雑貨屋と年上
「ここか……?」
エオは雑貨屋ヒマワリに来ている。
ホルセのお願いでピースがここに買い物に来ている、と思う。
威勢よくマサルトクリニックを出て来たので、ピースが何処の雑貨屋に行ったのか聞いていないが、どうも、エドワード商店街にはここ以外で買い物出来る場所はほぼない。
エオは扉を開く。
「いらっしゃいませー!!」
元気な声だ。声の主を見ると。
「お客様って、エオじゃない!」
キャロルだった。
「げ、キャロル……」
「げ、って何よ、まるで会いたくないみたいな言い方ね?!」
出来れば会いたくない相手だった。
「なんで、キャロルはここに? バイト?」
「は? 何言ってるのよ? ここは私の店!」
「え?」
「私の店なの!」
「まじで?! その年で、店持ってるの?!」
「その年って私はもう、23だよ? 別に不思議なことじゃないでしょ?」
「年上だったの?!」
二十三歳で店を持つことも十分に凄いのだが、それより、年上だと言うことに驚いた。
どう見ても同学年、いや、年下にすら感じていた。
「それより、エオ……?」
「は、はい?」
エオは覚悟した。
昨日の夜、家に来たキャロルを追い出した。きっとそのことを根に持っているはず。
「昨日は、その、ごめんなさい……」
「え、いや、こちらこそ?」
返ってきたのは予想外の言葉だった。
「その、私ね、淫力のせいで、夜になるといつもより、その、え、えっちになるの、それでね、抑えらなくて、エオを、襲いに行こうとしたら、いちゃいちゃしてるのを見て、我慢できなくて……」
「そ、そうなんだ……?」
ツッコミどころ満載だが、今は話を聞くことにした。
「私だって、理性はあるのよ? 元々はみんなと一緒の魔力使いだったのに……」
「え、そ、そうなの?」
「そうよ、ただ、呪いのせい、とは限らないけど、突然変異というか、急に淫力に変わったのよ……」
「……」
「エオ?」
「だとすれば解決策があるかも知れない……!」
「え、本当?!」
「キャロルの願いは何?」
「子供が欲しい!!」
「ごめん、やっぱ無理だわ」
「なによ!! 期待したじゃない!」
「他には? 何か無いの?」
「うーん? あ! 一つだけある!」
「お? なんだ?」
「それはねー」
キャロルの願いにエオの顔は引きつっていた。




