表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
119/121

霞んだ桜色(27)

「え?」


 聞き間違いだと思った。何の感情も込もっていない無機質な声が通り抜けて、寒気だけが私の肩を固くさせた。


「あの子は、あの公園に呪われてしまっているんだよ」


「呪われてるって、何があったんですか?」


 後輩が私の横で少女を見つめながら聞いた。少女は公園に入らずに、辺りを眺めるように見回していた。


「ううん、きっと僕もかな……。あの公園は、あの子の父親が作り上げてくれたんだよ」


「お父さんが……」


「あの公園はね、僕の妻がデザインしたんだよ。そして、娘達が引き継いで完成させてくれたんだ。そして、孫のあの子だけが残ってしまった……」


 あの子だけが残ってしまった。その言い方に彼自身は存在しないような冷たさがあった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ