に身を包み、健康的な褐色の肌と黒髪、そして青い瞳の凛々しい顔つきをした男、名前をベニートと言った。


 2頭の馬を連れたベニートはフェーデと顔を合わせることなく、歩きながら2人だけに聞こえる程度の声で喋る。


 どこで誰に聞かれているかもしれないからだ。


「サロモンの説得は無理だ。まぁ私が感情的になりすぎたせいでまともに会話できていないのだが……」


「大事な場面で感情的になるのはどうかと思われます」


 ベニートの容赦のない言葉に、胸に小さな棘が刺さったような気分になる。


「ベニート、なんというか……もう少し手心というものはないのか?」


「騎士は真実のみを語る。誓いの1つです」


「都合の良い時だけ誓いを利用するな」


 軽口をお互いに叩いていると、先ほどの溜飲が下がる。


「それで、王の説得が失敗に終わったのであれば、次にとるべき手段は……」


「強者には勇ましくあるべきだ。誓いの1つにあるぞ知っていたか?」


「勿論です。それでは参りましょうか」


 2人は馬に乗り込むと駆け足で馬を走らせる。


 ──サロモン、お前は私の手で殺してやる。私が育てたお前は私が殺さねばならんのだ。


「ベニート、全員集まっているのか?」


「問題ありません。既に全員招集してそろっております。必要とあらばすぐにでも」


「よろしいそれでは始めよう。王を倒し、民を救済するのだ」


 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ