グレイとホルセとメカリル族 part1
※今回はグレイとホルセの話です!
「グレイ、その島は何処にあるんだ?」
ホルセは魔愚に対抗できる可能性を秘めた道具を開発しているという『メカリル』族の村長に会うべく、最低限の荷物だけで船に乗り込んだ。
デッキに寄っかかり、日差しに照り付けられながら、今後について話していた。
「この船で一日半掛かるんだけど、その間の休憩停車場所で少し、情報集めるから、見積もって二日かな?」
「二日か、思ったよりはかからないな、取り敢えず六日間立つ前に帰れれば、私はそれでいい」
ホルセはエオの精神状態を支える人がいなくなることに気付いた。ホルセは医者だ。ソラーノ島に残るべきだったと少しだけ、考えていた。
「ホルセは考えるとき、いつも、顎に手を当てるよな」
「ん? そうか? 気付かなかったよ、癖なんだろうか?」
グレイはホルセの表情をじっと見て、ふふっと笑った。
「なんだ? グレイ、その馬鹿にした笑いは?」
「今、島に医者がいなくなるのが少し不安だって考えてたでしょう?」
「え?!」
図星をつかれたホルセは、驚きで開いた口が塞がらない。
「まぁ、何となく分かるんだよ、俺は鈍感だし、あんまり女心も分からないけど、ホルセの気持ちなら分かる」
「まぁ、ずっと離れていても、幼馴染だしな、私だってリリカとほとんど会ってないが、あいつの話せば案外、心が通じ合うもんさ」
リリカはホルセと同じようにソラーノ島で育った、幼馴染だ。
「まぁ、それだけが理由じゃない」
「というと??」
グレイは二ヤっと笑って、くしゃくしゃの笑顔で言った。
「内緒だ」
ホルセは気になった。
長い付き合だが、あんな無理矢理に笑うグレイをホルセは見たことなかった。
~二日後~
「やっと着いたな…………」
船旅は予想以上に疲れる。
それに、不安要素が加われば尚のことで、ホルセの体力は残っていない。
「ここだよ、メカリル族が住んでる島【アマギルグ島】は!!」
この島は古風な島で自然との調和している。
だが、森林は全くなく砂漠で囲まれた地域はヘル・カオスと呼ばれ、誰も好んで近づかない。
そんな、場所に好き好んで住んでいる人は、アマギルグ島の中でも一つの民族しかいない。
それがメカリル族だ。
漁港につくなり、事前に予約していた、素泊まりのホテルに、途中で寄った島で買った、魔法使い
との戦闘で使えそうな道具などを置いて、出発の準備を始めた。
「やっぱり、グレイの体力は凄いのだな……?」
完全に疲れ切っているホルセは、ソファに座ったばっかりに立ち上がることすら、億劫になっている。
「ホテルで休んでいても良いぞ?」
グレイの提案にホルセは首を横に振った。
「エオもピースも島のみんなも頑張ってるんだ、私だけ休むなんてこと出来ないよ……!」
と、言葉では言うものの、どうしても体が動かない。
「無理をするな、ホルセ、もし、ここで無理して風邪でもひいたらそれこそ、エオがなんて思うか、わかるな?」
ホルセは小さく頷くとものの数十秒で眠りについた。すやすや眠るホルセの顔はまるで赤ちゃんのように可愛いくグレイは胸の高鳴りを感じた。
いつまでも見ていたが、そうはいかない。片付けを手際良く済ませ、出発の準備を整えた。
「それじゃ、ホルセ、行ってきます…………」
グレイはホルセにそう、小さく囁いた――。




