キャロルとクライドとレオルとメジザ島 part6
「スピッシュってそんな外見で決める人なの??」
キャロルはスピッシュを誠実な男だと感じた。
「そうなの、スピッシュは……」
バタンっ!
「ちょっと、パンヌ! キャロルさんの部屋で何をやってるんですか!」
有り得ないほどいいタイミングで部屋の扉を開ける、スピッシュ。
「えっとその……」
「パンヌ! さっきもですけど、態度悪いですよ?」
「それはいつものことで……」
「確かにそうですが、今回は許容範囲を超えています、もう少し、身分を弁えて話なさい!」
スピッシュの言葉に何も言い返せないパンヌ。見るに見兼ねたキャロルは間に割って入る。
「まぁまぁ、そんなに怒っても仕方ないでしょう、パンヌも悪気ないし、私も気にしてないわ?」
「え、まぁ、キャロルさんがそうおっしゃるなら……」
スピッシュは若干の不満を残しつつ、パンヌに対してこれ以上の発言を控えた。
「でも、パンヌが悪いですよ? 僕は止めたのに」
ペピーも言いたいことは沢山あるようだが、キャロルと目が合い、何も言わなくなった。
「で? スピッシュは何でここに来たの?」
「それは、僕がおっぱ……」
「おっぱ??」
意味不明な言葉にキャロルは首を傾げる。
「え、いや、もうすぐ、料理の時間なので! 準備して、船上レストラン―マルスクランまで来て下さい、場所はステータスに送った地図ですぐわかると思います!」
それだけ言い残すと、スピッシュは顔を真っ赤にしてダッシュでこの場を去った。
「ペピー、行こう……」
完全に気を落としたパンヌは両手を下げとぼとぼ歩いた。
「頭に血が上るから! パンヌ、手を上に!!」
そのポーズだと必然的に、ペピーは逆さまを向くことになる。
「私も風呂入っていくか、休むどころか、少し疲れちゃった……」
キャロルは手早く服を脱ぎ棄て、あまりにも広すぎる、風呂をゆったり堪能した。
一方、レストランでは、誰もが予想していなかった、訪問者が椅子に座っている。
「やぁ!」
椅子をガタンガタン揺らしながら、挨拶する彼はシル・マッカザージル。
「貴様、どうやって船に入った……?」
「え? 上からひゅーんって?」
クライドの問いに、平然と答えるが、この船は結界が張られているため、確認の取れる数名しか、この船に自由に入ることは出来ない。
「まぁ、そんなことよりさ? エオくんは?」
「ここにはいない!」
クライドは大きな大剣を構える。防衛部隊もそれを合図に各々、役割を担った配置と武器でシルを囲む。
「あ、ごめんね? 今日は戦うつもりないからさ?」
「じゃ、何しに来たんだ!」
スピッシュもクライドと同じく、一瞬の気の緩みもない。
「まぁまぁ、肩の力抜いてよ? 僕はメジザ島を目指す君たちとある、権利かけてゲームしたいんだ!」
「権利……?」
「そそ! その権利はね――」
シルの言葉いつだって、突飛で、誰かを驚かす。
そうでないと、捨てられる。
シルは本能で分かっている。
自分で自分を演じていることに。




