ハロニー漁港とアキラくん
ブレンド牧場にて。
「セシアー! 早く行こうぜ!」
「待ってよー、アキラくん……」
アキラは新鮮な牛乳を納品箱に入れた。
続けて、チーズとバターをセシアが丁寧に置いた。
「よし! これでいいね!」
アキラがドキドキしながら、納品箱を見ている。
木質の箱にデジタル盤が貼り付けてあるのは何とも不自然だが、このデジタル盤に取引値が表示され、自動で売買してくれる、しかも、数秒で取引可能。
「すごいぞ! セシア! 全部で4250Gだ!!」
「そ、そ、そんなに?!」
この値段は普段の約3倍の価値だ。
「これも、全部、エオのお陰だな!」
「そ、そうだね……」
エオの活躍により、活気を取り戻すかと思えたソラーノ島だったが、取り戻すなんて生温いものではなかった。
ソラーノ島は評判は上がりに上がり、ソラーノ島史上最大の総利益率を更新し続けている。
「その分、めちゃくちゃ忙しいんだけど、まぁ、エオは俺の舎弟だから、俺も誇らしい気分だぜ」
「舎弟……??」
「あぁ、そうだよ。勝負に負けたからな」
「私はアキラから貰ったプレゼント、嬉しかったよ、嫌われてたかと思ってた……」
「んなわけねーだろ! その、あれだ、もう、しないから、その、ごめんよ、あのときは」
アキラは頬を掻きながら、照れくさそうに謝っている。
「うん、もう、大丈夫だよ。いま、一緒に仕事のお手伝いしてくれてるし、アキラの良いところ、いっぱい知れた」
「そ、そうか! よし! まだまだ、頑張ろう! 手伝うからさ!」
「うん、でも、無理しないでね?」
「おうよ!」
ハロニー漁港にて。
「魚納品まだか?!」
「へい! もうすぐで完了します!!」
「早くせんか! 忙しかろうとどうだろうと、お客様に新鮮な魚を届けるのが、我々の仕事だ! 今はぶっ倒れるまで働くぞ!!!!」
「「「ラジャー!!」」」
ハロニー漁港では朝から船をフル活用し、魚を取ってた箱詰めして、納品する、このサークルを休憩なしで繰り返していた。
港で働いてる人はこの島の人口の25パーセントほどとも言われている。それだけ、ソラーノ島付近の海で捕れるの魚は需要があるのだ。元々、美味しいことで有名だったが、今回の件で注文はいつもと比にならないほど増加した。
「もうすぐ、他国からのお客様が直接、魚を受け取りくるぞ! 準備はできてるか!!!」
「へい! 間違いなく、ばっちりです!」
もうすぐ、船がこのソラーノ島に戻る。
この船は本来、先進島を周るのだが、その中にソラーノ島はなかった。
しかし、この船の航海士がソラーノ島出身であることや近隣の島の援助により、ソラーノ島を見学したい方を中心として、色んな島の色んな種族がここを訪れる。
「来ました!!」
「よーし! みんな、気合い入れていくぞ!!!!」
「ラジャー!!」「へい!」「うぉりー!!」
「掛け声揃わん過ぎだろー!!」
ハロニー漁港は活気で満ちていた。
船上にて。
「やっとついたね!」
「グレイさん、色々ありがとうございました!」
エオは頭を下げた。
「いやいや、こちらこそだよ! 僕はマサルトクリニックに用事があるから!」
「あ、ホルセさんの?」
「ホルセを知ってるのか?!!!」
グレイの目が無邪気に輝いたー。




