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霞んだ桜色(28)

「公園というか、僕達の庭だった。ただの余った土地に、妻は子供達が遊べるようにって、自分が寝たきりになっても、しがみつくように公園の計画を考えていた」


 彼の目は徐々に細くなっていった、今にも涙が飛び出しそうに輝きながら。


「死ぬ前に何かを残したい。私が居なくなっても、あの子や、あの子の子供達が公園で遊んでいるのを、空から見守りたいの。あなたは子供と遊ぶの下手そうだからって、笑いながら言い残してくれたんだよ」


「……そうだったんですね」


「ああ、こんなんじゃ妻に怒られちゃうよね、現にあの子は公園で遊べていない。きっと僕のせいなんだ、いつまでも立ち直れずにいるから……」


「お爺様のせいじゃないです!」


 後輩の怒鳴り声が響いた。静かな木製の廊下が微かに軋んだ気がした。

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