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キャロルとクライドとレオルとメジザ島 part4

 キャロルが扉を開けると、四人の男女が座っていた。

 屈強な防具に身を包む若い男性がこちらに近づいてくる。

「あなたが、キャロルさんですね、お初目に掛かります、今回の護衛部隊を指揮する、スピリッツ・マルシュです、皆からスピッシュと呼ばれています、以後、お見知りおきを」

 丁寧な言葉と優雅な動作には感動すら覚える。

「どうも、ご丁寧に!」

 キャロルは握手を求める。

「え、あ、は」

 しかし、スピッシュは急に照れ始めた。

「??」

 キャロルに触れようとしない。

「あー、ごめんね、キャロルさん、スピッシュは恥ずかしがりや末期なの、特に女の子とか、ね?」

 後ろに座っていた女の子がキャロルに謝罪した。あまりにも小さい女の子、この子ももしかして、防衛部隊の一人なのか。

「私はアルでーす! セイス島出身です! キャロルさんより年上だと思うけど、よろしくお願いしますね?」

「年上?!」

「はーい、恥ずかしながら、もう、三十路超えちゃって……」

 到底そうは思えない。

「はいはい、ばばぁの戯言はいいでしょ?」

「そんなこと行ったら駄目ですよ??」

 部屋の角でパペットと一人で喋っている少女がいる。それこそ、分かり易く若い。14~17歳から見える。

「え、あ、キャロルさん! あの子はペピーとパンヌで、この防衛部隊の中でも、一緒にいる時間が長いので、是非、仲良くしてください」

 どうにか、正気取り戻したスピッシュが丁寧な口調で紹介してくれた。

「ペピーとパンヌ……?」

「あの手にくっついてるのが、ペピーで、女がパンヌです」

 詳しく聞くと、パンヌは洞窟で育っていて、その時にペピーと出会ったらしい。詳しくは分からないらしいが、キャロルは本人に挨拶することに。

「今回護衛してくれるってことで、私がキャロルよ、よろしく!」

「よろしくお願いします! 僕はペピーです、パンヌと一緒に全力を尽くしますので、こちらこそ、よろしくです!」

 ペピーは本当に意思があるようだ。見た目は田んぼなどに生息する緑の両生類―ガゲルに似ているが、とても、丁寧な口調で一周廻って驚いた。

「ッチ! くそが……」

「え……?」

 パンヌはパンヌで見た目とのギャップが半端ではない。ゴスロリのような服に意味不明な髪飾り。少なからず、ソラーノ島には絶対いないタイプの人だ。

 そして、そのいたいけな少女が有り得ないほどの態度の悪い舌打ちをし、ガンを飛ばす。

「こら! パンヌ! そんな態度ではだめだよ! 折角の仕事なんだ! ちゃんと熟そうよ!!」

 ペピーはパンヌを叱責した。

「うるさい、ごみ……」

「僕をどう言おうといいよ! でも、キャロルさんにはそんな態度を取ってはだめでしょう! これか社会にでて……」

「もういいかえる」

 パンヌは部屋からでる。ペピーはその間もパンヌを止めようとしていたが、完全に無視して進んでいく。

「なんだったんだの、あの子……?」

「すまないな、キャロル、あいつはそう言うやつなんだ、会議が終りだい、食事会をして三時過ぎには上陸する予定だ、良ければその時に、少しだけ声を掛けてやってくれ」

「はい・・」

 クライドはキャロルに謝罪とお願いをした。

 キャロルと護衛部隊との挨拶は怒涛の間に終わった。


「それでは会議を始める! みんな席についてくれ!」

 クライドの掛け声で、作戦会議が始まった。

 それぞれの役割をはっきりさせ、キャロルもその作戦なら、もしかしたら、シル・マッカザージルを倒せるんじゃないかと思ってしまうが。

「シル・マッカザージルはこのぐらいじゃ、ビクともしないはずだ」とクライドに釘を打たれた。

 この島にきっとピースや他の妖精もいる可能性が高い、実際、キャロルは助けようと考えている。しかし、ここまで、クライドに言われると、この話を切り出せない。

 これから、上陸する「メジザ島」には何があるかはわからないし、不安要素は尽きないから、確認だけでも十分だろう。

 

 この時のキャロルは平然とそんなことを思っていた。

 この島で起こっていることを何も知らないのに――。

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