メウとビスpart2
すれ違う人の目線が痛い。
「なぁ、二人とも、もう少し離れて歩いた方が……」
二人というのは、メウとビスのことだ。二人とも一〇歳の女の子。
二人とも、元気で、良い子なのだが、エオの言葉に聞く耳持たず。二人は腕に抱き着いてきた。
やばい。エオは可愛すぎる天使たちの温もりを感じ、ロリコンに目覚めるのも時間の問題だと察した。
「ここはエドワード商店街か?」
「そうだよ、メウは来たことないの?」
「メウもビスも来たことないのだ! 私たちはソラーノ島の端っこに住んでいたから、本島に来たのは今日が始めてなのだ」
「ソラーノ島の端っこって、カプチーノ地方か? ブレンド牧場とかある?」
「違うよ? もっと、端っこ!」
何処のことを言っているのだろうか。
「なんていうところなの?
「トリノコ島なのだ」「トリノコ島だよ」
二人はエオを見上げながら言った。
「そうか、ちょっと待ってね」
エオはグレイから貰った地図で確認してみた。
「ここって……」
ソラーノ島から離れた、小さな島があった。そこを拡大すると確かに、トリノコ島と記されていた。領域は一応ソラーノ島範囲内に入る。
「二人以外誰か住んでるの?」
「パパと」
「ママなのだ」
「なるほど、でも、わざわざ、本島に来たの?」
「トリノコ一族の決まり事なのだ、十歳を過ぎたら島を出なくてはならないの、そして、婿さんを見つけて島に帰らないといけないの」
「十歳で??」
「そうのだ、もし、婚約出来ないと一生帰れないのだ……」
二人は少しだけ、陰のある表情。十歳で婿探しなんて何とも厳しい文化だ。トリノコ島にはあまり行きたくないと直感で思った。
「まぁ、二人とも美人だから、婚約してくれる人すぐ見つかるんじゃないか?」
「本当に?」
「ほんとだ」
「マジなのだ?」
「まじだ」
二人は直ぐに元気を取り戻し、エオの腕を強く抱きしめた。
エオのこの言葉が今後の人生を大きく変える言葉とはこの時、エオは知らなかった―。
「買い物するならここだよな……?」
エドワード商店街の雑貨屋ヒマワリ。島の中で最も品揃えが良く価格もなかなか手ごろだ。
「あんまり、現金ないけど、 魚ぐらいなら買えるかな?」
ハロニー漁港に買いに行く案もあったが、今はかなりの忙しさだ。
また、時期をずらして行くほうが、賢い選択だろう。
「いらしゃいませって、エオじゃない?」
この感じ二回目だ。
「やぁ、キャロル……」
「え、エオ? その両脇の女の子は?」
「メウです」
「ビスなのだ」
二人は手を上げ、無邪気に挨拶した。
「良い挨拶ですね。とても素晴らしい」
この口調はエオの作戦だ。キャロルに誤解を生ませないように、わざと、保護者っぽい口調に切り替える。
「ありがとう! いっぱいご褒美頂戴」
「頂戴なのだ」
「何が欲しい? お菓子なら二〇〇Gまでですよ」
完璧だ。
キャロルもほっとした表情。ピースの一件から、キャロルから若干ロリコンと思われていた節があった。ついでにそれも払拭したい。
「ご褒美はエオの精○がいい」
「○子なのだ」
おっと、疲れが溜まっているのか。有り得ない言葉聞こえた。
「エオ……? ちょっと表出ろや?」
キャロルのボキボキと拳を鳴らしている。
「キャロル、聞き間違いだって? 僕も聞こえたけど」
「じゃ、聞き間違いじゃないわね?」
「え、ちょっと、二人とも欲しいもの何でもいいぞ? 金か? 権力か? 名声か?」
訳の分からないことを言ってしまっていると分かっている。しかし、このままだと、キャロルにぼこぼこのぎったぎたにされてしまう。
「いらないよ」
「私たちが欲しいのは―」
雑貨屋ヒマワリに戦いのゴングが鳴った――。
次回
メウとビスpart3
エオ、開き直ってロリコンになる?の巻




