こぶと写真
「どうしたらこんな大きなこぶができるんだ?」
ホルセは溜息交じりに失笑した。
「いやー、実はあんまり覚えてなくて…………」
「覚えってないって、こんな赤く晴れているのか?」
「いてて、あんまり強くしないでくださいよ、ホルセさん……」
エオは朝起きると、頭に違和感を覚えた。痛い。鏡で見てみると、腫れていたので、マサルトクリニックに来たのだ。
「ピースが何か知っているか、聞いてみたんですけど……」
エオはピースを見る。
「ふん! 自業自得ですよ」
「……とこの通り、何も教えてくれないんですよ……」
ピースにはお留守番を頼んだのだが、心配だからとついてきたのだ。
「まぁ、今の会話で大体の状況は分かった。ピース、これをプレゼントしよう」
ホルセは薬品棚から、錠剤を何粒かピースに渡した。
「ホルセさん? これは……?」
ピースはホルセに尋ねた。
「それは、何かを抑制する薬だよ、きっと、思い当たる節があるんじゃないか?」
「あ、ありがとう、助かるです」
ピースは薬を嬉しそうに抱えた。
「何の薬なんです? これは? あ、もしかして、ピースも何処か痛むのか?」
「あえて、言うなら、心が痛いです……」
ピースは深いた溜息をついた。
「え、どういうこと?」
エオは困惑して、ホルセを見た。
「うーん、まぁ、何というか、そうだ、ピース。ちょっとそこまでお使い頼めるか?」
「え、いいですよ?」
「じゃ、これがリストだ。無事に任務遂行できたら、その薬を今後からも無料提供しよう」
「わかりました! すぐ行ってきます!」
ピースはクリックのドアを勢よく開き、外に飛び出していった。
「ピースも変わったな」
「あぁー、特殊能力が何故か、消えてしまったんですよ、ピースの心を読める的な、あれが」
これを誰かに言うのは抵抗があった。ピースがいくら気にしてないとは言え、今までこの能力のせいでたくさんの人は困っていた。もちろん、ピース本人が一番苦労したことは十分に理解している。それでも、この能力が消えたことを周りに知られることのデメリットが大きとエオは考え、判断した。
「そうなのか、でも、ピースにとっては、いい事かも知れないな。ただ、そのことは絶対、エオの口から言わないほうがいいな、本人が周りに理解されたときに、ピースが告白すればいいことだ」
「そ、そうですね」
告白という言葉に少しビクッしたが、やはりホルセはいい人だ。
「それで、ピースが帰ってくる前に、鍵について一つ分かったことがあるぞ、ついさっき、確信を得た答えだ」
「はい? なんですか?」
「鍵はもしかしたら、性欲を抑えるキーになっているかも知れない」
「というと……?」
「鍵を無くなってから私は正常に性に対する興味が湧いている。今まで呪いのせいで、全く感じることのできない感覚で、懐かしさ感じるほどだ、もしかしたら、呪いとは別の何かが作用しているのかも知れないな」
「それは、良かった? ですよね?」
「あぁ、勿論だ」
「…………」
「…………」
「エオは何も分からないのか?」
「え? はい?」
「じゃ、もう、これがラストヒントだ。昨日、エオはピースにしてはいけないことをしているかもしれない」
「あ! 思い出しました! 昨日、ピースがその、唸っていた、というか、その……」
「だと思ったよ、そのこぶは何か長い棒のようなもので殴られた痕だ、エオはピースの自慰行為見て、ピースに殴られたんだんだよ、なぜ、性欲が湧いたかは、流石にわかるな?」
「なるほど、やっぱり、そうだったのか……」
「ここまでが助言の限界だ。ここから、どうするかはエオ自身で答えを出せ。因みにあの薬は抑性剤だ、あまり飲みすぎると、っておい、最後まで話を聞かないか?」
「ありがとう! ホルセさん! 謝ってくる!」
エオをまた、勢いよく、飛び出していった。
「……こんなお節介ばかりだから、私は結婚出来ないんだろうな」
ホルセは一枚の写真を手に取った。
「あいつはどこをほっつき歩いているんだ……?」
その写真には一人の男が写っていた―。




