代行
歩いて着いた先はダンジョンコアルーム
『はぁ・・・安く見られたものじゃのぅ・・・』
赤の君は怒りを通り越して溜息をついて呆れている
『まあよいわ、ヌシに任すとする・・・と、コアの責任者移譲じゃな』
多くのダンジョンは魔力で生成されている
そして膨大な魔力を持つ竜属や魔族がダンジョンを作ることができる
竜属は古い遺跡跡なんかに作ることが多い
たまに海底ダンジョンみたいな行きたくても行けないような所に存在したりする
魔族なら御馴染みの『魔王』
城の地下がダンジョンになっており地下8階からスタートして城目指して上に行くスタイル
赤の君のダンジョンは地下10階層
9階に赤の君お気に入り罠階層、基本汚したくないらしくモンスターなどは配置していない
迷宮になってる拘りの階層
「今回は二人分の町周辺地図もお願いできますか?」
流石に緊張しているのかユーリーとアンナはカチコチだ
『前はおらんかったのぅ』
「二人共良いレンジャーですよ、ユーリーとアンナです」
「ご紹介に上がりましたレンジャーのユーリーと申します」
「同じくアンナと申します!」
「今回は女勇者、女性という事で身辺調査、諜報活動を念入りにやってもらいます、我々男共では少々難易度が高くなりますので・・・」
『ハハハ、ヌシも女子には弱いかのぅ』
「俺と違って多少の荒事にも長けております」
『ふむ・・・そうか』
軽く二人の自己紹介が終わったところでコアの書き換え準備が終わったそうだ
ブルガさんが水晶を持ってくる
『さて、「汝をこのダンジョンマスターとして認める」期間限定じゃがの』
水晶が光り輝く
そして俺の魔力がごっそり無くなる
7割ほど吸い取られただろうか
膝をつきそうになるが堪える
勿論このダンジョンを俺一人の魔力で維持できるわけもなく赤の君から『借りてる』状態
ダンジョンマスター代行業のスタートである
代行とはいえダンジョンマスターになれる人物はかなり限られている
条件として代行するダンジョンを踏破していることが一番なことだ
そしてダンジョンマスターに認められていること
俺はというと幸運が重なって踏破(仮)である
「では本日より代行を務めさせていただきます」
依頼主へペコリと礼をする
「早速だが二人は町へ、戻って無さそうなら足取りを、宿の確保もな」
「「了解」」
『後は特にないかの?ワレはそろそろ準備があるでの』
「お帰りは1週間ほどで?」
ブルガさんが部屋から消えてる・・・いつの間に・・・気配遮断?インビジブル?
『まあ遅くても1週間じゃの』
「了解です、留守はお任せ下さい」
『心配はしてはおらんよハハハ』
赤の君は笑いながら準備へと向かった
最長1週間勇者の足止めが始まった