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舎弟とモー

ブレンド牧場にて。

「ひ、久し振りだね……」

「おう……」


 エオは掲示板に書かれていた依頼では、ブランド牧場での作業と書かれており、依頼主は『アキラ』と書かれていた。

 アキラは誰だろうと内心ピンときていなかったが、まさか、セシアを賭け、男の死闘を繰り広げた、小学生だったとは思いもよらなかった。


 あんまり仲良くなかったクラスの同級生にあったかのような空気が流れるこの状況を打破するために、エオが今回の依頼について確認を取る。


「アキラくんの依頼ってなにかな?」

「お前に頼るのは癪だが、牛のモーが驚くほどに、懐かない。ミルクも出さないし」


 アキラが嫌み混じりにエオに内容を話出した。

「だから、エオ。どうにかしてモーと仲良くなってくれ、欲を言えばミルクも出してくれ」

 

 というのが依頼であり、クリアするミッションだ。

 しかし、エオは自信がない。

「アキラくん、ごめんけど、僕一回も家畜育てたことがないんだけど……」

「大丈夫だ! エオは俺の舎弟だから、出来ないことはない!」

「舎弟って……」

 アキラの舎弟になった記憶はないが、案外、嫌われていないように感じて、少しだけほっとした。


「取り敢えず、牛舎にいくぞ、エオ」

「う、うん」

 一六歳が小学生に手を引っ張られながら、牛舎に向かった。


 ブレンド牧場の牛舎にて。

「セシア! エオを連れてきたぞ7」

「おかえり、アキラくん、あ、エオさんも、お、お久しぶりです・・」

「あー、セシアちゃん! お久しぶりー」

 相変わらず、可愛らしい女の子だ。触ったら壊れるんじゃないかと思うほどの儚さと可憐さを持ち合わせている。


「エオ、セシアには絶対手を出すなよ??」

「手をって、出さないよ」

「信用できないね! メウとビスが言ってたぜ?」

「え? 二人のこと知ってるの?」

「あー、なんかケーキの材料を買いに来た時に少しだけ喋ったんだよ。その時に行ってたぜ? エオは私たちの未来の旦那様とか」


 メウとビスはエオのことが好きだ。結婚したいとまで言っていた。

 しかし、御年一〇歳の女の子と婚約するほど、エオは鬼畜な大人ではない。

 だから、二人には婚約できないことを納得してもらった。

「そうなのか~?」

 それに、周りにそのことを話すということは、嘘や冗談ではないことの裏返し。そもそも、あの二人に裏表があるとは思わないが、エオは心が少しだけ温かくなった。

「そうそう。そしてこうとも言ってた、エオはロリコンだから私たちに○子を……」

「まてまてまて!! それは語弊だ! セシアもそんなに距離置かないで?!」

 

 心の熱が急に冷めて顔面が真っ青になった。


「だから、ロリコン変態なエオはセシアに近づくことを禁じる!」

「アキラくん、それは酷くない?!」

 散々な言われようにエオのメンタルはズタボロ。

 セシアを見るとヒッ、と声を出し、物陰に隠れたので、更に、エオは傷ついた。


「まぁ、この話はさておき、エオ。本題のモーはこいつだ」


 牛舎の隅でモシャモシャと牧草を食べる巨体の牛。

 太々しい姿だが、何とも、癒される。

「俺はちょっと忘れも、取ってくるから、少し待っててくれ」

 アキラは牛舎の裏の倉庫に何かを取りにいった。

「君がモーちゃんか……」


『モーちゃんってやめいや? 何歳やと思ってんねん?』


「え? だれ?」


 後ろを振り返るアキラの姿はなく、セシアは遠くの柱に隠れていた。


『お? わしの声が聞こえるんかいな?!』


 その声の主は―。


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