10歳とポロシャツ
~謝罪~
花嫁候補、登場!
って言ったのに、説明でしか、登場していません。
それでも、良ければ、読んでやってください!
「気持ちいいなぁ」
エオはソラーノ島に向かう船に揺られ、潮風を全身で感じていた。
グレンドランゴ島行きの時は、緊張でとてもじゃないが、黄昏る余裕なんてなかった。
「俺、頑張ったよな……?」
しかし、今は違う。ソラーノ島の信頼を取り戻し、先進島の一つ、グレンドランゴ島の現王様のバックアップを得た。
これはかなりの進歩だ。もしかしたら、既にマトソムがいた頃よりも注目されているかもしれない。
「あ、そうだ、確認しよっと」
≪ステータス≫
エオが確認したのは、スキルや体力ゲージではなく、ピースから頼まれた【島の人たちの幸せを集める】というミッションの進行具合だ。
今回のエオの活躍によりソラーノ島には様々な分野の注文が殺到したという。勿論、それは島の発展には欠かせないものだし、忙しいけど、充実していると、この船を運行している、ハロニー漁港の航海士も言っていたらしい。
「やっぱりだめか」
しかし、数値は変わらないままだ。
「やっぱり、一人ずつってことだよな」
『334』という数字と『2』という数字が書かれている。
前者は島の人数で後者は幸せを集めた者の数で、ほぼ間違いないだろう。
「先はまだ長いな、でも、頑張るしないよな」
エオはくよくよするのを止めた。ピースとまた、一緒に暮らすために身を粉にして、動き回っているのに、ピースのことで悩んでいるのは、無意味だ。
そのせいで、目標達成により多くの時間を費やすなんて、正に、本末転倒である。
それに、鍵のことも、結局、ピースとホルセの鍵しか手に入れていないし、キャロルの願いは簡単には叶えられない。
ピースは花嫁候補としてはノーカウントだ。だとすると、残りは五人なのだが、一つ可笑しな点がある。
鍵は全部で七つあるのだが、ピースを入れて八人の鍵保有者兼花嫁候補がいる。
「マトソムの勘違いか……?」
それより、早く鍵保有者と対面しなくてはならない。
花嫁候補の中から、一人選ぶことにした。気は進まないが、手当たり次第にって訳にもいかないので、仕方ない。
と、言いつつ、何気に楽しい。
「ん? これは……?」
そこには、仲睦まじく川遊びをする、二人の少女の姿の写真が記載されていた。小学生低学年ほどに見える彼女らの名前はメウとビス。二人とも花嫁候補らしいが、そんなこと大きな声では言えない。
「あっちだったら、普通に犯罪者だな…………」
この島には見た目が若い者が多い。しかし、これは何が何でも気が退ける。
年齢を見てみると、二人とも10歳。
「見た目通りやないかい! てか、これいいの、親御さんとか、法的にはいいの?」
エオはソラーノ島に来て、まだ一週間ほどしか経っていない上に、島についてのことを知る前に次から次へと何か、ハプニングが起こっていたので、簡単に言うと、何も知らない。
「エオさん? 大丈夫かい?」
「え、はい、独り言なので……」
「いやー、独り言の域は超えていたぞ?」
大きな旅行バックにサングラス。花柄のポロシャツから微かに見える筋肉と整った顔に焦げた肌がよく似合う。
男前だ。
「すみません。心配掛けてしまって、でも、本当に大丈夫です……」
「まぁ、色んな所から引っ張りだこなんだろう? どうだい? おじさんが何か美味しい物を食べさせてあげるよ、ついておいで」
「あ、え、いいんですか?」
「あんな、熱い言葉が言える男に奢れるなら、俺も本望さ」
ここまでカッコイイと、映画を見ているような感覚になる。
そのぐらい、オーラがあるし、発言も仕草も、板につく。
「えーと、名前を聞いてもいいですか?」
「おぉ、自己紹介がまだだったな。私の名前はグレイ、研究者だ」
エオはそんな会話をしている頃、ソラーノ島ではー―。
次回
またしても、新しい花嫁候補の話じゃないの巻




