11話:宰相公爵家に行こう!(ゼネル子爵家の朝)
前回の簡単なあらすじ:
母⇒ロリ巨乳な魔女、もしくは小悪魔
専属メイド⇒匂いフェチ
更新が遅くなり、申し訳ありません。
12/13 改稿しました。満足です((o( ̄ー ̄)o))
しばらくして、トールが姿を現した。顔色が少し悪く、足取りも重く見える。どうやら昨日、母の餌食となったようだ。フィーアの姿がまだ見えないが、おそらくフィーアも襲われたのだろう。我が母のことながら、子がこんなになるまで襲うとは、なんとも恐ろしいことである。
「おはよう、トール。大丈夫かい?」
「おはよう、兄さん。なんとかね…ただ、フィーアの方がちょっと」
「え、フィーアがどうしたの?」
「腰が抜けて、力が入らないみたい。今ルアーノが連れてくるところ。」
そうしてしばらくして、ルアーノに横抱きにされたフィーアがきた。こちらは顔色こそ悪くないが、顔を真っ赤にして、涙目になっている。
「母様、ひどい。もう、お嫁に行けない…」
「…心折れてるし。」
いつも気丈なフィーアが、こんなになるなんて。昨日はいったい、何をしたと言うんだ…
「フェルト…」
「だって、あなたはすぐにイッちゃうんですもの。いつもはその後、ルークちゃんのところに行って、だいぶ落ち着いてから二人のところに行くんだけど、昨日はルークちゃんのところには行かないで、そのまま二人のところに行ったの。そしたら二人とも、ルークちゃんにするときと同じ感じでやったら、すぐダウンしちゃったのよねぇ。」
「…兄さん、いつもアレより凄いの受けてたの?」
「…化け物。」
トールとフィーアが、ボクを化け物でも見るみたいな顔で見ている。いや、化け物はひどくない?というか、ボクへの比重そんなに大きかったの?意図せず二人を守れていたわけか…
「今までは、いろんなところを舐めまわされたり、顔を埋められたり、そういうのだったんだけど、昨日はその、なんというか…、少なくとも、ヒルダに知られたらまずいと思った。」
「そうだね、絶対知られちゃ駄目だよ。あの子の場合は特に。」
トールの婚約者であるヒルダさんは、騎士の名門の一つ、シュバリエ子爵家の長女で、普段は落ち着きのある物静かな女性だ。しかし、見たところ若干ヤンデレの面があり、トールから女性の気配を感じると、感情を無くしたような顔で問い詰めてくる。目がマジなのだ。そんな子にこのことが知れたらどうなるか、想像するのも恐ろしい。
「うん!だから“初めて”は奪ってないよ?」
…弟よ、最後まで守り抜けよ、その貞操。
次にフィーアに話を聞こうとすると、
「お、“おんなのこ同士”が、こ、こんなに気持ちいいなんて、し、知らなかった。」
自分の体を抱き、ガタガタ震えていた。うわぁ…
「全く、よりによってこんな日にしなくても…。これからライセン様のところに行くっていうのに。」
ボクはもう、ため息をつくしかない。
今回ライセン様のもとに向かうのは、この五人全員でである。トールは次期当主としての顔見せの面があり、フィーアもボクの妹として、挨拶に行くのである。今こんな調子で、大丈夫なのだろうか。ちなみに、付き人はアニーとルアーノ、それと馬車(この別宅の備え付け)の御者のみである。父いわく、「ライセンがもてなしたいんだそうだ。」とのことだった。
「ルアーノ、二人、いや父の分もあわせて三人分、薬を持ってきて。」
「かしこまりました。」
「とりあえず二人とも、今日は頑張って。」
「うん、当主になれば、キツくても仕事をしなくちゃいけないんだ。それの予行だと思って臨むよ。」
「はあ、はあ、……うん。せっかくのフェリシア様にお会いできるチャンス、掴まない手はない。」
二人の顔色が、少しずつ良くなってきた。二人には申し訳ないことだが、こればかりはどうしようもない。いくらライセン様と父の仲でも、爵位が上の方への挨拶で、礼を失する訳にはいかない。見れば、父はもう表面上はなんともなく見える。こういう切り替えがすぐできることは、当主の素養の一つだろう。
そうして準備を進め、ボクたちはなんとか時間通りに別宅を出ることができた。
さあ、フェリシア様に会いにいこう!
読んでくださり、ありがとうございました。
やっと公爵家に行きます。
次は、同じく朝の様子を、
ライセンさん視点でお送りします。