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戦争と地獄

「でも、そんなことがどうでもいいぐらい、ピースが大切なんだよ」

「エオ……、ありがとう」


 エオがソラーノ島に転生されてまだ、五日ほどしか経っていない。でも、この先、ピースがいないこの世界で暮らして行くのは絶対嫌だとエオは心の底から思っている。


「ピースの封印を阻止するには、どうすればいい?」

「この島の呪いを掛けたやつに呪いを解いてもらう必要があるんじゃ」

「つまり、呪いを掛けた人間を見つければいいということか?」


 難題だ。この島の規模にもよるが、手あたり次第で犯人を捜すなんて時間がいくらあっても足りない。それにこの土地のことなんてエオは全く知らない。


「いや、呪いを掛けたのは、マトソムじゃぞ?」

「え? えぇ!」


 爺さんの口からは予想外な人物の名前が出てきた。

 マトソム。このソラーノ島の村長だ。


「そんな驚くこともなかろう? マトソムは見てくれこそ、人良さげじゃが、そもそも、あいつがワシらを駆逐したんじゃ……」


「何で、爺さんはいつもいつも、大事なことを言わないんだよ! ホルセの鍵渡してしまったじゃんか」

「鍵一つじゃどうにもならん、安心せい。それより、ピースの鍵はまだ、持っているな?」

「あ、あぁ、一応」

 鍵を爺さんに渡す。

「これはピースに返すとこから始めなくちゃならん」

「それなら、もうすぐ帰ってくるはず……」


 バタン

「ただいまー! エオごめんね、遅くなって!」


 噂をすればとは、正にこのことだ。


「ピース、お帰りなさい」

「ただいまって?? そこの爺さんと女性は誰なの?」


「あぁー、そっか」

 記憶がないのか。


「ピースよ」

「は、はい」


 爺さんが前に出る。

「辛い思いをさせて、すまんかった。これからはワシらも一緒に戦うぞ!」


 爺さんはピースの胸に鍵を刺した。光が満ち満ちていく。


「お帰りピース」

「お帰りなさい、ピース……」



「これは、おぉ、ジーゼズとエルゼじゃないか!」


 三人の感動な再会。エオはこっそり二階に上がろうとした。


「エオ、何処にいく?」

 振り返ると。

「飯を食べよう!」


 満面の笑みを浮かべた、ピースの姿があった。



「エオ、すまないことをしたな」

「い、いいよ」


 いつより、ちょっと豪華な魚料理を食べながら、四人で食卓を囲んだ。

 それより、いつも、大人しいピースがこうも、急に大人になると少しだけ、辛い。

 気持ち、タレ目がツリ目になってるような。


「それより、ジーゼズ。結局人間は?」

「ご察しの通りじゃ」

 爺さんの本名はジーゼズだったのか。エオは初知りだった。

「やっぱり、仕方ない、力も八割は戻っているし、充分だろう」


「ピース? 何するの?」


「決まっている。最善を尽くしてダメだったんだ。人間と戦争だ」

 パチンッ


「おい、エオなにを……!」

「ピース、そんな悲しいこと言わないでくれ、もう少しだけ考えてみようよ、折角、キャロル、ホルセやセシア、少年たち。そして、ここにいる、爺さんとエルゼ」

「…………」

「最後にピース。みんなと出会えたこの島が僕は大好きなんだ。短い期間だけど、まだまだ、ずっと一緒に居たいんだよ」

「しかし、我ら、妖精族の願いはもう……」

「これは我儘だ。ただ、分かって欲しいのは、人間が悪いんじゃない」

「…………?」

「悪いのは悪事を働く人間だけだ」



「ふっふふ~ん♪」

 マトソムは機嫌がいい。

「エオくんは良い仕事をしてくれる、まさか、こんな早くピースの鍵を手に入れるなんて!」


ぴんぽーん


「お? こんな時間に誰かな?」

 マトソムは扉を開ける。

「おぉ! エオくんじゃないか」

 噂をすればとはこのこと。

「ご無沙汰しております」

「いやはや、エオ君、鍵集めのほうは進んでおるかね?」

 チャンスだ。これでピースの鍵を渡してもらえれば、封印に大きく近づくことができる。


「その件で少しお話が……」

「おぉ? 何かね? ここで立ち話もあれだから、部屋で話そう」


 マトソムのテンションは最高潮。


 今から地獄を見るとも知らずに―――。


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