グレイとホルセとメカリル族 ~LAST~
※ 二人のストーリーはここまでです。
「な、なんでこんなことに…………!?」
やっとの思いでホテルに戻って来たグレイ。魔力変化増幅装置―ゲルリカをメルカリ族の村長から託され帰って来たのだが、その正体は、真っ黒な猫だった。
脱走し、勝手に店に入り込むは、パンを盗むはで、てんやわんやだっただが、今はあの時が恋しくなるほど、心に穴が開いている。
ついでに、ホルセが泊まっていた、ホテルの壁にも穴が開いている。
「おぉ、やっと帰って来たか? 心配したぞ?」
「…………」
「疲れただろう? しかし、もう時間がない! 早く船乗に向かうぞ?」
「おい、ホルセ……?」
「ん? 心配しなくても、私はゆっくり休んでいたからな?」
「ちーーがーーうーー!!!」
グレイの声は空を突き抜け、大地を破壊し、海をちょっぴりしょっぱくした、ぐらいの声量だった。
あまりの五月蠅さにホルセは両耳を抑えた。
「グレイ! ここはホテルだぞ? そんなに大きな声をだすな!」
「ホルセ!! ここはホテルだぞ? 壁に穴を空けていい場所ではないだろ!!」
「これは、不可抗力だ」
「不可抗力だと?! 意味知って使ってるのか??」
「・・だって」
「だってじゃないよ、ホルセ! あの力はピンチの時にしか、使わないって、お父さんとの約束忘れたのか?」
「ピンチだったんだよ!! シル・マッカザージルが先に仕掛けてきたんだ!」
「嘘をつくな!!」
喧嘩していると、階段をホテルマンが上がってくる音がする。
「やばい!! どうすれば…………?」
グレイの額には汗が滲み出ており、非常に焦っている証拠だ。
「そんな焦る必要はないだろう?」
「ホルセ! 何言ってるんだ!! こんな壁一面の修理費、払える訳がないだろう?」
「だから……!」
ホルセが事情を説明しようとしたとき、ホテルマンがコンコンっとノックをして入ってきた。
「グレイ様、ホルセ様」
「すみません、すみません!! 壁はどうにか修理致しますので……?」
グレイは深く頭を下げている。
「え! あのグレイ様頭を上げて下さい! こちらの壁は修理させて頂きます!」
「え……?」
「あのな、グレイ! これを見ろ!」
ホルセは一枚の紙をグレイに渡した。
それはホルセがシルとの戦闘で貰った、メールアドレスが書かれたものだ。
「これって……?」
「説明するから、早く、船に乗るぞ! 時間がない!」
「わ、わかった……!」
グレイとホルセは船乗へと急いだ。
ギリギリセーフで搭乗出来た二人。ホルセは今日あったことを事細かに説明した。
「そうだったのか、本当にすまないことをした」
「いや、私こと、説明不足だったな、それでグレイ? その猫は?」
グレイい手には気持ち良さそうに潮風に当たる黒猫。
「あーこれ、ごにょごにょってわけで……」
「これがゲルリカ?!」
「あぁ」
「思ったものと違うな……?」
「俺もそう思っていたがな、今はこいつで良かったと思っている」
グレイは黒猫を優しく撫でた。
「それで、その質問は何にしたんだ?」
質問とは、シルとのゲームに勝利した際、貰った権利だ。
「あーそれがだな、もう使ってしまったんだ……」
「なんて質問したんだ??」
「いや、質問しようと思ったんだけど、まぁ、それはチャラにして……?」
「なんでだ?」
「敵に塩送られてもイラつくだろう! だから、壁の修理代と文句だけ言っておいたぞ」
「そうか」
内心、グレイは一安心。
「それで、ホルセはシルと実際、やり合ってどう思った?」
「あいつは有り得ないぐらいに強い、次元が違うな」
「そうか」
二人はそれ以上何も語らなかった。
お互いに秘密があることは何となく分かる。
でも、核心はつかない。
でも、グレイは決めてたんだ。
この旅で絶対言おうと。
「あー、まぁ、そうだ、ホルセ」
「お、おう、なんだ?」
「ピース救って、エオが元気になったらさ?」
「なったら?」
「俺と、結婚してくれないか?」
「え?!?!」
今日の夕日は有り得ないほどに赤く燃えている。
ような気がする――?
※中途半端ですが、ここまでで次の展開に移ります!
【キャロルとクライドとレオルとメジザ島 part1】
でお会いしましょう!!
それでは!!




