ごめんなさいとセシア
「勝負の内容は……?」
エオは唾を飲んだ。
「セ、セシアに喜んで貰えるプレゼントを渡せた方が勝ちっていうのはどうだ…………?」
少年はピースの後ろの少女を指差していた。
「え、ま、君がそれでいいなら・・??」
エオに取ってこれは意外な勝負だった。
しかし、これなら、勝機はある。
「それじゃ、一時間後にこの木の下に集合な!」
「分かったよ」
男の戦いが始まった―。
「ねぇ、エオ?」
「何、ピース?」
「これってもしかしたら、私たちって?」
「あぁ、多分ね。でも、ここは任せてよ、秘策があるんだ」
エオは少女―セシアに近寄った。
セシアはうさぎのように、震えている。
白い肌に白銀の髪。ぷにぷにとしたフォルム。もし、ロリコンだったら、性欲を抑えることが不可能になるぐらい、可愛い。
「ちょっと、エオ。セシアが怖がってますよ」
「あ、ごめんね。その教えて欲しいことが一つだけあって」
「な、なに、です、か……?」
今にも消えて無くなりそうなか細い声色だが、セシアの瞳は真っすぐとエオを見ていた。
「欲しいものとか、ある??」
エオの表情はとても晴れやかだった。
~1時間後~
「ちゃんと、用意したか、小僧」
「勿論だよ、少年」
「じゃ、セシア。これ、プレゼントだよ」
エオは自信満々にプレゼントを渡した。
「うわぁ! 可愛い!!」
エオがセシアに渡したのは、キュートな猫だ。
セシアのリアクションも上々。
それもそのはず。エオはセシアに欲しいものを聞いて、捕まえてきたのだ。
「セシアが一番、欲しいものを聞いて、探して、ペットにしたんだ」
「く、くそ、そんなのずるいよ……」
あからさまにテンションが低い少年。
「ずるなんてないよ。本人聞いてはいけないなんてルールあったの?」
「ないけど……」
少年は緊張で顔を真っ赤にしている。
「いけいけ!」
「チャンスは今しかないんだよ」
「ここで逃したら後悔するぞ」
他の子供たちが思いっきり盛り上がっている。
これはきっと、他の子供たちも知っているのだろう。
少年の思いを。
「少年!」
「な、なんだよ……」
「僕はセシアが一番欲しいものをプレゼントしたけど、それは、貰って一番嬉しいものではないんだよ。何故かわかるよね?」」
「はぁ? い、意味わかんねーし……」
少年の顔が少しだけ、明るさを戻した。
「そうかい」
エオが手伝えるのはここまで。後は、少年次第だ。
「あのさ、セシア……」
「うぅ……」
今までいじめられたと勘違いしていたのだ。
セシアからしてみれば、この状況は酷く怖いはず。
「あの、その、」
「…………」
気まずい空気。だけど、少年なら言える。エオは確信していた。
「今まで意地悪なことしてごめんなさい!!」
「えっ……」
夕日が綺麗な大草原に心地の良い風が吹いた。
エオ家にて。
「それにしても、まさか、こんなことになるとは、ね?」
ピースはエオが作った魚料理をたらふく食べながら、呟いた。
「少年も相当な恥ずかしがりやだよね」
「勘違いしてたよ。いじめてたから、親切心で助けたんだけど、お邪魔でしたね」
少年はセシアに恋焦がれていた。
喋ろうとすると、いつも空回りしてしまって、失敗を重ねた。
素直に謝罪することすら困難な状況まで悪化したときに少年たちはエオに出会った。
「ごめんなさいって、ちゃんと言えて良かった」
「そうですね。あ、えっと、エオ確か、私に謝りたいことがあるって??」
「あ、そうだった……」
すっかり、本来の目的を忘れてしまった。
「昨日の夜はごめんなさい! 見てはないなけど、何をしていたかは大体、分かってる……」
エオは頭を下げた。
「……いつもじゃないから…………」
「はい?」
「昨日はたまたまだから、変態な女って思ないで下さい!」
「え、いや……」
「返事は?!」
「はいっ!!!!」
こうして、エオはピースに謝罪をすることができ、仲直りを無事?果たすことが出来た―。
次回予告
エオ、やっと、畑に種をまくの巻き。




