メウとビスとトリノ湖と。part5
中途半端で止まっていますが、良ければ呼んであげて下さい。
「神様殺しちゃいました☆」
シル・マッカザージル。彼は確かにそういった。
「……神様を殺しただと?」
エオの額には汗が滲み、メウとビスは震えている。
「でも、神様を殺せるわけないの! 神様は愛し合う男女の前でしか姿を現さない奇跡なの」
「な、なのだ……」
メウは反抗し、ビスも弱々しく後に続いた。
「あー、まぁ、知ったこっちゃないよね、そんなこと、現に湖はこの通りだし!」
意気揚々と軽口で喋るシルに二人とも、固まってしまった。この状況はまずい。仮にシルの言っていることが本当だとすれば、それほど強大な魔力と魔具を所持してここに姿を現したと言える。だとすれば、エオたちに勝ち目はない。
「……なぁ、シル…………」
エオはカラカラの喉から振り絞って声を放った。
「ん? なんだい? 愛雨エオくん?」
「……僕と勝負しよう、その代わり、二人には手を出さないでくれないか?」
「な、なにを言ってるの!」
「そうなのだ! みんなで逃げるのだ!!」
メウとビスは両手をそれぞれ引っ張っている。
「……話してくれ、二人だけでも逃げてくれ」
「嫌なのだ!」
いつもメウから話出すのに、こう言う時に限って、ビスが駄々をこねる。
「いいから! 早くいってくれ!」
エオは強めに二人を振りほどいた。メウもビスも驚いて表情をしている。エオだってこんな冷たい態度なんて取りたくはない。しかし今はそんなこと言っている暇がないのだ。相手は天使であるピースをいとも簡単に捕まえ、拷問した危険な奴だ。メウとビスがどんなに結婚相手に選ばれる年だろうが、子供である事実に変わりない、そんな二人をこの状況でこの場所に留めておくわけにはいかない。
「……エオ…………」
珍しくメウも泣いている、そんな顔しないでくれ。
「……後で合流しよう」
「……絶対なの?」
「あぁ、当たり前だ、僕に任せて!」
「いくよ、ビス!」
「……やだよ! だって、エオが……」
「いいから!」
メウがビスの手を取り、林の中を駆けていく。
「……良く逃がしてくれたね」
「んー、まぁね、別にあの二人に要はないし、それより、その魔力はなに? 淫力? だけじゃないよね?」
「……何のことだ?」
エオは確かに淫力という珍しい力があるらしい。
しかし、それ以下でもそれ以上でもない。因みに、変態という意味でもはない。
「へぇー、この後に及んでしらばっくれる気? まぁ、いいけど、回収して調べらればいいからね!」
そういうと木の小陰から何かが飛び出してきた。
「……なんだ!」
ぴょんと跳ねるそれはもふもふしてあまりにも可愛かった――。




