「プロローグ」
俺は、23歳のしがなくなんの取り柄もない、大学に通っている大学生だ。といっても留年した。
勉学に励み、ここ16年、7歳からずっと続けてきた。だが俺は留年した。だがもうそんな事はどうでもいいことだ。
そんな俺の1日が始まろうとしていた。大学といってもやる事は毎日起きては講義に行き。終われば帰るという生活だ。
公園の小道を通り、今は帰路についている。
勉強はできる。
何故留年したか、それは両親が影響している。まぁこれも言い訳でしかないが。
俺の両親、父は不動産企業の社長。母はその会社の役員だ。
父の会社は一族経営もあって俺はその後継として生まれた。
言うなればエリート夫婦だ。こんな家族見たことがないってほどにね。そして俺はそんなエリートな両親の間に生まれた。
操り人形に過ぎなかったのだ。
俺の人生は、生まれた時既に決まっていたといっても過言ではない。敷かれたレールに沿って生きてきた。生きざる終えなかった。それを強要された。
そんな俺にも夢があった、それは教師になる事だった。夢を追いかけ始めたのは中学3年の頃だった。
担任の先生は少しばかし厳しい人だったが、先生は俺に人生の選択について教えてくれた。
ある日の放課後、俺は一人教室で蹲っていた。
両親のプレッシャーも相まって自暴自棄になっていた。
「おい、何蹲ってんだ?」
そう先生は喋りかけてきた。
「先生にはわかりませんよ、僕の気持ちなんて.....」
「わかるさ。」
即答だった。俺はそれにイラッときてしまった。そして俺は怒鳴り口調で言っていた。
「なんでそう簡単に言えるんですか?わかるわけない!先生に何がわかるんですか。自分のしたいことも自分で決められない。親の期待は、一層増えるばかり!そんな重圧の中、日々生活する俺の気持ちが!」
そう言うと、先生は俺の怒鳴り声とは裏腹に冷静に言った
「お前の家庭環境は他と比べて一際厳しいだろうし、お前の両親が誰かも知ってる。」
「だったら....なんで....。じゃあ....もう....」
その時だった。
「お前はそれでいいのか?そんな人生がいいのか。?」
俺はそう言われた時、何を言ってるんだこの人は?と思った。
いい訳がない。いいはずがない。そう思った
すると先生は続けた
「多分このまま、自分を押さえつければ割といい職に付けて、いい暮らしができるだろう。だがそれはお前のやりたいことじゃないんじゃないか?」
俺はこの生活が息苦しい。自分で決めたことなどなかった。決める勇気がなかった。辛かった
「俺は....」
「やりたいことなんてすぐ決まるわけない。人には人のペースがある、ゆっくりでいいんだ急ぐ必要はない。お前にはその選択をする時間がまだあるんだから。」
そう言われた時、俺の心の中にあった何かが決壊した気がした
「お、...俺は...会じゃ、なんて...継たくないし..。それに、グス....自分で決める、覚悟がほしい...」
気づけば俺は泣いていた。それに本音も言えた。
初めてだった。誰かに自分から物事を言うのは。
俺をこんなふうにしてくれた先生を俺は尊敬するようになり、そうなりたいと思い始めるようになった。
やっと自分のやりたいことができた。
多くを求めず、1つ1つ考え導き出した答え。それは、
教師だ。
俺も、あの先生みたいになりたい。
俺みたいな気持ち、環境にあっている生徒、まぁ多分そんなケースは少ないだろうが。
導いてみたい。自分が体験した全てを掛けて。
それから時は立ち、高校にも無事進学
先生の言葉も支えになっていたのもあったのか、俺は無事大学まで行くことができた。
大学では色々あった。
色々な言語、様々な文献。どんな物でもあった。だが、あまり友達はいなかった。
いたのは俺を勝手にライバル視してたやつだけだった。まぁずっと勝っていたが。
だが大学3年になる頃、事件は起きた。
「お、俺...教師になりたいんだ。」
そんなことを突然言った。
両親は石のように固まっていた。両親と顔を合わせるのは週に2、3回程度だった。
すると父親が席から立ち、こっちに来ている。下を向いてるから顔は見えないが。
俺はあまり話さない方だったし、そんな俺の成長を褒めてくれるかもしれない。
そしてなによりも、言いたいことを言えた!そんな事で俺の気持ちは昂っていた
今まで生きていた中で最大の興奮だった。
それから俺は止まることなく話した、
「俺、中学の頃にある先生に助けてもらって、それから俺に教師になりたいと思って」
「それに俺、今教員試験とか色いr・・・」
だが現実はそう簡単で、甘くはなかった
俺は気づけば頬を殴られていた。
そして地べたに倒れていた俺に父は言った、
「教師だと。ふざけるな!お前はそんなことをしている時間はない!お前は会社を継ぐために勉学に励むんだ!」
「でも、初めてやりたいことができて....」
「やりたいことだと?お前にやりたいことがあろうとなんの関係がある?あろうことかここまで育ててやった親に口答えするとは!」
俺はこの時、気付き深く思い知った。
選択肢なんてないのだと。
俺に自由はないのだと。
そんなことがあったせいか、勉強に身なんて入るはずもなく、今に至る。
恵まれた家に生まれ、何不自由なく暮らす。いや、俺は不自由だった、俺は自由に生きたかった。自分のしたい事をして生きていたかった。
だがそんなことはできない。俺は一生両親の操り人形でいるしかない。
そう、俺の人生はもう終わってるんだ。
そう思った時だった。
横断歩道を渡る男子学生達が見えた高校か大学だろうか、2人組。会話が弾んでいる。
俺もあんな風にを過ごしたかったなぁと思いつつ、俺も横断歩道渡る。
すると右車線から勢いの止まらない黒のワゴン車がいた。かなり大きい。
信号は赤だ。
なのに止まる気配がない。
車の先には2人組の学生がいる。彼らは気づいていない
「君達....そこにいちゃ....」
俺の声は届いていなかった。今から行ってもどちらかが死ぬ。
俺か、彼らが。どちらかが。
だが俺の体は動いていた。ただ全力で。
自分の選択だった。
こんな人生が縛られ自由がない留年生と、まだまだ未来があり、自由な選択をできる2人組の彼ら。俺はそれを考えながら走った。そして追いついた。追いつけた。元々運動なんてからっきしできなかったし、追いつけないかと思っていたくらいだ。
俺は勢いよく学生達を突き飛ばした。俺は学生達を突き飛ばした反動で歩道側ではなく、車道の方に投げ出された。
学生達は歩道に倒れ込んだ。
「イッテェ!」
「何すんだ!お前....」
学生達はそう言っていた。
それを見て安心したのか、俺は力を出し切ったのか一歩も動けなかった。
(動かなきゃ)
そう思った時にはもう遅く、フルスロットルのワゴン車に吹き飛ばされ、3メートル程飛ばされた。体がぐしゃぐしゃだ。
クッソ....全身が痛い。なんでだ?頭がスゥーとしてきて力もだんだん抜けて....。
未練はない。こんな縛られた人生はもうごめんだ。こんな安っぽい命で2つの命を救えた。それでいい。俺の偉業は最初で最後これだけだ...。
こうして俺は、この縛られた人生に幕を閉じた。
初めてなろうで小説を書こうと思いました。
これから頑張っていくのでよろしくお願いします。