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キャロルとクライドとレオルとメジザ島 part11

「結局、ペピーが犯人だったという訳か……?」

 ペピーとパンヌの一件の数分後、一旦落ち着きを取り戻した豪華客船の船内にて。

 シル・マッカザージルが起動した時計仕掛けの爆弾も針は動かなくなっていて、船内従業員やコックたちも仕事を再開している。


「ごめんなさい、みんなを騙すような真似をして…………!」

 ペピーはシル・マッカザージルとの関係や防衛部隊への加入する経緯について誠心誠意、説明した。クライドは険しい表情だが、本心は許してあげたいのだろう、時々、寂しそうな顔をする。レオルとアルは終始、泣きそうだったし、スピッシュは既に泣いていた。

 キャロルも今の説明を受け、改めて【魔愚】の脅威に気付く。死んだ者を動かすヘル、そして、無機物に生命活動をさせるヘル・セカンド。これらを魔法の力だけでは絶対に出来ないことだろう。しかし、シル・マッカザージルは天才だ。


「でも、まって、ペピー??」

「……なんだい、キャロル?」

「その話が本当なら、パンヌとあいつは腹違いの兄妹ってこと?」

 その言葉はこの一連の流れにおいて、最も興味深い事柄だ。

「あぁ、そうだね……?」


「まぁ、そんなことは関係ないけどな」

 少しだけ重くなった空気を壊したのは意外にもスピッシュの一言だった。

「パンヌは防衛部隊の仲間でクライドさんが認めた魔法使いだ、血筋だの、追い立ちだので偏見や差別は生じない、ペピーも然りだ」

「え……?」

 ペピーは目線を上げ、スピッシュを見た。

「ペピーは魔愚で動いているし、シル・マッカザージルの仲間かも知れない、あいつの言葉を借りるなら裏切り者なのかも知れない、ただ、今ここにいて、僕らと共に業務を熟しているこの事実は仲間以外の言葉は似合わないだろう」

「あぁ、スピッシュの言う通りだ」

「クライドさん……!」

「疑いの目を掛けてしまってすまなかったな、まずは、謝罪しよう」

「いえ、そんな僕は……」

「そして、もう一つ、今から、我々はシル・マッカザージルと戦う」

「…………」

「ペピーの気持ちも承知の上だ、勿論、パンヌにも参加してもらう」

「お言葉ですが、クライド隊長」

 パンヌはクライドとペピーの会話に割って入った。

「なんだ、パンヌ?」

「いまのペピーにはマッカザージルと戦わせるのはあまりにも酷ではないでしょうか?」

「ほう? それではどうするのだ? パンヌとペピー抜きで戦えと?」

「いえ、そんなことは言っておりません、ただ、ペピーには一切手出させないと言っているのです」

「お前は、シル・マッカザージルに片手て戦うと?」

「はい……!」

 クライドは大きな身体でパンヌな前に立っている。

 二人の身長差はまるで、蟻と像。

 クライドはパンヌに手を伸ばす。そして、大きな手の平で、頭をそっと撫でた。

「よく言った、それでこそ、グレンドゴランゴ島直属新防衛隊の一等魔法使いだ!」

「クライド隊長…………!」

「今、パンヌが感じているその思い、絶対忘れるな」

 パンヌはペピーをでこに当て、敬礼した。

「はい!!」

「これで取り敢えず、一見落着だね!」

 キャロルはパンヌに抱き着いた。


「ハッピーエンドですねー、うんうん! 感動して泣いちゃった☆」


 その声に皆が振り返る。

「シル・マッカザージル、いつの間に……?」

「はろはろー☆」

 シルは不敵な笑みで手を振っている。

「ねぇ、ペピー? 君は僕のパペット人形だよ? なのに、どうしたのかな?」

 キャロルはゆっくり振り返りペピーを見つめる。

 震えている。パンヌはペピーを守るようにもう一つの手でぎゅっと抱きしめているがそれでもわかる、伝わってくる。

「ペピー、仲間を裏切って、次は僕を裏切るのかい?」

「ごめん……なさ……」

「謝罪はいらないよ? 応えて? 僕を裏切るのかい?」


 ペピーの動力は魔愚「ヘル・セカンド」。それを創りだしたのは、紛れもなくシル・マッカザージルその人だ。

 そのことはペピーから直接聞いていた、ここにいる全員が理解している。


 だから、この結末も予測出来たはずだった。

「僕はそれでも、パンヌと一緒にいた――

「さようなら」


 シルのその言葉を最後に、パンヌの手にからペピーの存在は消えて、無くなった――。

※次回

シル・マッカザージルVSシル・パンヌス・テッカジーゼルの巻

(あ、あれ? これ書いたの二回目のような……?)



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