シルとおじいちゃん
「……シル、今更何のようじゃ…………?」
ここは「メカリル族」が住む要塞の中。
「おじちゃん、助けてくれ……」
「……どういうことじゃ?」
シルは自然の力を利用しようとピースを捉え、グレイやその仲間に散々迷惑を掛けた。何に、助けてくれ、とはどういうことなのだろうか。
「今、シルとして活動しているのは、僕じゃないんだ」
「……それは」
「マジック・シェア社を建てて、事業が成功して、やっとおじいちゃんに認められると思ったんだ、パンヌたちとも、暮らせると思ったんだ、なのに…………」
シルは唇を噛みしめ、ひたすらに泣いた。
「まさか、あいつか!」
「そうだよ、シル・メッキガーデン、僕の父親のせいさ」
「……なんということだ、まさか、そんな…………」
「でも、僕も悪かったんだ、父さんの命令だったとは言え、このメカリル族の技術を全部奪ってしまった、でも、信じてほしい、僕はただ、おじいちゃんに認めてほしかったんだ、僕の作った魔具を!」
「シル……」
「……こんなことになってしまったのには僕の責任だ、僕はまだまだ、未熟で、父さんには到底勝てない、だから、おじいちゃんの力を貸してほしい」
「……わかった、シル。ただ、わしの力を持ってしても、奴に勝てるかはわからないんじゃ」
「……」
「でもな、わしらには強力な仲間たちがいる、今から、そいつらのとこに行こう」
「どこにいるの?」
「ソラーノ島じゃ! そうと決まれば、直ぐに向かうぞ!」
村長は魔法陣を描き、靴に埋め込む。「飛行」だ。
「確か、この魔法はシルも得意じゃったな?」
「うん」
二人は空中に浮かび上がると要塞の出口を突き破って、ソラーノ島に向かった。




