表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/130

時間と記憶

久し振りに再開します!

「ここは日本……?」


 騒音とすれ違うヒトの汗や香水の匂いで鼻が曲がる。

 エオは思い出したように、ポケットの中に手を突っ込む。

「……あった!」

 

 探していたのはスマホだ。今日は何日で、自分は何をしているのだろうか。

「あ、そうだ、入学式……!」


 エルゼの爺さんと出会ったのもここだった。

 その時から、この世界は時間が止まっていたのだろうか。謎は深まるばかりだが、そもそも、あっちの世界は存在していたのか。



 存在しているに決まっている。みんなとの記憶。

 キャロルやホルセ、メウやビス。

 そしてピース。


 楽しかった思い出が嘘と思えない。

 

 あの場所とヴァンパイアだったメリー。メリーは元々、妖精だった……。

 

 本当にそうだろうか。

 メリーが仮に妖精だったしたら、何故、特別に生かしたのだろうか。

「もしかすると……」


 エオは一つに仮説を立てる。

 メリーはヴァンパイアでも妖精でもない。

 そしてピースのあの言葉は間違いないのであれば。


「元の世界には帰れません……」


 その言葉とこの現状。


 この矛盾を解く答えはただ一つ。

 エオは大きく息を吸い込み、メリーに届くように叫んだ。


「聞こえるかメリー! こんなことで俺は負けない! これからどんなことが起ころうと困難が待ち受けていても!」


 そして、もう一度大きく息を吸い込み、人生最大級に吐き出した。

「この世界にもう未練は一ミリたりとも残ってないんだよ!!」



 エオに視界に移る景色が霧に変わる。


 視界が開けたとき、そこは自分の部屋だった。

「ねぇ……」

 エオは後ろに振り返る。

 そこにはメリーが椅子に座って少し、陰のある表情をしている。

「あなたはこの世界が好き??」

「あぁ、ピースがいるからね!」


「そっか……」


 メリーは椅子から降りる。

「ごめんね…………?」

「こちらこそ、ごめん、キャロル」


 先ほどもまでメリーというヴァンパイアだった者が、見慣れた少女――キャロルになっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ