みんなと味方
朝、目が覚めてから、身体はだるさを増していく。
精神的なストレスは徐々に正常な体にまで影響を及ぼす。
今日、エオの一日はそんな感じで終わっていく。
そう思っていた。
「おはよー! エオー!」
「おはようなのだ!!」
この世界に来て、一人の時間はあまり取れていない。毎日が何かのイベントに巻き込まれたり、自ら首を突っ込んだり。
そして、今日は早朝から、メウとビスが家に来ていた。キャロルとホルセ、他にも島のみんなから、チャットでメッセージが届いている。
きっと、シル・マッカザージルの件で励ましてくれているのだろう。分かった上でエオは全く見る気になれないでいた。
「エオー? 元気ないのだ?」
ビスが無邪気にくっついてくる。いつもなら、可愛すぎて、どうにかなってしまうのだが、イマは、無理だ。
「そんなことないよ、大丈夫、それより、配達のバイトは??」
「今日はお休みなの!」
メウが大きく手を上げ、嬉しそうに笑った。エオは覇気のない右手で頭を撫でる。
「そうか…………」
メウとビスの心配そうな表情。エオだってわかっている。でも、どうしても、ピースのことが頭から離れない。
ボロボロになって、カプセル状の中に閉じ込められているピース。
あの映像が脳みそに媚びりついて離れない。
どうしても、取れない。
「エオ!」
メウの言葉にハッと我に返る。
「さっきからずっと呼んでいたのに!」
メウはほっぺたを膨らませ、こちらを睨んでいる。
「ごめん、ごめん、それでなに?」
「今から、一緒に行ってほしいところがあるのだ!」
ビスはエオ引っ張って玄関を開いた。
いつもの見慣れた、牧場。
元気に育った、植物たちとどこまで広がる草原。
でも、違った。
みんなが居た。
今まで出会った人たちが。
家の前に集まっている。
「これは…………?」
状況を上手く呑み込めていない、エオの前にいつもの二人が、何やら布のようなものを持って一歩前に出た。
そして、お互い対角線の端を右左に持ち、逆方向に走った。
その布大きな弾幕に変わる。
『ピースを救うのはエオしかいない』
そう書かれていた。
「エオー! いつまで落ち込んでんのよ! そんなことじゃ、ピース助けたって、笑顔で迎えられないでしょ?」
キャロルだ。
「全くだ、もう一週間ないんだぞ! シルだがシロだか知らんが、あいつをぶっ飛ばしにいくんだろ?」
ホルセも。
「ったく、忙しいが、手伝いに来たんだ! 絶対成功させようじゃないか!」
グレイさん
「俺が認めたライバルがこんな場所でくたばってどうするんだよ!!」
「エオさん、あの時のようにピースちゃんを救って!!!」
アキラ……。セシア……。
「あんたの才能はみんな認めてるわよ! ちゃちゃとやっつけてしまって!」
「エオ、信じてるぞ・・!」
エレスさん、ハーブさん
「俺たちも全力でサポートする! マンドラゴンの実をくれたお礼だ!」
「非力ながら自分も!」
クライドさんにレオルさん
他にもソラーノ島のみんな、他の島の人達。
今まで関わってきた人たち全員がそこにいた。
「私たちもお手伝いするの」
「するのだー!」
両端にいる、メウとビスがエオを見上げた。
「みんなありがとう……!!」
エオは胸の中にあった、ずっと溜め込んでいたものが、溢れ来た。
「ここに集まって下さった皆さん!!!
お願いします!! 僕に力を貸してください!!!!」
キャロルとホルセが弾幕をひっくり返す。
そこにはこう、書かれてあった。
「ここにいる全員が、エオの味方だ!!」 と。
次回 作戦会議の巻!




