キャロルとクライドとレオルとメジザ島 part2
「よし……!」
キャロルはお気に入りのスニーカーの靴紐を結び、気合を入れ直した。
今日は隣の島「メジザ島」に調査をしに行く日である。シル・マッカザージルが買い取ったであろうメジザ島は、元々、キャロルの経営している雑貨屋ヒマワリの二号店を建てる予定だった。
そのことが功を奏して、シルから送ってきた立体映像メッセージに移り込んだ、チラシを見て、この島を買い取ったのはマジック・シェア社、つまり、シル・マッカザージルであると確信した。
キャロルは立ち上がり、部屋の扉を開ける。
すると、目の前に二人の男性がいた。
「キャロル、準備できたか?」
この体の大きな男が、今回の調査を指揮する、グレンドラゴン島調査隊リーダー、クライド。
「お、おはようございます!!」
このひ弱そうな好青年がレオル。調査隊の中ではまだまだ、下っ端ではあるが、行動が素早かったり、柔軟な発想をしたりと、案外、見込のある男だ。
「二人とも、おはようございます! あれ? レオル、ちゃんと寝た??」
キャロルはレオルに顔を近づける。
「あ、へ、はひっ!!」
キャロルの急な行動にレオルは驚きが隠せない。きょどり過ぎて、少し、気持ち悪い。
クライドはやれやれ、っと言って、キャロルを見たが、意味を分かっていないようだ。
レオルはキャロルに恋をしている。
キャロルの堂々とした態度と挫けない心、自分にないものに惹かれると良く言ったもので、ひ弱なレオルはキャロルを好きになったのだ。
クライドとして、部下の恋心を邪魔するのは、余りにも気が進まない。かと言って、仕事に支障が出るレベルになる前に、他の話にシフトさせるか、レオルの暴走そのものを止めたりしなくては話にならない。
「レオル!」
「はぁ! え、っと、何ですか!」
「船でに船員たち集合をかけておいてくれないか?」
「はい! い、行って参ります!」
レオルは敬礼し、ハロニー漁港の隣接している浜辺向かった。
「キャロル、レオルにあまり刺激を与えないでくれ?」
「刺激って??」
やっぱり、キャロルは分かっていない。
「いや、何でもない」
理解していない人に、説明するほどのことではない。
「そっか、まぁ、取り合えず、集合かけるのなら、私たちも行きましょう!」
キャロルは一刻も早く、ピースを助け、エオを安心させるためには、一分、一秒すらも、惜しい。
「あ、キャロル!」
「なに?」
「これだけは持っておいてくれ!」
小さな赤い虫がキャロルの手のひらに飛んでいく。
「これは?」
「超小型発信機、シウム10だ」
「これって? 魔愚?」
「いや、メカリル族っていう、超ハイテク技術力を持った者たちが作ったらしい」
「へぇー、凄いですね!」
「これで、皆の位置はステータスで確認できるから、確認を怠らないようにしてくれ!」
キャロルはウインクしながら、敬礼した。
その姿があまりに可愛いので、レオルの気持ちが少しだけ分かったクライドであった――。




