キャロルとクライドとレオルとメジザ島 part3
「これは流石に、やりすぎじゃない……?」
ハロニー漁港の最も近い浜辺にグレンドゴランゴ島調査隊専属船が海上に堂々と佇んでいるのだが、豪華すぎる。
そこら辺の豪華客船なんかより、よっぽど大きい。
「まぁ、今回はエオの頼みだから、このぐらい造作もない、というのも本人に直接言うか迷っているんだが……?」
クライドの表情が冴えない。
「どうしたの?」
「マンドラゴンの実でO-B117患者はほぼ回復しているんだが、その結果、有り得ないほどの利益が生まれてしまってな……?」
「…………そんなに?」
「エオがしたことはそれほど凄い功績なんだ、ざっと言うならこの船は余裕で千隻は購入できるほどだ」
「そんなに!?」
計算が追いつかないキャロル、目が回ってくらくらしている。
「マンドラゴンの実は、エオから承諾を得て、自由に使ったんだが、エオの言う通り本当金になってしまった……」
「まぁ、いいじゃないです? そのお金もいま、こうやって、エオの為に費やしているんだから」
「キャロルがそう言うなら……」
「クライドさん! キャロルさん! 準備出来ました!」
レオルに呼ばれ、二人は船に上船した。
案の定、船の中は有り得ないほど、煌びやか。
「ここまで本当にする意味あったの?」
「いや、王様も張り切っていて、正直、やりすぎたとおっしゃっていたほどだ、しかし、タイミングとしては本当に良かったんだ、この船は先日出来たばっかりで……」
「まぁ、戦闘には向いてなさそうだけど……?」
「それは……、そうだな…………」
キャロルとクライドは無駄に長い廊下を淡々と歩いて、一番奥のだだっ広い部屋に辿り着いた。
「シル・マッカザージルと、もし戦闘になった場合、出来るだけ、犠牲がないよう、逃げることをベースに組んだチームににした、この部屋にいる、四人と私で行動する、いいか?」
「そこまでしなくても……」
「いや、これでも抑えた結果だ、シル・マッカザージルについて魔法使いから情報を集めていたが、信憑性が高いものですら、耳を疑いたくなるほどの話ばかりで正直、気が滅入った、そこら辺の話もチームで話し合い、作戦を練っていくぞ」
「りょーかい」
キャロルは扉を開く。
この船が、メジザ島に着くまで、30分。
この短時間でどこまで密度の濃い会議になるかは間違なく、キャロル次第であろう―。
「あっは! もうすぐ来るんだね! 最初のお客さんだ!!」
シルはじゅるり、と舌なめずりをしながら、椅子に座った。
そして、モニターに映る船をペロリと一舐めし、こう言った。
「ぼくのおもちゃ、みーつけた★」




