# 0
「ララルーシー。」
機織り機しかない白い世界。1人の女性のもとに1人の男性と2人の女性が現れた。
「…まぁ、プレクティファー。最高神のお2人もいらっしゃったのですね。どうなさったのです?」
ララルーシーと呼ばれた女性は驚きを隠せずにいる。
「ララルーシー、頼みがあるの。アマテラスから預かった子がいてね。」
「その子の糸を織り込んで欲しいのだ。」
「私たちの愛し子になると思うわ。特別な子なの。」
「…わかったわ。上手くいくかは分かりませんけれど…」
「上手くいかなければ解いて織り直せば良いのよ。」
「それもそうですね。そういたします。」
「あぁ。頼んだよ。」
「この糸ですか。とても綺麗な糸ですね。
…時と風の女神、ララルーシーの御加護を。」
「まぁ…。では、わたくし、光の女神の御加護を。」
「私、闇の神の御加護を。」
「…。水の女神、プレクティファーの御加護を。」
4人は糸に加護を与える。そして…。
「土の神、ヴォルディガントの加護を。」
「火の神、ブルーテルターンの加護を。」
「命の神、クラッルシャーンの加護を。」
いつの間にか現れた3人によって新たに加護を与えられ、その糸は綺麗に輝いていた。
「まぁ…。では、こちらに…。」
ララルーシー……時の女神はその糸を機織り機にかかった布に入れ込み、織り始めた。
人はこの織物の糸の1本に過ぎない。気付かぬうちに神の気まぐれで解かれ、結ばれ、織られる。神々が納得するまで織り直されたそれが人生と呼ばれるものの正体だ。
トゥティラハト……。その国は神々の箱庭である。
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初めまして。天宮 かぐらと申します。初めての投稿で拙い部分も多いですが是非最後までお付き合い下さい。
〜出てきた神々〜
・時と風の女神…ララルーシ
・最高神…闇の神と光の女神
・水の女神…プレクティファー
・土の神…ヴォルディガント
・火の神…ブルーテルターン
・命の神…クラッルシャーン