表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/130

道具と魔力

「これは、クワ? あ、オノもあるし、色々入ってるなー」

 この箱は道具入れのようだ。畑を耕すのに必要な農具は一式揃っている。

「なんだこの紙は……?」

 エオは一枚の紙を手に取る。

「これは、説明書……?」

 そこには道具の使い方が丁寧に記されていた。

「なになに? この道具は魔力によって動きます、魔力は道具を持ったときに感知します……って、魔力とか、そんな力持ってるわけないんじゃん、いや、まてよ、もしかしたら……」

 エオは道具箱をゴソゴソと探った。

「これかな?」

 エオは機械を取り出した。

「えーと、魔力測量機、これだよ」

 異世界転生したのだから、もしかしたら、自分にも物凄い力があるかも知れない。このぐらいの年の男の子なら皆期待することだろう。

 エオは説明書通り、機械に指を置き、測量機の電源を入れた。

『貴方の魔力は…………ゼロです!!』

「んな?!」

『貴方の魔力は……ゼロです!!(笑)』

「2回も言わなくていいよ、てか、少し笑っただろ、お前!!」

 機械に無意味にキレてしまったエオ。

「えー、じゃ、道具使えないのか、それなら、取り敢えず、街の方に行ってみるか」

 エオは家から出て、街を散策することにした。


「エドワード商店街?」

 看板の文字は全く知らないのに、読むことができた。

 このエドワード商店街は家から徒歩三分ほどで到着した。

「へぇー、色んな店があるなー」

 雑貨屋、料理屋、クリニックや仕立て屋、様々な店が立ち並ぶ。

「おーい!きみきみー」

 後ろからエオを呼ぶ小太りの男の人がいた。

「君がエオくんかい?」

「あ、はい、そうですけど、あなたは??」

「私は村長のマトソムです、よろしく」

 握手を求められた。

「あ、はい、こちらこそ..」

「挨拶しなくてはと思って所なんですけど、遅れて申し訳ない、ちょっといざこざがありまして..」

「いざこざですか?」

「はい、このソラーノ島には魔物が住んでおりまして、それらを封印する7つの鍵が消えてしまって……」

「はぁ……?」

 魔物とかもいるのだろうか。それに七つの鍵って何のことだろうか。

「エオさん、いきなりで申し訳ないですが、それを探すお手伝いをして貰いたい!」

「え、でも、俺魔力っていうのがゼロらしく、お役に立てるとは思えないんですが..」

「ゼロ、ですか?」

マトソムは首を傾げた。

「はい、多分、俺、めちゃ弱です」

「うーん? 可笑しいですね、少なからず、魔力は誰もが持ってるものなのですが....」

 この世界の人は誰しもが魔力を持ってるらしい。

「ってことなんで、俺はこれで……」 

 エオは立ち去ろうとする。

「あ、エオさん、もしかしたら魔力はなくても淫力はあるかもですよ!」

「引力??」

「違いますよ、淫力ですよ!」

「とても、エロそうですね」

「はい、たまには居るんですよ、生命力の源である、魔力を保持していない者が持ってる第二の生命力、それが淫力です!」

「つまり、俺が変態だと?」

「はい!そのとおりです!」

「そうですか、それでは俺はこれで」

 踵を返し、この場から離れようとするエオ。

「ちょ、待ってくださいよ、もし、淫力をお持ちの方であれば、問題を解決するには打ってつけなんですよ!!」

「どういうこと?」

「それはですね……」


 村長のマトソムはニヤリと薄ら笑いを浮かべながら語りだした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ