メウとビスpart1
「これでよしっと……」
エオは市役所にいる。マトソム逮捕以降、全く機能していないが、情報やシステムはそのまま残っている。
エオは、市役所のコンピューターの前にいる。パソコンと類似しているが、文字配列やキー位置が微妙に異なっていて、文字を打つのすら困難だ。
「ふぁーあー、眠いー……」
エオは昨日の夜、あまり眠れなった。
マサルトクリニックでの衝撃の後、グレイとホルセのヲタクトークに華を咲かせていたら、朝が来てしまった。エオは元の世界で一応、ヲタクの部類に俗していた。地元では全く馴染めない中学生活を送り、小説やアニメばかりに没頭していた。
それに、もしかしたら、三日後、ホルセが参加するヲタフェスにエオも行くことになる。
この三日間でできることを探すことにした。
「沢山来ればいいな……」
ステータスで確認。『337』と『2』。その横のソラーノ島掲示板がある。ここは基本店の宣伝などで使われるが、エオは【何でも屋さん】として、この掲示板に投稿した。
理由はこの島の幸せを集め、妖精と。ピースと一緒に暮らすためだ。
「人が増えてるな?」
337、という数字は人口を表しているが、前より若干増えている。
「引っ越してきたのかな?」
ピロリん。
そんなことを考えていると、通知音が聞こえた。
目を瞑って、ステータスと唱える。
すると、掲示板に何やら、コメントが来ているらしい。
「こちらに引っ越してきたものですが、引っ越しの手伝いをして欲しいです。よろしくです」
「おぉ!」
依頼が早速来たようだ。
「えーと、今から向かいます、よっと」
エオは位置情報を送ってもらい、直ぐに現場に向かった。
「でけぇ……」
キャロルやケレルン種屋と同じ、ミルキー地方の一軒家に来ている。
エオはこの家をずっと教会だと勘違いしていた。そのぐらいの大きさと神秘さを兼ね備えている。
「やぁやぁ、君が何でも屋さんかな?」
「そうですって、あ!」
エオはこの女の子を知っている。
「あってなに? 私たちのこと知っているの?」
目の前の女の子と違う声が背後から聞こえた。
「って、このヒト知ってるよ! テレビでみたー」
「私もみたみたー」
二人の女の子ははしゃいでる。間違いない。
「もしかして、花嫁候補のメウさんとビスさんですか??」
「おぉ! 知ってくれてるのか?」
この透き通る水色の髪の綺麗なロングがメウ。
「花嫁、私、なるのだ」
この明るいパステルグリーンのショートボブがビス。
「やっぱりか」
「なんだ? お前も花嫁を探しに来たのか?」
「そうなのだな?」
二人はニタニタしている。改めて見るとかなり可愛い。この年でここまで綺麗な顔だと、将来どうなってしまうのか。気になる。
「違うよ、それより、引っ越しの手伝いは何をすれば?」
「おぉ、そうだそうだ。あのね、この荷物を組み立てて欲しいの」
メウは指を指した。その指の箱には大きな箱があり、中を覗いてみると、セミダブルぐらいのベッドあった。
「できそうなのだ?」
ビスが不安そうにエオを見つめる。
「あぁ、出来る限りやってみるよ!」
張り切ってベッドを組み立てるエオ。
結局、終わるのが夕方になってしまった。
「お疲れ様ですよエオ」
メウはドリンクを差し出した。
「あ、ありがとう、取り敢えずこれでいいかな?」
「勿論なのだ! 感謝なのだ!」
ベッドの上のではしゃぎまくる二人。
二人は急に止まった。
「どうした? 気に食わないか?」
「お腹が……!」
メウがお腹を抑えている。
「痛いのか?!」
エオはあたふたしている。
「減ったのだ」
ビスがケロッと立ち上がった。
「紛らわしいわ」
エオは軽めにゲンコツをした」
「「いたっ」」
二人は頭をスリスリしている。可愛すぎる。もう一発殴ろうか。
「あ、いかんいかん」
危うく、捕まるとこだった。
「そうだ。二人とも、家にくる?」
「なんで?」
「引っ越し祝いに料理作ってあげるよ!」
「本当か!やった!」
「嬉しいのだ!」
右の手をメウ。
左の手をビス。
「ちょっと……」
「嫌か?」
「嫌なのだ?」
「嫌ではないけど……?」
「じゃ、良いのだな?」
「良いのだ?」
「うん……」
この状況を誰かに見られでもしたら、特にキャロルに見られでもしたら。
そんな恐怖と戦いながら、二人の天使と一緒に、エドワード商店街に向かった―。
次回
買い物中に注目を浴びるの巻




