3話:ゼネル家全員集合!
前回の簡単なあらすじ:宰相がパパになった。
今回、ルークの家族紹介のみで終わるため、少し短めです。
また、その日のうちに、使用人の数を変更しました。
さすがに男1人に5人は要らんなと。
9/27 ズァークとフェルトの年齢を変更します。
11/23 行間を変更しました。
12/13 ズァークとフェルトの年齢を再度変更しました。
御二人とのお茶が終わり、ボクは王都にあるゼネル家の別宅に帰って来た。
この別宅は、領地を離れて王城で働く貴族のために貸し与えられている建物で、身分によって規模が変わってくる。子爵家の場合は、一般的な二階建てレンガ造りの家、といった具合で、それほど大きくなく、庭もないため、手入れが比較的楽で、気にいっている。
現在王都には、ボクのほかに、学園に通うトールとフィーアも来ているが、学園に通っている間は寮で暮らすことになっている。なので、今現在この別宅に暮らしているのは、ボクとメイド、バトラーの3人のみである。そのはずなのだが…
「いや、なんでみんないるの?」
どういうわけか、トールとフィーアに加え、父さんと母さんまでもが別宅に来ていた。
「あ、おかえりなさい、兄さん。」
「やっほー、久しぶり。」
弟のトールは、名前のわりには背は高くなく、172,3といったところだ。容姿は母の要素を多めに得ており、銀髪の髪は少し長めで、柔和な顔立ちをしている。性格は見た目通り温厚で思慮深く、一見気弱そうに見えるが、父の強かさも譲り受けており、舐めてかかると痛い目に遭う。同い年の婚約者がおり、学園を卒業後、実家で数年父の補佐を経て、当主の座を継ぐことになっている。
妹のフィーアは、今年学園の高等部に上がり、16歳。母譲りの銀髪は短く切り揃えており、目は細く、端正な顔立ちをしている。感情の起伏が乏しく、あまり自発的に話していくことはしないが、話を降られると、パンチの効いた発言をするなど、コミュニケーション能力はむしろ高いところがある。去年、懇意にしている男爵家の次期当主と婚約を結び、フィーアが学園を卒業後に結婚することになっている。
多少変わったところはあるが、それ以外は成績も優秀な、自慢の弟と妹である。
「数日ぶりだな、ルークよ。」
「ルークちゃんが元気そうで良かったよ~♪」
父であるズァーク・ゼネルは、白髪混じりの黒髪をオールバックにしたナイスミドル。服の上からは細く感じるが、体は引き締まっており、戦闘面でもまだまだ現役である。ゼネル家当主にふさわしく、不得意とする分野はなく、多芸。一流とまではいかないが、多芸に加え、慎重さと経験に基づく事前の対策により、ゼネル家を自身の代で“子爵家筆頭”まで押し上げた、ボクの尊敬する男である。ーー食えない狸じじいの一面もあるため、面と向かって言ったことは、あまり無いが。
母のフェルト・ゼネルは、父の1つ年下、とのことだが、とてもそうは見えない。肌は瑞々しくハリがあり、背は150ほどのフィーアよりも低く、童顔であり、学生にも見えるため、父へのロリコン疑惑が後を絶たない。父が学生時代に見初めたらしいのだが、孤児であった母を、あの手この手使って妻としたらしい。当時を知る方は、みな口をそろえて、「本気になったズァークは恐ろしい」と語る。父は何をしたのだろうか?
見た目と言動通り、おおらかで優しく、やや甘い性格をしている。ただし、その見た目とは裏腹に、“夜”になると滅法強い。小柄な体には不釣り合いに大きな2つの凶器を武器に、毎夜毎夜父を骨抜きにしている。
と、この四人がボクの家族である。え?みんな揃ってクセが強いって?やだなぁ、せっかく全力で目をそらしているんだから、言わないでおくれよ。
読んでくださり、ありがとうございました。