チンと子ども
「美味しかったー」
「美味しかったのだー!」
山盛りに作った料理も二人の天使の胃袋に一滴も残らず、消えた。
「それは良かったよ、でも、二人ともこんなに食べると思ってなかったから、畑にあんなに食べれる植物が生えてて良かったよ」
エオの畑には有り得ないほどの作物がすくすくと育っていく。
詳しくは分からないが、エオのスキル、作物量産スキルが働いてこうなっているらしい。
「でも、一回しか水やってないんだよな、なんか、こんなに美味しいもの育ってくれたから、明日も水やりしようかなー」
「エオ、私も手伝う」
「私もなのだー」
「おぉ、そうかそうか、ありがとう! じゃ、今日は解散にするか」
お腹も会話も十二分。今日は良い夢が見れそうだ。
「家まで送るよって、二人とも!」
椅子に座ったまま、すやすや眠る二人。
一日慣れない地ではしゃいだらそりゃどんな人でも疲れる。ましてや、一〇歳の女の子だ、時間的にも限界だろう。
「二人を担いでは、流石に無理だな……」
一日ぐらいなら、泊めてもいいか。
「二人とも起きて!」
「んにゅ……?」
目を擦りながら、メウが起きた。
「ビスも起きて!」
「ご飯……?」
「さっき食べたでしょ?」
ビスも何とか起きた。
「二人とも今日は二階で寝ていいから、ベッドまで行こう」
「ほんと……?ふぁ~」
メウは欠伸をしながら、二階まで上がった。一方、ビスは。
「まだまだ、ご飯、食べさせて?」
寝ぼけて二度寝モード。
「もうー、ほら、おんぶするから……」
「うー」
よっこらしょっと。
エオはこの言葉は年を取ると使う言葉だと思っていたため、自分の口からそれが出ると、歳を実感して悲しくなる。まだ、一六歳なのだが。
「やっぱり、まだまだ、小さいな」
案外軽い。
階段で踏み外さないように最善の注意払いながら二階に上がる。
ベッドには先に眠りについたメウがすぅーすぅーと寝息を立てている。
「ビス、ついたよ」
「だー……」
ビスをベッドに寝かせる。
姉妹で寝ている天使にエオはデレデレしている。
可愛い。可愛い過ぎる。
今日泊まれせて大正解だ。
この寝顔を見たら、疲れなんて吹っ飛ぶ。
「とはいっても、俺も寝ようかな……」
エオはリビングに雑魚寝した―。
「ん……?」
エオは何かの匂いで目が覚めた。
この匂いは知っている。
「ニンニク…………?」
目を開けると、メウとビスがいる。
「二人とももう、おきたぁあぐぅぅうおお」
エオはペースト状のにんにくらしきものを口の中に流し込まれた。
つい、飲み込んでしまった。
「げほっげほっ、おえー」
エオは涙目だ。
「二人とも何すんだよ!」
「…………」
「…………」
「ちょっと、二人とも無言はやめて?」
「欲しかったの……」
「欲しかったのだ……」
「何が?」
「精○……」「○子……」
分からない。そうだとして、この滅茶苦茶に臭いにんにくらしきものを飲ませる意図が分からない。
「あのな、メウ、ビス」
「なに?」「なんなのだ?」
「お母さんのことが心配なのは分かる。ただ、お母さんの病気は薬じゃなくて治るんだ」
「「え」」
「それに、メウとビスはまだ子供だ。急ぐ必要はないんだよ、本当に好きな人が見つかったときにその人との愛の形として子供を授かるものだよ」
「……」
「そ、うなのだ……?」
二人とも理解してくれただろうか。
ちょっと格好つけてしまったが、エオなり精一杯だった。
「それで、なんでこんなものを飲ませたんだ?」
「それ精力剤なんだ」
「一時間後には完全に効果が現れるのだ」
やっと分かった。エオに精力剤を飲ませ精子を採取しようとしたのか。でも、天使からそんな生々しい話聞きたくない。
「もう、いいから二人とも寝るんだよ」
「はい」「はいなのだ」
一時間後―。
「ふぐっふぐっ」
エオはチンがギンギンで全く寝れなかったことは言うまでもない―。
朝から失礼しました。




