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キャロルとクライドとレオルとメジザ島 part9

「うぅ~まぁ! こんな美味しい料理初めて!」

 キャロルは目の前に並べられた数々の御馳走に目を輝かせ、かぶりついている。

「そうか、我らの王様に伝えておこう!」

 クライドもキャロルに負けじと肉メインに口の中に次々、放り込む。

 その姿にスピッシュとアルは少しげんなり。パンヌに至っては全く食べない。ペピーも気まずいのかあまり食欲が進まないようだ。

「なんだ? みんな食べないのか?」

「いや……?」

 クライドの発言に不服そうではあるスピッシュだが、口を堅く縛った。

 

 シル・マッカザージルからの挑戦。三時間以内にこの船から、裏切りもを探し出すというミッションだ。

 船の中に多数の乗客がいるが、クライドはここにいる、スピッシュ、アル、キャロル、パンヌ、ペピー、レオルの中に『裏切り者』がいると推測している。

 何故なら、楽しくないからだ。

 シルが一番気に食わないことは『退屈』だ。それを察するに、この船の従業員にこっそり『裏切り者』を仕込むなんてことはしない。

 シルが言った、「この中」という範囲はおおよそ、ここに座って食事を共にしている、仲間たちだ。

 そう考えるのが妥当だし、もしそうじゃない場合で、船内を探すにしても、仲間の絆は間違いないなく強くなる。


「それで、クライドさん、さっきの話なんだけど……?」

 切り出したのはペピーだった。

「あぁ、キャロルとパンヌ、ペピーは全貌は分かっていないと思う、単純にこの中に、シルの味方が紛れ込んでいるらしい」

「え、それって……?」

「あぁ、今から、みんなに、申し訳ないないが疑いの目が向けられることになる」

 クライドは出来るだけしっかりとした、口調でそう言い放った。

「でも、クライドさん、仮にそうだとして、その、シルの味方である人をどう見つければいいの?」

 キャロルは素直な直感でそう言った。

「それはアルの特殊能力を利用する、彼女の一族では相手の真偽を確かめる力がある、だよな、アル?」


「はい! ですがこれには一つ弱点というか……?」

「なんだ??」

「絶対にないと神に誓いますが、もしも、私が裏切り者だった場合、皆さんも敗北は決定します、その覚悟で、私の能力―ダウト・ピッキングを利用しますか?」


 アルに取っても大きな賭けだ。

「勿論、それしか、方法がないのよね?」

 キャロルは直ぐにアルに駆け寄った。

「ありがとうございます・・!」

「何言ってんの! 当たり前じゃない! 私はクライドさんと同じで私たちの仲間にシルの味方がいるとは思えないもの、それを証明するためなら、なんだって協力するわよ!」

「私も同意見だな」

 次にスピッシュも名乗りを上げた。

「キャロルさんが信じるなら、僕も……」

 自信なさげに手を上げ、ひょこひょこと、アルに近付いたのはレオルだった。

「さぁ、パンヌとペピーはどうする?」


「…………」

 パンヌは黙って、アルの方に近付こうとする。

 すると手が軽くなったのを感じた。気になって見てみると、いつもあるはずのそれが無かった。

「ペピー……!!」

 食堂の豪華な絨毯の上に、ペピーが転がっていた。

 いつもずっと一緒だったはずのペピーが急に離れた理由。



「あーあー、盲点だってーの!!」


 起き上がった、ペピーの顔はいつもの愛想の良いものとは遠く離れた、悪魔のように歪んでいた――。

 


次回!

ペピーの正体とパンヌとの出会い

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