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16話:ルークとフェリシア、初の対話

前回の簡単なあらすじ

①ルークは天使に出会った!

②ルークの素直な褒め言葉!天使に効果は抜群だ!

③ルークは公爵家に馴染んだ!


今回、少し切り込んだ話をします。大幅変更がなされた時は、察していただけると幸いです。


12/14 少し改稿しました。


「はあ、全く。」

 あの後、拗ねてしまったフェリシア様の機嫌をどうにかとり、エミリー様が「後は二人でごゆっくり」と言って、みんなを連れて部屋を出ていってしまった。残ったのは、ボクとフェリシア様、それからアニーとルアーノの四人だけだ。


「先ほどは、本当に申し訳ありませんでした。」

「いいわ、もう。()()はいつものことだから。まあ、何度言われても慣れないんだけど。」

 フェリシア様が、若干恥ずかしそうに言う。アレが日常茶飯事とは。ライセン様、よく今まで嫌われませんでしたね。

「それでも、嫌ったことはないのですか。」

「…だって、あれって要は、ワタシのことを見てくれてるってことじゃない。そう思ったら、お仕事で疲れてるだろうし、あまり強くも言えないわよ。それにワタシ、()()()()()()()()()()()()()()。」

「…本当に、フェリシア様も転生者なのですね。」

「ええ、ワタシも聞いたときは驚いたわ。何しろ、先王陛下とお母様以外で、初めて同じ転生者、それも同年代の人の存在を聞かされたんですもの。」

「エミリー夫人もですか?」

「お母様の場合、あまり強く記憶が残っているわけではないそうよ。でも、ワタシが作ったストラップ見て、『あら、上手にピ○○ュウ作ったのね。』って言われたときには驚いたわ。」

「気づいたエミリー夫人にも驚きですが、手作りでピ○○ュウだと分かるクオリティのストラップを作られたフェリシア様にも驚きです。」

「…ワタシが作ったの、イー○イのつもりだったのだけど。」

 話によると、エミリー様は『ポ○○ン=ピ○○ュウ』と思っているらしく、ピ○○ュウが総称だと思っていたのだそうだ。実際に実物を見せてもらったのだが、どう見てもイー○イだった。というかクオリティが高い。センターで売られていてもおかしくないレベルだ。

「○イズ、お好きなんですか?」

「ええ、進化系8匹も全部作ったわ。前世は統一パで、何度も潜ったもの。あまり勝てはしなかったけど、やっぱり好きなコを使ってたから、楽しかったわね。」

「本当にお好きなんですね。」



 その後も、前世で好きだったものを話していた。意外なことに、ボクとフェリシア様は趣味が似通ってて、話が合った。特にアニメにハマっていた点は一緒で、フェリシア様が強くなろうと思ったのは、憧れの魔法に気が(たかぶ)ったからだという。フェリシア様の方が詳しかったので、基本ボクは聞き手に回ったのだが、フェリシア様がとても嬉しそうに話す姿は、見ていて楽しかった。


「ん~!久しぶりにいっぱい話せたわ!ありがと、ルーク・ゼネル。」

「いえ、こちらこそ。いろいろ聞けて、楽しかったです。」

「喉が乾いたでしょう。お飲み物をお持ちしましょうか?」

「ええ、お願い…ってアニー先輩!?それにルアーノ先輩も!?」

 ここで初めてしゃべったアニーに、フェリシア様が目を見開いて驚く。というか、先輩?

「二人は、フェリシア様と面識があったの?」

「はい、学園で何度か助けていただきまして。」

「…あれは今にして思うと、余計なお世話でしたよね。」

「いいえ、とても助かりました。もしあのまま自分で対処していたら、最悪退学もあり得ましたので。」

「ねえルアーノ、何があったの?」

「それがですね…」


 アニーが高等部2年の頃、侯爵・伯爵令息とその取り巻きが、アニーを取り囲んだらしい。クールな性格と、当時から成熟していた身体のアンバランスさが、男子生徒の間で人気だったらしく、よく声を掛けられたそうだ。しかし当時からルーク(ボク)に仕える気まんまんだったアニーは、それらをすべて断っていたらしい。それが無駄に自尊心が高い侯爵・伯爵令息たちには(しゃく)にさわり、ルアーノが席をはずしているときに、集団でアニーに詰めかけたのだ。


「…そこにやってきたフェリシア様が、その者たちを追い返したのです。」

「あのときは運命かと思いました。まさか、ルーク様の婚約者様に助けていただけるとは。」

「ワタシとしては、自分が助けた相手が、学年でも上位の実力者だったとは思いませんでしたよ。」

 アニーとルアーノは、幼い頃からゼネル家で訓練を受けており、並みの相手なら、人をかばいつつ2,3人までは対処できるし、一人なら5,6人を無力化できる。確かに、そんな人に詰め寄るとは、無謀にも程がある。まあ、権力を盾に脅すつもりだったのだろうけど。

「そこから、交流させていただく機会は増えましたね。」

「はい。まあもっとも、ルーク様の前では接触しなかったので、ルーク様が知らないのも無理はありません。」

 言われてみると、学園では二人に会うことはなかった。そういうことだったのか。


「迂闊だったわ。まさか、マシンガントークを先輩に聞かれるとは…」

 フェリシア様が、顔を真っ赤にしている。さっきの会話を聞かれたのが、恥ずかしいのだろう。心境は、中二病全開の時代の自分を知られた男子高校生の気分だろう。まあなんにせよ、恥ずかしがるフェリシア様も、やはり可愛い。


読んでくださり、ありがとうございました。


大丈夫ですかね、この話?

伏せ字は使いましたが、はてさて…


捕捉として書いておくと、

ルークとフェリシア以外のゼネル家、

及びシルエイティ家の関係者は、

この件については初めから聞かされており、

すでに知っていました。

アニーが運命を感じたのも、それが原因です。



次回、この裏側のライセンさんたちサイドに移ります。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] シルエイティ家でゼネル家の使用人がお茶の用意を申し出るのは不自然かと。シルエイティ家の侍女が使えないからゼネル家侍女が口出ししたみたいに捉えられる恐れがありますので、貴族社会(上下関係…
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