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グレイとホルセとメカリル族 part4

すみません! 不備があったので手直ししました。

「孫って、でも、村長は魔法使いじゃないでしょう?」

「勿論、魔法は全く使えない、ただ、わしの一人娘はメカリル族に珍しく、コミュニケーション能力に長けていてのー、それで、商人やら獣魔族やら、色んな種族との契約を結んでいく中で、一人の魔法使いと出会ったんじゃ」

「それって……?」

「シル・マッカザージルの父、シル・メッキガーデンじゃ」


 こんな偶然、あり得るのか。気まずいことを頼んでしまった。

「まぁまぁ、あんまり考え込むな、グレイ、本来の目的はピースとやらを助けることじゃ、その成果を得るために、仮にシルが死んだとて、わしは、なんとも思わん」

 村長ははっはっはっはと景気の良い笑いで気を遣ってくれるが、大切な親族だ。例え、どんな罪を犯そうと、どんな脅威な存在でも。

 グレイが気の利いた言葉を言おうとしたときだった。

 大きな扉の前で村長は止まった。

「ここからはわしら一族の技術力を全て詰め込んだ、最高傑作だ、魔法の力だけではなく様々な力を魔法、いや、それ以上に変換出来る装置……!」

 扉が空気の抜ける音を奏で、白い水蒸気が宙を舞う。

「魔力変化増幅装置―ゲルリカじゃ」


 グレイが目にしたもの想像していたものとは、少し違っていた―。


「はぁー、よく寝た…………」

 ホルセが眠たい目を擦り、窓際に置いた眼鏡を手に取る。

「ん……?」

 ぼやける視界で、何か、人影を感じた。

「やぁ! おはよう! よく寝れたかい??」

 不敵な笑みとの銀髪の少年がベッドの上でホルセの目覚めを待っていた。ホルセは立体映像でしか見たことがなかったので、初対面であるが、そんな場合じゃない。

 ホルセの身体は一瞬で活性化し、間合いを取る。

「シル・マッカザージル……! 何故ここに!」

 シルは大きな赤い目でホルセを捉える。

「何故って、それはこちらのセリフだよー! このホテルの経営者、僕なんだけど!」

「なに?!」


 ホルセは近くにあったパンフレットを手に取る。そこには「マジック・シェア」という文字あった。

「本当だ………」

「いやいや、嘘なんてついてないよー! ここは本当に僕の会社が建てたホテルなの!」

 シルはケタケタ笑いながら、ホルセに近寄っていく。

「いやさ? 別に君に危害を加えるつもりは一ミリもないんだけど、そうだね、折角だから、ゲームしようよ?」

「ゲーム?」

 意外な言葉にホルセは気が抜けそうになるがどうにか、集中し直す。

「そんなに身構えないで! 危害は加えない、少なくとも今はね」

「信じられるか!!」

「うーん、疲れないかなって思って、気遣いだったんだけどなー! まぁ、いいや、じゃ、ゲームのルール説明! 僕の質問に答えてもらいます! そして嘘偽りのない正直な気持ちで答えれば、貴方の勝ち! 優勝賞品は僕に一つ質問できる権利! 僕も嘘偽りなく、なんでも答えるよ! あ、あとね、このゲームについて二つまで質問出来るから、考えてみて?」

 このゲームはホルセに取って、悪くない。二つの質問、これによってはこのゲームに対しての意識が変わる。

「一つ目の質問は誰がこのゲームを判断するのか、二つ目は嘘ついた時の代償は?」

「おぉー、いい質問だね! 判断はこの○×クイズ魔愚-シンジツが判断します! 勿論、不正はないよ? 面白くなくなるからね!」

 「シンジツ」と呼ばれた魔愚はドッキリ箱のように、ばねがついた箱で、その先にはピエロの人形が不気味に揺れている。しかし、これについてホルセにとってなんら問題はない。このゲームに置いて絶対の不正は有り得ないという確証があるだけで十分だ。

「二つ目の質問は、このシンジツの効力で敗北者の大切な人が不幸になります!」

 不幸になる。その言葉はホルセが今、一番聞きたくない言葉の一つ。

「その、不幸って…………?」

「まぁ、その判断も全部シンジツが行うから! それじゃ、二つの質問終了! ゲームする? しない?」


 この時点で、実はこのゲーム、ホルセが物凄く不利だ。

 最大のミスは二つの質問を同時にしたことだ。

 一つ目の質問で一旦、慎重になるべきだった。


「シンジツ」という魔愚が判断すると言ったが、実際、○×、つまり、正か負で判断する。

 

 例えば、崖から落ちる、大切な人が一人と、四人の顔も知らない人がいます。片方しか救えません。ホルセがどちらを助けますか?

 この質問には解はない。どちらか一方を助ければ、少なくとも一人の知り合いを失う。このような解のないものに、正しいのはどっち、と聞かれたら、正直、困る。

 質問の答えが十人十色で様々な解が存在する場合、正しいと間違いの明確の基準がないのだ。だからこそ、シンジツという魔愚がどう捉えるのかで大きく変化する。

 しかし、今のホルセには逃げるという選択肢は端から無い。もし、勝負を受けなかったら、確実に争いになる。

 そうしたら、ホルセの命はないに等しい。一対一で勝てる相手ではない。

ホルセはこの勝負を受けるのか。

 答えは簡単だ。

「その勝負――」


 シルの口元が微かに緩んだように、感じた―。


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