チラシと謝礼金
エオの一日が今日も始まった。
ホルセとキャロルの告白に対して、上手く返せなかったエオだが、キャロルの必死の思いで目が覚めた。
エオはピースが好きだ。
ピースは元々花嫁候補ではなかった。元村長マトソムの悪事によって、妖精族の生き残りであるピースが巻き込まれて、エオと一緒に生活を共にした。
楽しかった五日間をもう一度、取り戻すには、ソラーノ島の幸せを沢山集めることと、鍵を全て集めることが、必須条件。妖精族は幸せが満ちた場所でしか、長時間暮らせない。
「ステータスで確認っと」
《ステータス》で確認した【377】と【8】という数字。
これは島の人数と幸せの数だ。
より多くの人が幸せになってもらわないといけない。
そして、質問掲示板。
この島の悩みが届いている。
エオは何件か、無視してしまっているので、本日はそちらを片付けて終わり次第、リリカの鍵の謎を解くとしよう。
エオは準備を整え、家を出た。
「エオ、やっほー」
そこには。
「やっほーなのだ!」
二人の元気な少女。メウとビスがいた。
「おはよう、朝からどうしたの??」
エオはメウが何か、チラシを持っていることに気が付いた。
「それは?」
「これはね、今度、シュナリー料亭でイベントがあるからそれのチラシ」
「へぇー」
シュナリー料亭は確か、花嫁候補のマフィンが働いているところだ。鍵は一刻も早く見つけないといけない、最優先事項だ。
「でも、なんで、二人が?」
「私たちは今、配達の仕事をしているのだ!」
「え?」
「親の脛をかじってたら大人になれないから、自分たちで働こうと思って」
一〇歳の女の子の口から出るとは思えない、立派な発言に、親の脛かじった上に、我儘で都心の学校を選んだあの時の自分が情けなくなった。
「ビスも?」
「勿論なのだ! メウがやることは私も協力する、それに、私も大人になりたいのだ!」
「偉いな、二人とも」
エオは二人の頭を撫でる。
「ふにゃ~」「なのら~」
滅茶苦茶に可愛い二人を見ると癒される。
「はぁ! やめろ、エオ!」
メウが後方に避けた。
「ビス、早く次に行くぞ!」
「えー、もうすこし・・・・」
「いいから!」
二人は走って次の家に向かった。
エオは。
避けられたことがショックで、五分間、そこで立ちつくしていた。
ケレルン種屋にて。
「ありがとうね、エオ!」
エレスから来ていた依頼は簡単。
水やりだ。
「やっぱり、あんたのそのスキルで水を上げると作物が異常に喜ぶわ」
エレスは嬉しそうにエオの肩を叩いた。
「大したもんだよ! 今日のお礼は・・」
「いらないですよ」
謝礼金を出すつもりのエレスにエオは必死に止めた。
「じゃー、代わりにプロの種袋上げるよ! 育てるのはかなり難しいけど、需要もかなりあるから高額だし、味も勿論美味しいから、食べてよし、売ってよしの作物が実るよ、まぁ、マンドラゴンを育て上げたエオからすれば、どんな作物も楽勝よ!」
「ありがとうございます、じゃ、僕はこれで失礼します、又、何かあれば気軽にどうぞ」
エオは、次の目的地であるブレンド牧場に向かった―。
次回
エオの「家畜懐かれスキル」、活躍?の巻




