男子禁制
赤の君より新しい依頼を知らされて半日が過ぎた
極上のワインをのみ気持ちよく眠りに付けた
もう2度と飲めそうにないワイン
あの後赤の君のオススメで白まで飲ませて頂いた
ご厚意に感謝しかない
今日はこのダンジョンより撤退する予定だ
帰りもブルガさんが転移してくれると言うので厚意に甘えるとする
昨晩は酔ったままでの赤の君との対話だったので今日はしっかり報告しておく
その前に部屋の片付けと二人の様子も見ておこう
まあ持ってきた罠の管理はアンナとユーリーに任せてあるので自分は書類と服の片付けぐらいだ
部屋をサッと片付け2人の部屋へと向かう
部屋の前に来たのは良いが・・・気配がしないな?
一応ノックをしてみるが返事はない
何か作業でもあったか?
そう思いながら次はブルガさんを探す
長い廊下の突き当りにブルガさんが見えた
『ブルガさーん!おはようございます!』
少し大きめの声で呼び止める
ブルガさんは笑顔で
「おはようございます、何かお探しですか?」
『ええ、うちの2人を見てはいらっしゃいませんか?』
「あのお二方でしたら今我が主といらしてますよ?」
『え!?そうだったのですか!?何か不手際でも・・・』
「いえ、主とお酒のお話をしてらっしゃいます」
『は?まさかユーリーには飲ませてないですよね!!』
ヤバイヤバイ!
「ご安心ください、酒類は持ち込んでおりません、主はただ話がしたいだけかと」
『そ、そうですか・・・』
よ、よかった・・・
帰る日に泥酔されると厄介だからな・・・
『では部屋に戻っておきます、女性達の話に混ざるわけにはいかないので』
ブルガさんに会釈をして部屋に戻る
「賢明でございます」
ブルガさんも追い出されたのか、それとも自主的に出てきたのか
眉が困った感じになっている
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
遡る事2時間ほど前
「私たちに?」
部屋にブルガさんが訪ねてきて赤の君が会いたいとおっしゃっているらしい
「すぐ向かいます」
アンナとユーリーはすぐに身だしなみを整え赤の君が待つ部屋へ向かう
部屋についてテーブルを見渡すとお酒が並んでいる
ユーリーは目が点になっている
見たことのない異国?のお酒なのだろうか?
『早くからスマンな、まあ掛けてくれ』
赤の君はソファーに座りながらワインを手にしている
「失礼します」
勧められたソファーに座る2人
沈み込むような感覚に2人は座り心地を気にしている
『2人を此処へ呼んだ理由じゃが・・・まずはユーリーにはこれを』
赤と白のワインボトルを差し出す
昨晩飲めなかったユーリーに対しての補填である
白を付けたのは赤の君の器量の良さが見える
「あ、ありがとうございます!!!」
ワインに抱き着きそうな勢いで喜んでいる
何時もはクールなユーリーが・・・
『喜んで貰って何よりだ、2人は中々にイケル口なのじゃろう?』
赤の君はグラスは入ったワインをゆっくりと回しながら楽しんでいる
「私は美味しいお酒には興味はあります、でもそのお酒に合う料理が一番好きです!」
アンナはどちらかといえば良く食べる
お酒もそこまで弱くはないが自信の酒量を知っているので潰れる事はない
「私は・・・正直に言うのは恥ずかしいですが、お酒が全てです、弱いのですがお酒を飲む事が好きでゴキゲン鳥に入ったくらいです」
普通に冒険者をするよりも、普通に働くよりも・・・クランで仕事する方が金が良いのだ
リーダーはいつも【貧乏暇なし!】と言っているがどのクランよりも稼いでいる
今回の依頼もそう
普通に働く半年分の給料が1週間だ
『カカ、アンナは料理か、少し甘いが東の国の土産があるのだが、一口たべてみるか?ユーリーもどうじゃ?』
赤の君は綺麗な柄の巾着を取り出した
その中身を2人の手に落とす
「綺麗・・・」
ユーリーがポツリと呟く
黄色いとげとげの宝石のようなもの
『東の国の砂糖菓子じゃ』
赤の君も一粒口の中に放り込む
「ふぁぁぁ~甘いです~」
アンナは頬に手を当て美味しいを連呼している
「これは・・・本当に甘くて・・・美味しい・・・」
ユーリーはまだ手の中にある砂糖菓子を興味津々に眺めている
『まあ今日ここに呼んだのはな、ただ単に同性同士で話がしたかっただけなのじゃよ、人間の娘は甘いものなどが好きなのだろう?ワレも食べるが食いきれんでの』
カカカっと笑い色々なお菓子を出してくる
『あとコレは酒ではない、ユーリーに渡したもの以外は果物のジュースじゃ』
そう言ってブドウジュースを目の前で開ける
「あ、私がやります!」
アンナがジュースの瓶を受け取り各自に注いでいく
『此処には同性がおらぬ、色々と市井の話などしてくれ』
グラスを手に持ちこちらに差し出してくる
2人はこちらこそ、と言いながらグラスを少しだけぶつけカンパイをした




